
大切な愛犬が病気やケガをしたとき、治療費の負担は決して軽くありません。そんなとき頼りになるのがペット保険ですが、各社のプランによって補償内容や保険料は様々で、どれを選べば良いか迷ってしまう飼い主さんも多いでしょう。
本記事では、犬のペット保険の必要性や選び方のポイントを解説し、2025年時点で特におすすめできる保険5選を比較紹介します。愛犬に合ったベストな保険選びの参考にしてください。
犬のペット保険は必要?加入するメリットとは
ペット医療の高度化に伴い、犬の治療費は年々高額になる傾向があります。例えば骨折や腫瘍の手術では数十万円の費用がかかるケースも珍しくありません。ペット保険に加入しておけば治療費の一部を保険金でまかなえるため、金銭面の負担を大きく軽減できます。また費用面の心配が少なくなることで、飼い主さんが必要なタイミングで迷わず動物病院に連れて行ける安心感も得られます。
現在、日本におけるペット保険の加入率は約2割程度といわれています。決して加入者は多数派ではありませんが、年々少しずつ増加している状況です。「自分は貯金があるから大丈夫」と思われるかもしれませんが、若いうちは健康でも年齢を重ねるにつれ病気のリスクは高まるものです。いざというときに「入っておけばよかった…」と後悔しないためにも、早めに検討しておくと安心です。
ペット保険に加入する主なメリットは次のとおりです。
- 高額治療への備え: 手術や入院が必要な重病・大ケガの場合でも、保険金によって自己負担額を抑えられるため、経済的理由で治療を諦めるリスクが減ります。
- 安心感と早期受診: 保険に入っていることで「治療費が心配だから受診を迷う」という事態を避けられます。結果的に早期診断・早期治療につながり、愛犬の健康を守りやすくなります。
- 付帯サービスの活用: 保険商品によっては24時間相談ダイヤルや健康チェックサービスなどが付いているものもあります。いざという時に獣医師に電話相談できるサービスは、飼い主さんの不安解消に大いに役立ちます。
もちろんペット保険は必ずしも全員が入るべきものではありません。保険料と補償を天秤にかけ、自己負担で賄う方が経済的と考える方もいます。ただ、特に治療費が高額になりやすい病気(がん、整形外科疾患など)に備えたい場合や、万が一の時に後悔したくない方にとって、ペット保険は心強い選択肢と言えるでしょう。
犬のペット保険の選び方・比較ポイント
ペット保険は各社ごとにプラン内容が異なるため、いくつかの重要ポイントを押さえて比較・検討することが大切です。以下に、犬の保険選びで注目すべき主なポイントをまとめます。
- 加入可能年齢: ペット保険には新規加入できる年齢上限が定められており、一般的には7~12歳程度が多くなっています。高齢で加入できる保険は限られるため、愛犬の年齢が加入条件を満たすか最初に確認しましょう。なお、アニコム損保の「しにあ」プランのように8歳以上のシニア専用保険も一部存在します。
- 補償範囲(通院補償の有無): 保険によって、通院・入院・手術すべてをカバーするフルカバー型と、入院・手術のみの特化型に分かれます。犬は通院治療の機会が特に多く、保険金請求の約86%が通院に関するものとのデータもあります。迷ったら通院も補償されるフルカバー型を選ぶのがおすすめです。
- 補償割合(プランの給付率): 保険が負担してくれる治療費の割合です。一般的に50%プランか70%プランから選べる場合が多く、近年は70%補償のプランが人気です。補償割合が高いほど自己負担は減りますが保険料は上がります。予算とリスク許容度に応じて選びましょう(中には90%や100%まで補償するプランもあります)。
- 免責金額(自己負担額の設定): プランによっては1回あたり○円まで自己負担とする免責金額が設定されている場合があります。免責があると少額の治療費は全額自己負担になりますが、その分保険料は割安になる傾向があります。少額の通院も補償してほしい場合は免責金額のないプランを選ぶと良いでしょう。
- 保険金請求方法: 保険金の受け取り方は、大きく「窓口精算」と「後日精算」に分かれます。窓口精算は動物病院で会計時にペット保険証を提示し、自己負担分だけ支払えば済む便利な方式です。一方、後日精算は一旦全額を自分で支払い、後から保険会社に請求する必要があります。窓口精算は手間がかからない反面、対応病院が限られたり保険料が高めな傾向があります。後日精算型はどの動物病院でも使えるメリットがありますが、自分で請求手続きを行う手間がかかります。それぞれのメリット・デメリットを考えて、自分に合った方式の保険を選びましょう。
- 保険料の推移(継続しやすさ): 保険料はペットの年齢が上がるにつれて段階的に値上がりしていくのが一般的です。将来的に無理なく継続できる保険料かどうか、高齢期の保険料シミュレーションも確認しておきましょう。商品によっては高齢になると保険料が一定になるもの(例:アイペットは12歳以降は定額)や、上がり幅が緩やかなものもあります。
- 割引制度・付帯サービス: 各社独自のサービスにも注目です。例えば、多頭割引(2頭目以降の保険料割引)や無事故割引(一定期間請求がない場合の割引)などの制度、さらには365日24時間相談できる獣医師ダイヤル、定期健康チェックサービスといった付帯サービスを提供している保険もあります。こうしたサービスは保険選びのプラス要素になりますので、ぜひ確認しましょう。
以上のポイントを踏まえて、愛犬の年齢・健康状態、飼い主さんの希望補償内容や予算に合った保険を絞り込んでいくと良いでしょう。特に初めてペット保険に入る方は、「どんな病気まで補償されるか」「自己負担はいくらになるか」「請求手続きは簡単か」といった点を意識すると選びやすくなります。わからないことがあれば保険会社の資料請求や問い合わせで確認し、不明点をクリアにしてから加入することをおすすめします。
【2025年版】犬のペット保険おすすめ5選
それでは、2025年現在おすすめできる犬向けペット保険5社を紹介します。ここでは通院・入院・手術をカバーするフルカバー型かつ補償割合70%程度の代表的プランを中心に比較します。各社の補償内容や保険料、サービスの特徴を把握し、愛犬に最適な保険選びの参考にしてください。
🐕 【2025年版】犬のペット保険おすすめ5選 比較表
順位 | 保険名 (プラン) | 月額保険料 (小型犬0歳目安) | 年間最大 補償額 | 補償割合 | 新規加入 年齢上限 | 総合評価 | コスパ | サービス充実度 | 主な特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | PS保険 70%補償プラン | 約2,120円 | 110万円 | 70% | 8歳11ヶ月 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐ | ・待機期間なし ・ヘルニア・歯科治療対応 ・24時間相談窓口 ・保険料上昇緩やか | ・業界最高のコスパ ・補償範囲が広い ・即日補償開始 ・契約者満足度高い | ・窓口精算非対応 ・知名度がやや低い ・代理店が少ない |
2位 | アイペット損保 うちの子 70%プラン | 約3,090円 | 122.4万円 | 70% | 12歳11ヶ月 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ・業界最高水準の補償額 ・12歳以降保険料定額 ・窓口精算対応 ・多頭飼育割引 | ・手厚い補償内容 ・高齢犬も加入可能 ・窓口精算で便利 ・加入者数No.1実績 | ・保険料が高め ・補償制限あり ・若い犬には割高 |
3位 | FPC ペット保険フィット 70% | 約1,550円 | 100万円 | 70% | 9歳未満 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ | ・業界最安級の保険料 ・回数・日額制限なし ・90%プラン選択可 ・アプリ請求対応 | ・圧倒的な安さ ・制限なしで使いやすい ・全国動物病院対応 ・シンプルで分かりやすい | ・付帯サービス少ない ・窓口精算非対応 ・補償額は中程度 |
4位 | アニコム損保 どうぶつ健保ふぁみりぃ70% | 約3,590円 | 84万円 | 70% | 7歳11ヶ月 | ⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ・業界最大手の安心感 ・腸内フローラ測定無料 ・窓口精算対応多数 ・終身継続可能 | ・圧倒的な知名度と信頼 ・健康サポート充実 ・対応病院数最多 ・コミュニティ豊富 | ・補償額がやや低い ・保険料が高め ・新規加入年齢制限 |
5位 | SBIペット保険 プラン70スタンダード | 約1,998円 | 70万円 | 70% | 11歳11ヶ月 | ⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ | ・超高齢まで加入可能 ・プラン選択肢豊富 ・24時間相談サービス ・SBIグループの安心感 | ・シニア犬の駆け込み加入OK ・柔軟なプラン設計 ・手頃な保険料 ・電話サポート充実 | ・補償額が最も低い ・少短保険の制約 ・窓口精算非対応 |
📊 詳細補償内容比較
💰 保険料年齢別推移(小型犬例)
年齢 | PS保険 | アイペット | FPC | アニコム | SBI |
---|---|---|---|---|---|
0歳 | 2,120円 | 3,090円 | 1,550円 | 3,590円 | 1,998円 |
3歳 | 2,340円 | 3,190円 | 1,750円 | 3,790円 | 2,180円 |
6歳 | 2,890円 | 3,490円 | 2,120円 | 4,290円 | 2,580円 |
9歳 | 3,560円 | 3,890円 | 2,650円 | 5,090円 | 3,180円 |
12歳 | 4,280円 | 3,890円 (定額) | - | 6,290円 | 3,980円 |
🏥 補償制限詳細比較
項目 | PS保険 | アイペット | FPC | アニコム | SBI |
---|---|---|---|---|---|
通院日額上限 | 10,000円 | 12,000円 | 制限なし | 14,000円 | 制限なし |
通院年間日数 | 20日 | 22日 | 制限なし | 20日 | 制限なし |
入院日額上限 | 20,000円 | 30,000円 | 制限なし | 14,000円 | 制限なし |
入院年間日数 | 30日 | 22日 | 制限なし | 20日 | 制限なし |
手術1回上限 | 100,000円 | 150,000円 | 制限なし | 140,000円 | 制限なし |
手術年間回数 | 2回 | 2回 | 制限なし | 2回 | 制限なし |
免責金額 | なし | なし | なし | なし | なし |
🏥 窓口精算対応状況
保険会社 | 窓口精算 | 対応病院数 | 特徴 |
---|---|---|---|
PS保険 | ❌ | - | 後日精算のみ |
アイペット | ✅ | 約6,500院 | 保険証提示で精算 |
FPC | ❌ | - | アプリで簡単請求 |
アニコム | ✅ | 約6,000院 | 業界最多の対応病院 |
SBI | ❌ | - | Web・郵送請求 |
※上記は主要プランの一例です。保険料は犬種や年齢によって異なります。また補償内容の詳細(支払限度額・回数など)は各社の公式資料で最新情報をご確認ください。
1. PS保険(ペットメディカルサポート)70%補償プラン
特徴: ペットメディカルサポート社の「PS保険」は、年間最大110万円まで補償される充実プランです。通院・入院・手術すべて補償され、免責金額(自己負担の固定額)もありません。1日あたりの支払限度額は通院1万円、入院2万円、手術10万円と定められていますが、補償日数は通院20日/入院30日/手術年2回までと十分な範囲です。保険料は月額2千円程度(小型犬・0歳時)で、同程度の補償内容の他社プランと比べても割安で、しかも保険料の上昇がゆるやかなのが特徴です。さらに待機期間(免責期間)が一切ないため、加入後すぐのケガ・病気から補償が開始される点も安心できます。補償範囲も広く、他社では補償対象外になりがちな椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼(パテラ)、歯科治療までカバーされます。また、24時間365日無料で獣医師に相談できる電話サービスが付帯しており、夜間や緊急時の心強いサポートとなるでしょう。
おすすめ理由: 保険料の安さと補償内容のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れた総合力No.1の保険です。実際に当プランは当サイトの契約件数ランキングでも1位になるほど多くの飼い主に選ばれています。補償項目も幅広いため、「せっかく保険に入ったのにこの病気は対象外だった…」という心配が少ない点が獣医師としても高く評価できます。特にヘルニアや歯周病治療まで補償されるのは、犬種や年齢によっては大きなメリットです。待機期間ゼロで加入翌日からフルに保障が受けられるので、加入タイミングを逃してしまった場合でもすぐ備えられる安心感があります。
適しているケース: 初めてペット保険に加入する方や、できるだけ保険料を抑えつつ充実した補償を受けたい方に最適です。補償範囲が広いため犬種や年齢を問わずオールマイティに活用できますが、特に椎間板ヘルニアや膝蓋骨のトラブルが心配な犬種(ダックスフンドやトイプードル等)には手厚い保険と言えます。また子犬のうちから加入して終身継続することで、高齢になってからも安心して治療を受けさせてあげられるでしょう(※新規加入は8歳11ヶ月まで)。
申し込み方法: 公式サイトよりネット加入が可能です。資料請求や電話問い合わせにも対応しています。PS保険は楽天など各種保険比較サイトからも申し込みできますが、公式サイト経由でWeb割引が適用される場合もあります。
2. アイペット損保 うちの子 70%プラン
特徴: アイペット損害保険の「うちの子」70%プランは、業界トップクラスの年間最大122.4万円の補償額を誇ります。補償割合70%で通院・入院・手術をしっかりカバーし、支払限度は通院1日あたり12,000円(年22日まで)、入院1日30,000円(年22日まで)、手術1回150,000円(年2回まで)と高めに設定されています。免責金額はなく、高額治療にも備えやすいプランです。保険料は月額約3千円と手厚い補償相応にやや高めですが、12歳11ヶ月まで新規加入が可能(他社は7~8歳上限が多い)であり、さらに12歳以降は保険料が一定額に据え置かれるユニークな仕組みがあります。また、アイペットは全国の提携動物病院にて窓口精算(動物病院での直接精算)に対応しており、保険証を提示するだけで自己負担分のみの支払いで済む利便性も魅力です。そのほか、多頭飼育割引(2頭目以降の契約で保険料2〜3%割引)や、契約者向けのペット用品割引サービスなど付帯サービスも充実しています。
おすすめ理由: アイペットの最大の強みは補償額の高さと加入可能年齢の幅広さです。年間122万円まで補償されれば、がん治療や高度医療が必要になった場合でも安心できる額でしょう。補償範囲も膝蓋骨脱臼(パテラ)や胃腸炎、骨折など犬で発生率の高い病気・ケガをしっかりカバーしており心強いです。また他社では高齢で断られるケースでもアイペットなら11~12歳でも駆け込み加入でき、シニア犬の飼い主さんにも門戸が開かれています。窓口精算対応病院が多いので、保険金の請求手続きの手間が少なく済む点も飼い主さんに優しいポイントです。実際に筆者のクライアントでも「保険証を見せるだけで会計が済み、本当に助かった」と評判が良く、加入者数も犬の保険で3年連続No.1を獲得しています。
適しているケース: 手厚い補償を求める方や高齢犬を飼っている方に特に向いています。例えば心臓病やがんなど治療費がかさみがちな病気に備えたい場合、このプランなら高額な手術や入院もほぼカバーできるでしょう。大型犬や持病が出やすい犬種で「もしもの時に備えを万全にしたい」という飼い主さんにも適しています。逆に、まだ若く健康で保険料を抑えたい方には少しオーバースペックかもしれません。しかし将来的なリスクを考えると、余裕があれば加入しておく価値の高い保険と言えます。
申し込み方法: 公式サイト上での見積もり・申し込みに対応しています。契約後は保険証(カード)が発行され、対応病院で提示して利用できます。また一部のペットショップや動物病院でもアイペットの代理店として申し込みを受け付けている場合があります。
3. FPC ペット保険フィット 70%プラン
特徴: FPCの「ペット保険フィット」70%補償プランは、業界最安クラスの保険料が大きな魅力です。小型犬0歳なら月額約1,500円台から加入でき、家計への負担を大きく抑えられます。それでいて補償内容は充実しており、年間最大100万円までの治療費を70%補償し、通院・入院・手術それぞれ支払回数や日額に制限がありません。極端な話、通院でも入院でも100万円に達するまで何度でも補償されるということです(※年間支払限度額内に限る)。免責金額もなく、日常的な通院治療から高額手術まで幅広くカバーします。さらにオプションで補償割合90%プランも用意されており、より自己負担を減らすことも可能です(その場合保険料は上がります)。請求方法は後日精算型ですが、スマホアプリから簡単に保険金請求ができるなど手続き面の工夫もされています。FPCの特徴として全国すべての動物病院で利用可能で、特定の提携病院に縛られない利点もあります。
おすすめ理由: FPCは「保険料を抑えつつ必要十分な補償を受けたい」というニーズにぴったりの保険です。業界最安水準の低価格にも関わらず、通院・入院・手術の回数制限なしという太っ腹な内容で、実際に使いやすいです。例えば長期の入院や慢性疾患で頻繁な通院が必要になった場合でも、1日の補償上限や回数制限に悩まされないのは大きなメリットです。筆者の飼い主さん患者でも「FPCは月々の負担が軽いのに、いざというときしっかり支払ってもらえた」と満足度が高い印象です。特に若いうちから加入すれば保険料が安く維持できますし、将来必要なときに備えて長く続けやすいでしょう。「手厚いサービスよりまず基本的な医療費補償を確保したい」という堅実派の飼い主さんにおすすめできます。
適しているケース: 保険料重視でコスパを求める方、そして頻繁に動物病院を利用しそうな方に向いています。例えば子犬の頃はよく下痢やケガで通院することが多いですが、FPCなら小さな通院費用も補償されるので助かります。また多頭飼いで一頭あたりの保険料を抑えたい場合にも良い選択です(FPC自体に多頭割引はありませんが、元の保険料が低いため)。一方、窓口精算サービスや付帯サービスなどは特にないシンプルな保険ですので、「24時間相談サービスが欲しい」「健康診断サービスが欲しい」という方は他を検討しましょう。純粋に治療費補償の効率で選ぶならFPCは非常に優秀です。
申し込み方法: 公式サイトから24時間申し込み可能です。ペット保険比較サイト経由で資料請求や申し込みもできます。Web完結で手続きできるのでスムーズです。保険証券等は郵送で届き、請求はパソコンやスマホからオンラインで行えます。
4. アニコム損保 どうぶつ健保ふぁみりぃ 70%プラン
特徴: アニコム損害保険の「どうぶつ健保ふぁみりぃ」70%プランは、日本で最も知名度が高いペット保険シリーズです。補償内容は通院・入院・手術のフルカバー型で、年間最大84万円まで補償、支払限度は通院1日14,000円(年20日)、入院1日14,000円(年20日)、手術1回140,000円(年2回)となっています。免責金額はありません。補償額や限度こそ他社に見劣りする部分もありますが、アニコムの強みはサービスの質と安心感です。全国の動物病院の多くがアニコムと提携しており、「どうぶつ健康保険証」を提示するだけで窓口精算ができる便利さがあります。請求の手間が少なく、対応病院数も業界最多クラスです。また健康サポートサービスも充実しており、毎年1回愛犬の便を送るだけで腸内フローラを無料測定してくれるサービスが付帯します。これは愛犬の腸内環境から健康状態をチェックできるユニークな特典です。さらにLINEで簡単に保険金請求ができたり、契約者専用の健康相談サービス、ペットのフォトコンテストやイベント開催などアニコムコミュニティが充実している点も特徴です。契約更新も原則終身で可能なため、一度加入すれば一生涯にわたり愛犬をサポートできます(※新規加入は7歳11ヶ月まで)。
おすすめ理由: アニコムはなんといっても信頼と実績のブランド力があります。日本で最初期にペット保険を広めた会社であり、「迷ったらアニコム」と言われるほど獣医師からの認知度・信頼度も高いです。実際、私自身も動物病院での経験上、アニコムに加入している患者さんは非常に多く、窓口での精算がスムーズなので治療に専念しやすい印象があります。補償面でも必要十分で、大きな不満は聞きません。特に請求手続きの簡便さはピカイチで、対応病院ではその場で保険適用されるため書類提出が不要です。これは飼い主さんの負担軽減に直結します。また腸内フローラ測定など予防・健康管理サービスが付いてくるのも、獣医師としてはありがたいポイントです。総合的に、「サービス充実で安心感を得たい」方におすすめの保険と言えるでしょう。
適しているケース: 初めてペットを飼う方や、とにかく安心できる保険が欲しい方に向いています。アニコムはサポート対応も手厚く、加入者向けの情報提供やアプリ機能も整っているため、保険初心者でも心配ありません。窓口精算可能な病院数が多いので、通院先がよほど特殊でない限りスムーズに利用できるでしょう。高齢になるほど保険料は上がりますが、その分シニア向けの手術特化プラン(どうぶつ健保しにあ)への移行など選択肢も用意されています。「多少保険料が高くても信頼できる大手が良い」「付帯サービスも活用したい」という方には最適です。逆に補償額の上限(年間84万円)がやや低めなので、がん治療などで心配な場合はアイペットやPS保険の方が安心かもしれません。そのあたりは愛犬のリスクプロフィールに応じて検討すると良いでしょう。
申し込み方法: 公式サイトや資料請求から加入手続きができます。多くの動物病院やペットショップでもアニコムのパンフレットが置いてあり、その場で申し込み可能な場合があります。契約後、「どうぶつ健康保険証」(カード型)が発行され、提携動物病院で提示して利用します。アニコムは契約者専用のWebポータルやアプリも提供しており、保険金請求や各種サービス申込みはオンラインで便利に行えます。
5. SBIペット保険 プラン70スタンダード
特徴: SBIいきいき少短などを展開するSBIグループの「ペット保険(プラン70スタンダード)」は、新規加入可能年齢が11歳11ヶ月までと高齢まで受け入れているのが特徴の少額短期保険です。補償内容は年間最大70万円、補償割合70%で通院・入院・手術をカバーし、支払回数や日額制限はありません(年間限度額内で無制限)。免責金額も設定されていないため、小さな治療費から大きな治療費まで幅広く補償対象です。保険料は月額約2千円弱(小型犬0歳時)と手頃で、家計に優しい価格設定と言えます。SBIのペット保険にはいくつかプランがあり、補償額や補償割合が異なるコースから予算・ニーズに合わせて選択できます。例えば治療費の50%補償で保険料をさらに抑えたプランなどもあります。付帯サービスとして、加入者専用の24時間ペット健康相談窓口があり、獣医師に電話で相談できる点も魅力です。SBIグループの安心感と、プラン選択肢の豊富さで自分に合った保険を組み立てやすいでしょう。
おすすめ理由: SBIのペット保険最大の利点はシニア犬への柔軟な対応と保険料の手頃さです。他社で加入できない高齢でも受け入れてもらえるので、例えば「愛犬が10歳を過ぎて今さら入れないかも…」という場合でも駆け込み加入が可能です。補償額(70万円)は他より低めですが、手術1回あたりの費用なら概ね賄える額ですし、通院のみの治療で70万円を超えるケースは稀です。必要十分な補償と言えるでしょう。実際の利用者からも「高齢になってから入れる保険が見つかって良かった」「電話相談で夜間の不調時に落ち着いて対処できた」など好評です。保険料もシニア加入にしては良心的な水準で、家計に無理なく備えを持てます。またSBIならではの信頼感もあり、初めて少短保険に入る方でも安心感があるでしょう。
適しているケース: 中高齢のワンちゃんを飼っている方や、必要最低限の補償をリーズナブルに確保したい方に向いています。例えば「若い頃は保険に入らなかったけど、高齢になって病気が心配になってきた」という場合にSBIのプランは貴重な選択肢です。また、保険料を抑えるために50%プランなど低補償コースを選び、「大きな出費だけカバーできれば良い」という考え方も可能です。逆に言えば、子犬の頃から手厚く備えたい方や、補償額はできるだけ多い方が安心という方には物足りないかもしれません。しかしプラン設定が柔軟なので、ライフステージや予算に応じて細かく選べる点は大きなメリットです。多頭飼いで高齢の子だけ加入する、といった使い方も良いでしょう。
申し込み方法: 公式サイトからWeb申し込みが可能です。SBIの保険代理店経由で相談・契約することもできます。ネット契約後、証券や契約者サイトの案内が届き、保険金請求は所定の用紙を郵送するかWeb上で行います。24時間相談サービスの連絡先なども契約時に案内されるので、いざという時に活用しましょう。
以上、主要なおすすめペット保険5社を紹介しました。それぞれ保険料や補償内容、サービス内容に特徴と違いがあります。愛犬の年齢・健康状態、そして飼い主さんの重視したいポイント(価格重視か手厚さ重視か等)によって最適な保険は異なります。ぜひ比較検討してみてください。
犬のペット保険に関するよくある質問
最後に、犬のペット保険について飼い主さんが抱きがちな疑問や質問にQ&A形式でお答えします。
Q1. ペット保険にはやはり入るべきでしょうか?必要ないという意見もありますが…
A. ペット保険の必要性は各ご家庭の経済状況や考え方によります。絶対に加入しなければいけないものではありませんが、高額治療に備える安心料としての価値は大きいです。特に犬は病気やケガのリスクが高齢になるにつれ増すため、治療費による選択肢の制限を無くしたいなら入っておくメリットがあります。経済的に余裕があり「全額自己負担でも問題ない」という場合は無理に入る必要はないかもしれません。ただ、手術や入院で何十万円とかかるケースも現実にあるため、「万が一の時に愛犬に十分な医療を受けさせてあげたい」と思うなら保険加入を検討すると良いでしょう。
Q2. ペット保険の保険料はいくら位が相場ですか?
A. プランにもよりますが、犬のペット保険の保険料相場は月額2,000~4,000円前後と言われます。子犬の頃は月々1,500~2,000円程度のプランも多いですが、年齢が上がると段階的に保険料も上昇し、シニア期には月5,000円以上になるケースもあります。小型犬か大型犬かによっても異なり、大型犬の方が高めです。また50%補償のプランなら70%補償より安く、手術限定型の保険ならさらに安くなる傾向です。家計に無理のない範囲で、将来まで支払っていける金額のプランを選ぶことが大切です。
Q3. どの保険も全部の病気が補償されるのですか?補償対象外はありますか?
A. ペット保険では補償対象外となる項目がいくつか定められています。一般的に、加入前に発症していた病気やケガ(いわゆる持病・既往症)は補償の対象になりません。また、ワクチン接種・不妊手術・健康診断といった予防目的の医療行為、皮膚・被毛の美容目的の処置なども対象外です。歯石除去や乳歯抜歯など治療目的でない歯科処置も補償されないのが普通です。ただし歯周病の治療や外傷による歯の処置は補償対象に含まれる保険もあります(PS保険などは歯科治療を補償)。他にも妊娠・出産に関わる費用、故意または重大な過失によるケガ、戦争や災害によるケガなどは免責事項としてどの保険でも支払われません。契約時に必ず「補償対象外事項」の欄を確認しておきましょう。
Q4. ペット保険には何歳から何歳まで入れますか?高齢になってからでも遅くないですか?
A. 新規加入できる年齢は保険商品によって異なります。子犬の場合、生後30日や2ヶ月から加入可能です。上限は多くの保険で7~8歳未満ですが、アイペット損保は12歳11ヶ月まで、SBI少短は11歳11ヶ月までなど高齢でもOKな例もあります。アニコム損保には8歳以上専用のシニアプランもあります。したがって高齢になってからでも加入可能な保険は存在しますが、当然若い頃に比べ保険料は割高になります。また高齢になる前に発症していた持病は補償されません。そのため、できれば大きな病気をする前の若いうちから加入しておくのが理想です。健康状態によっては高齢だと加入時に告知で引っかかり条件付き契約(特定疾患は補償しない等)になる場合もあります。ギリギリまで悩んでいるうちに加入できなくなるケースもありますので、迷う場合は早めに入っておくことをおすすめします。
Q5. 保険金の請求は面倒ですか?スムーズに受け取れる方法はありますか?
A. 請求手続きの煩雑さは保険のタイプによります。窓口精算対応の保険(アニコム、アイペットなど)は、動物病院で保険証を提示すればその場で保険負担分が差し引かれて会計でき、請求書類を自分で提出する必要がありません。一方、後日精算型の保険(PS保険、FPC、SBI少短など)は、治療後に診療明細書や領収書を保険会社に送付して保険金を請求します。ただ最近はスマホアプリやWebから写真を送るだけで請求できる会社も増えており、手続きは簡素化されてきています。例えばFPCやアニコムではスマホで領収書を撮影・送信して請求完了、ということも可能です。請求後の保険金支払いも、早ければ数日〜1週間程度で指定口座に振り込まれます。保険会社によっては年間請求件数が多い場合は翌年度の継続時に保険料が上がることがありますので(ノーペナルティの会社もあります)、その点も含め契約時に確認すると安心です。
まとめ:愛犬に合った保険で万が一に備えよう
ペット保険は愛犬の一生における「もしもの時の備え」です。加入しておけば常に安心というものではありませんが、高額な治療費が必要になった際に経済的な理由で治療を諦めなくて済むという大きな支えになります。特に家族同然の愛犬が重い病気になったとき、金銭的負担を気にせず最善の医療を受けさせてあげられることは、飼い主さんにとっても後悔しない選択につながるでしょう。
保険選びの際は、本記事で解説したポイントや各社の特徴を参考に、愛犬の年齢・ライフスタイル・健康リスクにマッチしたプランを見極めてください。例えば「子犬で元気だけど今後が不安」という方は手頃な保険料のプランから始めてみる、「シニアで持病がある」という方は加入可能な範囲で手術費用だけでも補償されるプランを検討する、といったアプローチもあります。また、獣医師のアドバイスとしては「ペット保険に入っているからといって無理に高額な治療を押し付けられることはありません」。あくまで選択肢を広げるためのものですので、加入後も愛犬にとってベストな治療を主治医と相談しながら選んでください。
愛犬との生活は楽しいことが何よりですが、万が一大きな病気や事故が起きても適切に対処できるよう、経済的な備えも大切です。ぜひこの機会にペット保険への加入を検討してみてください。愛犬と飼い主さんがずっと健やかで安心して暮らせますように。