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【獣医師監修】シニア犬向けドッグフードおすすめ5選:高齢犬の健康を支える食事

愛犬が高齢になると、「今のフードで大丈夫かな?」「食べムラや体調の変化が心配…」と感じる飼い主さんも多いでしょう。シニア犬の食事は、健康寿命を延ばすうえでとても重要です。ここでは獣医師の視点から、シニア犬に適したドッグフードの選び方とおすすめ商品5選を詳しく解説します。高齢犬特有の体の変化に配慮した食事を選び、愛犬の元気な毎日をサポートしていきましょう。

シニア犬の食事が重要な理由

ワンちゃんは一般に7歳頃からシニア期(大型犬は5歳頃~)に入り、さらに11歳頃(大型犬は8歳~)から「ハイシニア期(高齢犬)」と呼ばれる段階になります。年を取るにつれて少しずつ体の機能が衰え、代謝の低下や内臓機能の弱まり、筋力低下など様々な変化が起こります。例えば以下のような傾向が見られます。

  • 消化吸収能力の低下: 胃腸が弱くなり、一度に消化できる量が減る。栄養をうまく吸収できず下痢や便秘を起こしやすくなります。
  • 太りやすく痩せやすい: 消費エネルギーが減るため肥満になりやすい一方で、逆に食が細くなり痩せてしまう子もいます。代謝が落ちているので、若い頃と同じ量を与えると肥満につながりますが、食欲低下で十分な栄養が取れず痩せるケースもあります。
  • 嗅覚や味覚の衰え: 食べ飽きやすく食欲にムラが出がちです。特に嗅覚の低下で食べ物の匂いに興味を示さず、「ご飯を残す・食べない」といった悩みも増えます。
  • 歯や顎の衰え: 歯周病や噛む力の低下で硬い粒が食べにくくなることがあります。飲み込む力も弱まり、一度にたくさん食べられなくなります。

こうした変化に配慮して作られているのがシニア犬用のドッグフードです。シニア犬向けフードは、成犬用と比べてカロリーや脂質を控えめにしつつ必要な栄養素はしっかり含み、さらに消化の良さや食べやすさにも工夫があります。毎日の食事を見直すことで、高齢犬の体調維持や疾病予防に大きな役割を果たします。

獣医師アドバイス: 「7歳になったら必ずシニア用に切り替え」という決まりはありません。切り替え時期は個体差があり、愛犬の健康状態や食欲を見ながらかかりつけ医と相談して決めると安心です。徐々に移行し、体調の変化がないか注意深く観察しましょう。

シニア犬用ドッグフードの選び方ポイント

シニア犬に合ったフードを選ぶ際には、以下のポイントに注目しましょう。高齢犬の体の負担を減らし、必要な栄養を無理なく摂取できる商品がおすすめです。

  • 良質なたんぱく質を適量含む: 高齢犬でも筋肉維持のためたんぱく質は重要です。消化吸収しやすい良質なたんぱく質源(肉や魚)が使われ、極端に低たんぱくすぎないフードを選びましょう。ただし腎臓病などがある場合は獣医師の指示に従ってください。一般には成犬用より少し高めか同程度のタンパク含有率が目安です。
  • 脂肪は控えめで必要な分だけ: シニア犬は活動量や代謝が落ちるため脂質はやや低めが基本です。肥満予防のためにも粗脂肪12%以下程度を目安にすると良いでしょう。しかし脂肪分を減らしすぎると皮膚・被毛の艶が失われることもあるので、サーモンオイルや亜麻仁など必須脂肪酸が適度に含まれるフードが望ましいです。
  • ミネラルバランスに配慮: シニア犬は腎臓や心臓への負担を減らすため、塩分やミネラル(灰分)の過剰摂取に注意します。特にリンやナトリウムはシニア向けに抑えめ設計のフードが理想です。灰分値は目安として7%前後が適当と言われます(9%以上だとやや高め)。腎臓の弱い子にはリンやタンパク制限の療法食も検討しましょう。
  • 食べやすい粒・風味: 嗅覚や歯の衰えたシニア犬でも食べやすい工夫が重要です。具体的には小粒で固すぎない粒、柔らかくて噛み砕きやすい形状、そして香りが強く嗜好性が高い風味のフードが適しています。レバーなど内臓を使った旨味の強いレシピや、かつお節風味などは食欲を刺激しやすいです。ドライが食べづらければお湯でふやかす、ウェットタイプに切り替えるなども有効です。
  • シニアの健康を支える成分: フードにプラスアルファのサポート成分が入っていると更に安心です。例えば関節ケア成分(グルコサミン・コンドロイチン、MSM、緑イ貝など)や、腸内環境を整えるプロバイオティクス(乳酸菌など)、抗酸化作用のあるビタミンC・Eやポリフェノール、DHA・EPA(認知機能の維持に役立つ)などが挙げられます。食事だけで補いきれない場合はサプリメントを活用する手もあります。
  • 不要な添加物はできるだけ少なく: 高齢犬の体に負担となる人工添加物は少ないほど安心です。香料や着色料、過剰な甘味料などは本来必要ありません。できれば無添加・自然素材メインで作られたフードを選ぶと良いでしょう。ただしビタミンやミネラル類の添加は栄養バランス上必要なので、極端な「無添加」を謳う製品より総合栄養食としての品質を重視してください。

高齢犬の健康を支えるおすすめドッグフード5選

それでは、上記のポイントを満たすシニア犬向けおすすめドッグフード5選を紹介します。獣医師の観点から栄養バランスや安全性をチェックし、特に高齢犬の健康維持に役立つと考えられるフードを厳選しました。各商品の特徴・メリットを比較できるよう簡単な一覧表にまとめ、その後に詳しい解説を添えています。

 シニア犬向けドッグフード比較早見表

商品名おすすめ度主な特徴おすすめポイント適用ケース価格・購入先
シニアのための このこのごはん株式会社ゆずず国産無添加小粒鰹節風味最高おすすめ• 中程度タンパク質(約20%)• 低脂質(約5.6%)• 低カロリー・低ミネラル• 粒径7mm小粒設計• グルコサミン・コンドロイチン配合• 乳酸菌配合• バランスの取れた総合栄養食• 腎臓への負担に配慮• 食いつきの良さが好評• ふやかしやすい設計• 初心者にも安心• 初めてシニア用フードに切り替える方• 小型~中型犬のシニア• 食が細くなった犬• 偏食気味の犬• 嚥下が困難な高齢犬公式サイト限定初回送料無料・15%オフ定期コース割引あり1kg: 3,520円
ミシュワン シニア犬用株式会社ミシュワン国産無添加高タンパクかつお出汁風味最高おすすめ• 高タンパク・低脂肪• 関節サポート成分網羅• 骨・目の健康維持• 免疫力サポート• 腸内フローラ整備• 楕円形でサクサク食感• オールインワン機能性• 関節ケアに特に注力• 獣医師からの評価も高い• 18歳の犬も興味を示す香り• 毛艶・元気回復の実績• 幅広い健康サポートを求める方• 関節の痛みが心配な犬• 消化トラブルがある犬• 目のケアも意識したい犬• 筋肉量を維持したい犬公式サイト・Amazon等定期初回20%オフ送料無料特典1kg: 3,960円
Yum Yum Yum! シニア&ライト チキン株式会社カラーズ半生タイプ国産チキン風味高おすすめ• 半生ソフトドライタイプ• 豊かなチキンの香り• ジューシーな柔らか粒• 低脂肪・低カロリー• 水分摂取量も補える• 保存料・着色料無添加• 食いつき最優先設計• 歯や顎が弱った犬も安心• 療法食から切り替え実績• 水分補給にも貢献• おかわりを欲しがるほど好評• 偏食・小食の犬• ドライフードを食べない犬• 歯が抜けた・口内トラブルのある犬• ダイエットが必要な犬• 硬い粒を嫌がる犬ペットショップ・EC入手しやすい開封後要冷蔵800g: 2,290円
ピッコロ ドッグフード株式会社レティシアンイギリス産高タンパク32%グレインフリー高おすすめ• チキン・サーモン約70%使用• 高タンパク質32%• グレインフリー設計• 関節ケア成分高配合• FEDIAF基準クリア• 抗酸化・免疫サポート• 筋肉量維持に最適• 少量で高栄養摂取• アレルギー対応• 関節ケア成分豊富• 欧州品質基準• 活発で筋肉維持したい犬• 痩せ傾向で栄養強化したい犬• 関節トラブルが出始めた犬• 穀物アレルギーの犬• 小型犬~中型犬公式サイト限定定期コース10-20%OFFまとめ買い特典1.5kg: 4,534円(定期)
アカナ シニアレシピチャンピオンペットフーズカナダ産高タンパク31%放し飼い肉使用おすすめ• 放し飼いチキン・七面鳥使用• 天然魚配合• 完全穀物不使用• 丸ごと捕食コンセプト• フリーズドライレバーコーティング• 濃厚な肉の香り• プレミアム品質• 自然な栄養バランス• 小食でも高栄養• 筋肉・活力維持• 世界的評価ブランド• タンパク質重視の飼い主• 食べる量が減った肉好き犬• アレルギー体質の犬• 高品質重視の方• 大型犬~小型犬全国ペットショップ・EC正規輸入代理店推奨大容量ほどお得2kg: 約6,000円

それぞれのフードについて、特徴やおすすめポイント、適したケース、購入先情報を詳しく見ていきましょう。

1. シニアのための このこのごはん(株式会社ゆずず)

特徴: シニア犬用に開発された国産無添加フード。ヒューマングレードの高品質な食材を使用し、中程度のたんぱく質(約20%)、低脂質(約5.6%)、低カロリー・低ミネラルに調整されています。主原料は鶏肉(ささみ・胸肉・レバー)で消化吸収が良く、紫いもや黒米、かぼちゃ、りんごなど抗酸化成分を含む食材も豊富に配合。鰹節の香りが食欲をそそり、粒は直径7mmほどの薄い小粒でシニア犬でも噛み砕きやすくふやかしやすい設計です。グルコサミン・コンドロイチンによる関節サポートや乳酸菌配合で腸内ケアも期待できます。

おすすめ理由: 加齢による体の変化に幅広く対応できるバランスの取れた総合栄養食です。低脂肪・低カロリーなので運動量の落ちたシニアでも太りにくく、粗灰分4.8%とミネラル控えめで腎臓への負担にも配慮されています。添加物(保存料・着色料・香料など)は不使用で安全性が高く、ヒューマングレードの国産原料という点も信頼できます。鰹節風味で食いつきの良さがユーザーからも好評で、飽きっぽいワンちゃんや食欲が落ちてきた子にも試す価値ありです。「どれを選べば良いか迷ったらコレ!」と言われるほど評価が高く、総合的なベスト・オブ・シニアフードとしておすすめできます。

適しているケース: 初めてシニア用フードに切り替える方、総合的に栄養バランスの良いフードを探している方に最適です。特に小型~中型犬のシニアで、体重管理をしつつ健康維持全般に気を配りたい場合に向いています。嗜好性が高いので食が細くなった犬や偏食気味の犬にも試しやすいでしょう。薄い小粒で歯や顎が弱った老犬も食べやすく、ふやかせば嚥下が困難な高齢犬にも対応可能です。

購入先情報: 公式サイト限定の商品で、初回は送料無料・15%オフの定期コースが利用できます。市販(店舗)では入手できないため、公式通販や提携オンラインショップから購入しましょう。定期コースなら継続割引もあり経済的です。

2. ミシュワン シニア犬用(株式会社ミシュワン)

特徴: 「理想のシニアフード」を追求して作られた国産無添加ドッグフード。ヒューマングレード品質の厳選素材を使用し、人も食べられる安全性を確保しています。高タンパク・低脂肪の栄養バランスで(※公称値非公開ですが口コミでは粗タンパク約25%、脂肪7%程度との情報あり)、シニアの筋肉維持と体重管理を両立。関節サポート(グルコサミン、コンドロイチン)や骨の健康維持、目の健康維持、免疫力サポートなど、高齢犬が抱えやすい悩みに幅広く対応できる機能性成分を網羅しています。腸内フローラを整える乳酸菌やオリゴ糖も配合。かつお出汁のような優しい香りで嗅覚の衰えたシニア犬の食欲を刺激し、粒は楕円形でサクサク食感、ふやかしやすくその時々の状態に合わせて食べさせやすいのも魅力です。

おすすめ理由: シニア犬に必要な栄養素とサポート成分がオールインワンで含まれているため、総合的な健康維持に心強いフードです。特に関節ケアと腸内環境ケアに注力しており、高齢犬で多い関節の痛みや便通の不調に配慮されています。主原料には国産の鶏肉・馬肉・魚などが使われ、良質なたんぱく源が豊富。香料・着色料・保存料無添加なので長期に渡って安心して与えられます。「スタッフの18歳の愛犬も匂いに興味を示した」という程に香りづけが工夫されており、食べムラがある子でも試しやすいでしょう。口コミでもシニア犬の毛艶や元気が戻ったとの声があり、獣医師からの評価も高い一品です。

適しているケース: 幅広い健康サポートを求める方に適しています。とくに高齢による関節の痛みや便秘・下痢など消化トラブルが心配なワンちゃん、さらに白内障など目のケアも意識したい場合に向いています。中~高タンパクなので痩せ気味で筋肉量を維持したいシニア犬にも良いでしょう。小粒で食べやすいため小型犬のシニアにも最適です。反対に大型犬では粒が小さすぎる場合がありますが、水でふやかしてペースト状にすれば大型犬や歯がほとんどない犬でも飲み込みやすくなります。

購入先情報: 公式サイトや一部ECサイト(Amazon等)で購入可能です。定期購入にすると初回20%オフ・送料無料など割引特典があります。市販ペットショップでは取り扱いが少ないため、基本はネット通販を利用しましょう。公式サイトでは定期コースの縛りなしお試しも実施している場合があります。

3. Yum Yum Yum! シニア&ライト チキン やわらかドライタイプ(株式会社カラーズ)

特徴: 食べムラのあるシニア犬向けに開発された半生タイプ(ソフトドライ)の国産フードです。チキンを主原料に使い、開封時から漂う豊かなチキンの香りとジューシーな柔らか粒で高い嗜好性を実現しています。名前に「ライト」とある通り脂肪分とカロリーは控えめで、シニア期の体重管理にも配慮。保存料・着色料無添加ながら、独自の低温製法で適度なしっとり感を保っており歯や顎が弱ってきた老犬でも噛み砕きやすい食感です。小型犬でも食べやすい小粒サイズで、総合栄養食として必要な栄養素はバランス良く含まれています。

おすすめ理由: とにかく食いつきを優先したいシニア犬に最適なフードです。嗅覚や味覚が落ちてきてカリカリを残しがちな子でも、この柔らかいチキン粒なら喜んで食べるケースが多く報告されています。「療法食を食べなくなった老犬がこちらに替えたらおかわりを欲しがるほど気に入った」という口コミもあるほどです。半生タイプなので水分摂取量も補えるメリットがあり、食が細く水分摂取も少ない高齢犬の水分補給源としても役立ちます。カロリー約310kcal/100gと低めで肥満が心配な子にも安心です。国産無添加で安全性も高く、馬肉風味などバリエーションも展開されているため飽きにくい利点もあります。

適しているケース: 偏食・小食でドライフードをなかなか食べてくれないシニア犬に一番におすすめできます。特に歯が抜けたり口内トラブルがある老犬、硬い粒を嫌がる犬にはこの柔らかさが助けになるでしょう。体重オーバー気味でダイエットが必要な高齢犬にも向いています(適度な満腹感と低カロリーを両立)。逆に噛み応えを好む犬だと物足りなく感じる可能性もありますが、その場合は通常のドライフードと混ぜて与えると香り付け・食感アップのトッピングとしても使えます。

購入先情報: ペットショップやホームセンターでも比較的入手しやすいブランドです。Amazonや楽天など主要ECでも販売されており、入手性は良好。800g入り小袋の他、1.6kgなど大きめサイズも展開されています。開封後は要冷蔵の商品もあるため、購入後は保存方法に注意しましょう。

4. ピッコロ ドッグフード(シニア犬用、株式会社レティシアン)

特徴: イギリス生まれのプレミアムドッグフードで、日本ではシニア犬向け総合栄養食として人気です。原材料の約70%に良質なチキンとサーモンを使用しており、粗タンパク質32%と高タンパク設計でシニア期の活力維持をサポートします。グレインフリー(穀物不使用)で炭水化物源にはサツマイモやジャガイモを用い、繊維質も豊富で消化を助けます。さらにグルコサミンやコンドロイチン、MSMといった関節ケア成分を高容量配合(1kg中グルコサミン1780mg等)し、シニアの関節の健康維持を強力に支援。ハーブや野菜、果物(リンゴ・クランベリーなど)も加えられ、抗酸化や免疫サポートにも配慮されています。脂質15%と適度にカロリー控えめで、肥満になりにくいバランスです。粒は約1cmの小粒でシニアでも食べやすく、香料無添加でも素材由来のおいしさで食いつきは良好です。

おすすめ理由: シニア犬でもしっかりお肉を摂って筋肉量を維持したい場合に最適なフードです。高タンパクながら穀物ゼロで消化しやすく、タンパク源も複数(チキン・サーモン・卵など)を組み合わせてアミノ酸バランスに優れます。ヨーロッパのペットフード公的基準(FEDIAF)をクリアした品質で安心感があります。実際に「シニア期に入って痩せてきた愛犬がピッコロに替えたら体格がしっかり維持できた」「毛艶が良くなった」という声もあります。また関節ケア成分の含有量が非常に多いため、関節疾患予防・緩和に期待でき、高齢犬の足腰の支えとして心強いです。グレインフリーなので穀物アレルギーの子にも適応し、添加物不使用で安全。低カロリーでありつつ栄養価が高いため、少量でも必要な栄養を摂らせたい食欲低下時にも役立ちます。

適しているケース: まだまだ活発で筋肉維持に気を遣いたいシニア犬や、逆に痩せ傾向で栄養をしっかり摂取させたい老犬に向いています。関節トラブルが出始めた中高齢犬、将来の関節ケアを万全にしたい場合にも良い選択です。穀物不使用なので肌が弱い子やアレルギー持ちの子にも試しやすいでしょう。小粒なので小型犬~中型犬によく適合します。粒が硬めですので歯が弱い場合はぬるま湯でふやかすと良いでしょう。臭いが強いわけではないため、極度の偏食犬には他の香り高いフードの方が適するケースもありますが、基本的に嗜好性は高めです。

購入先情報: ピッコロは公式通販サイト(レティシアン)限定販売です。定期コース利用で10~20%の割引があり、まとめ買いがお得です。市販店や他のネットショップでは手に入りにくいので注意してください。まずは公式で1袋から試し、気に入れば定期購入に切り替えると良いでしょう。

5. アカナ シニアレシピ(アカナ、チャンピオンペットフーズ)

特徴: 世界的に評価の高いカナダ産ナチュラルフード「ACANA(アカナ)」のシニア犬向けレシピです。新鮮な放し飼いチキンや七面鳥、天然魚など動物性素材を贅沢に使用し、高タンパク(約31%)、中程度の脂質(シニア向けに約13-15%)で構成。穀物は一切含まず、低GIの豆類や野菜・果物を使用して血糖値ケアにも配慮されています。グルコサミンやEPA・DHAなども素材由来で含まれ、特に人工的なサプリ添加はしていませんが、肉や内臓・軟骨など「丸ごと捕食」に近い形で栄養バランスを実現する独自製法が特徴です。食いつきを高めるフリーズドライレバーコーティングにより、お肉の香りが濃厚で嗜好性も良好。シニア犬に必要な栄養素を自然な形で摂取できるプレミアムフードと言えます。

おすすめ理由: アカナ シニアレシピは「しっかりお肉で元気を維持させたい」シニア犬にぴったりです。高品質なたんぱく質が豊富なため、筋肉量の減少を防ぎたい場合や、活動的なシニア犬の体力維持に役立ちます。一方でカロリーは控えめで穀物ゼロのため、肥満やアレルギーにも配慮可能です。獣医師からも「筋肉維持を意識したい場合や、小食になってきたシニア犬におすすめ」と言われています。実際、食が細い子でも少量で栄養補給がしやすい濃縮レシピである点が強みです。添加物は天然由来のビタミンミネラル以外なく、安全基準も非常に高い工場で生産されています。尿路ケアのためマグネシウム量を調整しているなど細かな配慮もあります。総合的な栄養価が高いので他のフードと混ぜて栄養強化にも適しています。

適しているケース: タンパク質中心の食事で筋肉と活力をキープしたいシニア犬に特に向いています。お肉好きだけど最近食べる量が減ってきたワンちゃんにも、一粒あたりの栄養価が高い本品は有効でしょう。穀物や不要な添加物を避けたいアレルギー体質の犬にも安心して与えられます。大型犬~小型犬まで全サイズ対応ですが、粒がやや大きめなので超小型犬にはふやかすなど工夫すると良いでしょう。反面、非常に濃厚な原材料ゆえに価格は高めで、開封後の香りも強いため、コスト重視の方や匂いに敏感な方は留意が必要です。高品質ゆえに好き嫌いが分かれる場合もありますが、多くの肉食系ワンコには好評です。

購入先情報: アカナは全国のペットショップやオンラインショップで入手可能です。特に大型店舗や専門店で取り扱いがあります。2kgや11.4kgなどのサイズがあり、大容量を買うと1kgあたりの単価が安くなります。価格はショップによって差がありますが、並行輸入品より正規輸入代理店の商品を選ぶと安心です。Amazonや楽天の公式ストアから購入するのも良いでしょう。

シニア犬の食事に関するQ&A

最後に、シニア犬の食事について飼い主さんが抱きがちな疑問や不安点をQ&A形式で整理します。

Q1. シニア犬用のフードには何歳から切り替えるべき?

A. 一般的な目安は7歳頃(大型犬は5歳頃)からシニア用フードへの切り替えを検討します。ただし個体差が大きく、7歳になったからといって急に老化が進むわけではありません。ポイントは「愛犬に老化の兆候が見られてきたら」です。具体的には体重の増減や食欲変化、毛艶の衰えなどを感じた時期が切り替えサインと言えます。また定期的な健康診断で内臓値に変化が出始めたタイミングで獣医師から切り替えを提案されるケースもあります。まずはかかりつけ獣医に相談し、徐々にシニアフードへ移行すると良いでしょう。切り替え初期は新旧のフードを混ぜて胃腸に負担をかけないようにしてください。

Q2. シニア犬には一日何回食事を与えるのが良いですか?

A. 若い頃は1日2回の給餌が一般的ですが、シニア犬では1日の総量を3~4回に小分けするのがおすすめです。高齢になると一度に大量に食べられなかったり消化に時間がかかったりするため、回数を増やして1回量を減らす方が負担を軽減できます。実際、1日3~4回に分けると消化吸収を助けるだけでなく、ご飯の回数が増えることで犬の楽しみやスキンシップの機会も増えるメリットがあります。ただしトータルの摂取カロリーが増えすぎないよう、一日の適正量(パッケージ記載の目安など)を守って全体量を調整しましょう。

Q3. シニア犬が急にドッグフードを食べなくなったらどうすればいい?

A. 老犬がご飯を食べない場合、まず病気の可能性を考えて動物病院で健康チェックを受けてください。病気でないと確認できたら、以下の対処法を順に試しましょう。

  • 姿勢を工夫する: 食べづらさを感じている可能性があります。食器台などで高さを調節し、首を下げすぎず楽な姿勢で食べられるようにします。床に置いた器からではなく、顔の前までお皿を持ち上げてあげるだけでも違います。
  • フードをふやかす: お湯でドライフードをふやかし人肌程度の温かさにすると、フードの香りが立って嗅覚を刺激し食欲を引き出せます。同時に柔らかくなるので噛む力が弱い子も食べやすくなります。一部をペースト状に潰してあげると嚥下しやすい場合もあります。
  • 少量を頻回に与える: 上述の通り1回量を減らして回数を増やすことで、胃腸の負担を減らしつつ必要な栄養を摂らせることができます。1日分を何度にも分け、食べられる時に少しずつ食べさせてみましょう。
  • 別の形状のフードを試す: ドライが難しければウェットフードやムースタイプ、介護食など柔らかく嗜好性の高いものに替えてみます。最近は総合栄養食のウェットも多く、スープ仕立てやシチュー状など様々なタイプがあります。愛犬が食べやすそうな形状を選んでください。ウェットは香りが強いものが多いので嗅覚の衰えた子にも適しています。
  • 環境・心のケア: シニア期は認知機能の低下や不安の増大などメンタル面の変化もご飯拒否に影響します。留守番が増えてストレスを感じていたり環境の変化に戸惑っている場合もあるので、できるだけ一緒に過ごす時間を増やし安心感を与えることが大切です。スキンシップや適度な運動で生活リズムを整えることで食欲が戻るケースもあります。

以上を試しても食べない場合は再度獣医師に相談し、必要なら強制給餌や流動食の検討、食欲増進剤の処方など専門的な対応を取ります。決して「食べないから」と何日も放置せず、早め早めの対処を心がけましょう。

Q4. シニア犬に手作り食は与えてもいいの?

A. シニア犬に限らず手作り食そのものは否定されるものではありません。むしろ食欲の落ちた老犬に温かい手作りご飯を与えたら食べてくれたという話もあり、工夫次第では有効です。ただし栄養バランスが偏るリスクがあるため、獣医師や動物栄養学の専門家と相談してレシピを考える必要があります。高齢犬では特定栄養素の制限が必要な場合(腎臓のためリン制限など)もあるので、自己判断での手作りは危険です。どうしても手作りしたい場合は、総合栄養食のドライフードにトッピングとして野菜や肉を少量加える程度に留め、基本は市販フードで必要栄養を満たすのが安心でしょう。

Q5. シニア向けフードと療法食(シニア用ではない腎臓ケアフード等)はどちらを優先すべき?

A. 持病がある場合は療法食を優先してください。例えば腎臓病の犬にはリンやタンパク質制限の「腎臓サポート食」が必要ですが、これは市販の一般シニアフードでは代用できません。同様に心臓病なら低ナトリウムの心臓ケア食、糖尿病なら高繊維の血糖管理食など、疾患ごとに専用フードが存在します。療法食は獣医師の指導のもと与えるもので、市販シニアフードより医療的要素が優先されます。ただし療法食を嫌がる場合、無理に同じものだけでなく主治医と相談しながらシニア用フードと療法食を半々に混ぜるなど工夫するケースもあります。いずれにせよ獣医師と連携し、その子にとってベストな食事内容を検討しましょう。

まとめ:シニア期の食事で愛犬の健やかな毎日を応援しよう

シニア犬の食事は、単に栄養を補給するだけでなく愛犬の人生の質(QOL)を支える重要な鍵です。高齢になった愛犬が少しでも長く元気で過ごせるよう、今回ご紹介したポイントを参考にフード選びや与え方を見直してみてください。栄養バランスに優れた良質なシニア犬フードを与えることで、内臓や関節への負担を軽減し、免疫力の維持にもつながります。また、日々の食事は飼い主さんと愛犬の大切なコミュニケーションの時間でもあります。「美味しいね」「いっぱい食べてえらいね」と声をかけながら、愛情たっぷりの食事時間を過ごしてください。高齢犬のケアには不安も付き物ですが、獣医師やペット栄養管理士など専門家のアドバイスも取り入れつつ、飼い主さん自身が愛犬の一番の理解者としてベストな食事を選んであげましょう。その積み重ねがシニア期の健康寿命を伸ばし、愛犬との幸せな時間を1日でも長くしてくれるはずです。いつまでも愛犬が食べる喜びに満ちあふれ、健やかな毎日を送れるよう、しっかり食事でサポートしていきましょう。

  • この記事を書いた人
院長

院長

国公立獣医大学卒業→→都内1.5次診療へ勤務→動物病院の院長。臨床10年目の獣医師。 犬と猫の予防医療〜高度医療まで日々様々な診察を行っている。

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