もし、あなたの愛猫が猫白血病と分かった場合、きっとビックリすることでしょう。
猫白血病は猫の間で(特に多頭飼育)広がりやすい疾患であり、しっかりと理解し、適切な予防措置を講じることが重要です。
本記事を読めばわかること
- 猫白血病はどうやってうつるのか
- 猫白血病の初期•末期症状
- 猫白血病の寿命
- 猫白血病のワクチン
本記事では、猫白血病がどのように感染し、どのような症状が見られ、感染した猫の平均寿命など、飼い主様が知っておくべき情報を詳しく解説します。
猫白血病のうつり方
感染した猫は、唾液や鼻汁、尿、糞便などの体液中に大量のウイルスを排出します。しかし、ウイルスは感染力の強いウイルスではないため、感染した猫と感染していない猫が長期間密接に接触する必要があります。
具体的には、共有の食器を使用していたり、ケンカして傷ができるほど噛み合ったり、お互いの体をグルーミングした際に唾液から感染することがあります。また、母猫が子猫に胎盤や母乳を通じて感染させることもあります。
唾液を含めた感染経路をまとめると、
猫白血病の感染経路
- 唾液
- 鼻水
- 涙
- 母乳
- 尿
- 便
- 血液(妊娠時に子猫へうつる)
基本的に唾液からの感染がほとんどで、尿や便からの感染はほとんどないとの報告もあります。
その他にも、人へはうつることはないの?と飼い主様から不安の声を聞くことがありますが、猫白血病が猫から人へうつることはありません。
猫白血病ウイルスの消毒方法は?
猫白血病ウイルスは感染力が弱いウイルスで、アルコール(70%エタノール)などの消毒薬はもちろんのこと、石鹸や洗剤レベルの弱い消毒力でも退治できるウイルスです。
ですので、食器やトイレなどは洗剤や石鹸、もしくはアルコールで消毒すれば問題ありません。
猫白血病の初期症状
猫白血病の初期症状としては、以下のような症状が現れます。
猫白血病の初期症状
- 食欲不振
- 貧血
- 難治性口内炎(口内炎が治らず、繰り返す)
- 40℃以上の発熱
- リンパ節が腫れる
また、猫白血病に感染した猫は免疫力が低下してしまうため、他の病気にもなりやすくなります。
猫白血病の末期症状
猫白血病が進行し、末期になると以下のような症状が出てくることがあります。
猫白血病の末期症状
- 重度の貧血(フラフラして歩けなくなる、歯茎が真っ白になる)
- 下痢
- リンパ腫(血液細胞の癌)
- 流産(妊娠猫の場合)
末期では体力が極端に落ちてしまい、免疫力も無くなってしまうため、日和見感染症(健康な状態では感染しないような弱い病原性の微生物による感染症)を引き起こします。
その他にも軽い怪我や傷であっても、治りにくくなることもあります。
猫白血病の末期では回復が難しくなるため、初期段階での早期発見が重要です。
猫白血病になったら長生きできるの?
ほとんどの猫白血病陽性の猫は長生きできます、というのも猫白血病を発症する割合は約20〜30%程度であるためです。
そのため、たとえ猫白血病に感染しても必ずしも死に至るわけではないのです。
猫白血病に感染した猫の70〜80%は長生きすることは可能といえます。
猫白血病発症後の平均寿命は?
猫白血病に感染し、発症した猫の平均寿命は、感染後2~5年とされています。
他にも、猫白血病がと病院で診断された後の平均寿命は22.6ヶ月との報告もあります。
しかし、個体差や症状の管理状況、早期発見・早期治療により、報告された平均寿命より長く生きる猫もいます。
猫白血病のワクチン
猫白血病の予防には4種ワクチンの接種が有効です。
通常、子猫の8~9週齢から始め、年に1回のブースターを推奨します。
ただし、接種後も100%安全ということではないため、他の感染予防策と併用することが重要です。
猫白血病の治療法
猫白血病に対する特効薬は存在しませんが、
発症した病状や症状に対する対症療法、感染病の予防、栄養状態の維持により、猫の生活の質を改善し、生存期間を延ばすことが可能です。
具体的には、
猫白血病の末期症状
- インターフェロン(インターキャット)
- 抗生剤
- 抗がん剤(リンパ腫を併発している場合)
- 輸血(重度貧血の場合)
といった治療を組み合わせて、やりくりしていくことがほとんどです。
長生きするためのケア•対策
猫白血病は、猫の免疫に影響を与えますが、適切なケアと対策を講じることで、生活の質を保ち、寿命を延ばすことが可能です。
以下に、感染猫の長寿のための基本的なケアと対策をご紹介します。
定期的な健康診断
6か月ごとに獣医師の診察を受けることで、早期に健康問題を発見し、適切な治療を受けることができます。
免疫力向上のための栄養
高品質のフードを与え、必要に応じてサプリメントやビタミンを摂取させることで、免疫力を強化します。
ストレスフリーの飼育環境
ストレスは免疫力を低下させる原因となりますので、変化の少ない、安定した生活環境を用意することが重要です。
そのため、引っ越しや部屋の模様替えは控えるようにしてください。
室内飼い
屋外への出入りは感染リスクを高めるため、感染猫は室内飼いとすることをおすすめします。
感染拡大の予防
感染猫と非感染猫の接触を避け、共通の食器や用具の使用は控えることで、感染の拡大を防ぎます。
寄生虫の予防
ノミ、ダニ、内部寄生虫などからの感染を防ぐためのフロントラインなどの予防薬を1ヶ月に1回つけるようにしましょう。
清潔な生活環境
猫のトイレや生活空間を常に清潔に保つことで、二次感染のリスクを低減します。
猫白血病は、現時点での治療では完治が難しい病気ですが、適切なケアと注意深い観察によって、感染猫の生活の質を維持し、長寿を目指すことができます。
本記事のまとめ
猫白血病は高度な感染力を持つウイルスであり、感染すると初期から末期までさまざまな症状を引き起こします。
早期に発見し、適切な治療や管理を行うことが重要です。
また、猫白血病のワクチンが存在し、これを接種することで感染を予防することが可能です。
愛猫の健康を保つため、定期的な健康診断とワクチンの接種を行い、猫白血病に対する理解を深めることが大切です。
猫白血病に感染した猫でも、適切なケアと愛情を持って接することで、質の高い生活を送ることが可能です。
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