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【犬のストルバイト|獣医師おすすめフードランキング4選】食べて良い物といけない物|ヨーグルト・ささみは危険?尿路結石の予防法についても解説

犬のストルバイト結晶
犬の尿中に確認された大量のストルバイト結晶
(最終更新日:

わんちゃんで特に多いとされている尿路結石は、ストルバイトと呼ばれる無色で封筒のような形状の物体で、腎臓・膀胱・尿道といった泌尿器のあらゆる場所に形成されます。

最もストルバイトが発見される場所は膀胱であり、尿検査で偶発的に発見されることが多いです。初期は特に大きな症状はありませんが、進行してくると血尿や頻尿、尿道に詰まってしまい尿路閉塞を引き起こすこともあり、場合によっては死に至る場合もあります。

尿路閉塞を引き起こすと聞くと怖いイメージを持たれる飼い主様も多くいらっしゃると思います、ですがご安心ください。

ストルバイトは初期段階で尿のpHを下げる食事療法を行うことで溶かすことが可能です。(抗生剤を併用するケースがほとんどです)

それでは、ストルバイト尿路結石症のわんちゃんにとって良い食材、あるいは食べてはいけない食材はどのような物なのでしょうか?

よくある飼い主様からの質問は、

ストルバイトになったわんちゃんにささみやヨーグルトを与えても良いの?

といったものです。

結論から言うと、×
ささみやヨーグルトといった食品はストルバイトとの相性がよくないため、あまりオススメできない食品です。

というのも、ストルバイトは別名リン酸アンモニウムマグネシウムと呼ばれており、アルカリ性の尿で形成されやすい尿路結石です。

そのため、ささみ・牛肉などの動物性タンパク質をたくさん摂取すると、アンモニアが発生するため、尿がアルカリ性になってしまいストルバイトができやすくなるのです。

要するにストルバイト尿路結石では、

厳密な食事制限を行う必要があり、逆を言えば適切な食事を給餌することができれば完治することも可能ということなのです。

 

本記事では以下について詳しく解説しています。

本記事のまとめ

  • ストルバイト尿路結石症はなぜ起こるのか
  • ストルバイト尿路結石症で食べていい物いけない物
  • ストルバイト尿路結石症の予防と対策

ストルバイト尿路結石とは

ストルバイトについて
犬のストルバイト結晶

ストルバイト尿路結石は、わんちゃんで最も多く認められる尿路結石です。

尿路結石症は多くの犬で発症する泌尿器疾患で、犬の80%以上がストルバイトとシュウ酸カルシウムが原因です。

尿石は、尿に含まれるミネラル成分が濃くなって結晶化するもので、特に若齢の犬ではストルバイトが、高齢の犬ではシュウ酸カルシウムが多く発生します。

ストルバイト結石症は感染誘発性ストルバイト結石症と無菌性ストルバイト結石症に分類され、犬では感染性が7割、無菌性が3割を占めると言われています。

ストルバイト尿路結石は尿に含まれるミネラル成分のうち、マグネシウム、アンモニア、リンなどが濃くなることで発症し、尿のアルカリ性成分が高くなることや細菌感染でも発症する病気です。

また、尿がアルカリ化(pHが高くなる)することや細菌感染が主な要因です。

ストルバイト尿石の多くは膀胱や尿道にできますが、尿管や腎臓にできることもあります。

ストルバイト尿路結石の原因

ストルバイト尿路結石の原因

ほとんどの場合、ストルバイトは尿路感染症(細菌性膀胱炎)が原因で起こります。

具体的には、尿に含まれる尿素を分解するウレアーゼと呼ばれる酵素を持っているブドウ球菌やプロテウス菌などのウレアーゼ産生細菌が膀胱に感染し、アンモニアなどを作り出します。

アンモニアが増えることによって尿がアルカリ性(pHが高くなる)になります。その結果ストルバイトが作られてしまうのです。

細菌感染が認めらた尿 細長い物体が桿菌、丸い細胞が白血球
細菌感染が認められた犬の尿(細長い物体が桿菌、丸い細胞が白血球)

膀胱炎によって粘膜から剥がれ落ちた細胞が結石の核となり、結晶がどんどん集まって結石へと変化していきます。

細菌感染以外には、

  • 食事(フード)があっていない
  • 水分不足
  • 体質の問題

といったこともストルバイト尿路結石ができやすい原因になります。

具体的には、食事中のリンやマグネシウムなどのミネラルが増えたり、タンパク質ばかり摂っていると尿のpHがアルカリ性になることなどで結石が作られやすくなってしまいます。また、まれに腎臓で結石が発見されることもあります。

薬剤によりストルバイトができることもある?

利尿剤や制酸剤などを使用している場合、ストルバイトができてしまうことがあります。

またイングリッシュ・コッカースパニエルは、遺伝的にストルバイトができやすい特殊な犬種ですので、注意が必要です。

ストルバイトが大きくなる原因

そもそも、なぜストルバイトは大きくなるのでしょうか?

まず水分不足や排尿障害などが発生した犬の膀胱に、S. aureus、S. epidermidisなどウレアーゼ産生菌が感染、定着すると、膀胱内がアルカリ性を呈してストルバイト結石ができます。

ウレアーゼ産生菌はストルバイト結石の表面に付着、増殖して、結石を覆う腹状の構造物を形成し、次々と複数の結晶がその構造物にくっつき、どんどん大きくなっていきます。

つまりストルバイトが大きくなることを防ぐには抗生剤でウレアーゼ産生菌を退治することが重要なのです。あわせてpHを下げるようなフードを一緒に食べるとさらにストルバイト結石は溶けて無くなっていくことでしょう。

ストルバイト尿路結石の好発犬種

ストルバイト尿路結石の好発犬種
  • フレンチブルドッグ
  • ミニチュアシュナウザー
  • ウェルシュコーギー
  • シーズー
  • ミニチュアダックス
  • ビションフリーゼ

などでストルバイト尿路結石は認められます。

ただし、上記の犬種以外であっても、食事などの様々な要因によってストルバイト尿路結石はできることがあります。

ストルバイトの8割以上が女の子のわんちゃん

ストルバイト結石は男の子より女の子の方ができやすいと言われています。

具体的にはストルバイト結石ができたわんちゃんの85%は、メスだったと報告されています。

女の子は尿道と肛門が身体の構造上近いため尿路感染症にかかりやすく男の子と比較して結石が作られやすくなっているためです。

一方、女の子の場合、尿道が太く短いため男の子と比べると結石の排出はされやすいです。

ストルバイトの平均発症年齢は3歳

ストルバイトの平均発症年齢は3歳

ストルバイトを発症するわんちゃんの平均年齢はおよそ3歳くらいです。比較的若齢から発生する病気です。

8歳を超えた老犬では、腎臓病になる割合が増える一方、尿石症を患う犬の割合は一気に減ります。

ストルバイト尿路結石の症状(初期症状・末期症状)

ストルバイト尿路結石の症状(初期症状・末期症状)

初期症状

ストルバイト尿路結石症の初期症状として一般的に現れるものは

  • 血尿 
  • 赤くはないが、尿はいつもより濃い
  • 頻尿
  • おしっこが少量しかでない
  • 尿の臭いがキツくなる
  • トイレでの滞在時間が長い
  • トイレでしぶっている様子がある

などといったものです。トゲトゲしたストルバイト結石が膀胱に当たってしまうことで、出血を引き起こすため血尿が出てしまいます。

末期症状

末期症状としては、

  • 1日以上尿が出ていない(尿路閉塞)
  • 食欲・元気がなく、ぐったりしている
  • 急性腎不全
  • 尿毒症

などがあります。

末期には、排尿時に結石が尿道に詰まってしまい、尿路閉塞を引き起こしまうことがあります。そうなると急性腎不全や尿毒症といった命に関わる状態に陥ることがあります。

ストルバイト尿路結石の診断

尿石の種類によって治療の選択肢が異なるため、種類の特定も重要です。

ストルバイト尿路結石は、顕微鏡を使うことで尿中の結晶を確認できます。

そして、犬の尿石症は、猫と異なり細菌感染が原因になっていることも多いため、細菌検査も重要です。

ストルバイト尿路結石の治療法

ストルバイト尿路結石の治療法

基本的に食事療法や抗生剤を使用します。

各フードメーカーから尿路結石用の療法食が販売されており、タンパク質、リン、マグネシウムが制限されています。

療法食により以下のような効果を得ることができます。

  • 尿を酸性に維持する
  • 尿量を増加させる
  • 結石の原因となる物質の尿中飽和度を低下させる

抗生剤

尿路感染が存在する場合には抗生物質療法が必要です。というのも、ストルバイトの多くは、細菌性膀胱炎が原因で発症しているため、抗生物質による治療が行われます。

食事療法

同時に、ストルバイトを溶かすために尿のアルカリ性を下げるための療法食を与えることが重要です。

タンパク質・リン・マグネシウムを制限し、pH値を6.5未満に下げることでストルバイトを溶かし、尿から体外に排出することができます。頻回に食事を分けてあげることで、pHが下がりやすいとされています。

水分をしっかりとる

次に、水分摂取量を増やすことが重要です。水分摂取量が増え、その結果尿量が増えると、結晶が希釈されるため結石形成の治療・予防となります。

水分摂取量を増やすためには、ウェットフードを加えたり、ドライフードを水でふやかすなどの工夫が必要です。

雄犬で尿道にストルバイト尿路結石が詰まり、尿路閉塞が起こった場合には、緊急性が高いため外科手術を行う事があります。

ストルバイト尿路結石の食事療法

ストルバイト尿路結石の食事療法

これまで、ストルバイトの治療では食事が非常に重要であるということをお話ししてきました。治療に用いる食事は尿のpHをアルカリ性にしないようにしたり、pHを下げる機能のある療法食を選ぶことが重要です。

食事療法は治るまでの間に行うのが一般的ですが、再発を繰り返す場合には継続して食事療法を行うこともよくあります。

ストルバイト尿路結石にとって良いとされている具体的な食事の条件については以下で詳しくお話しします。

低タンパク食

尿のpHを上昇しないようにするため、低タンパク食を摂取する必要があります。

目安はタンパク質を10〜15%程度に抑えることです。手作り食の場合も同様です。

クランベリーなど膀胱にいい成分を含む

クランベリーやN-アセチルグルコサミンなどといった膀胱の粘膜を保護し、膀胱に感染した細菌を減らしてくれる成分の入った療法食を選ぶようにしましょう。

ナトリウム(塩分)

ストルバイト尿路結石は飲水量を増やすことがとても大切になってきますが、飲水量をなかなか増やせない場合には塩分(ナトリウム)を適度に含んでいるフードも効果的です。

ストルバイト対策フード ランキング4選

療法食を食べても、ストルバイトがなかなか溶けない、溶けてもまた再発する...

といったお悩みを多くの飼い主さんは、かかえていらっしゃいます。

良い療法食と巡り会えると、

あなたの愛犬のストルバイトがしっかり溶けることはもちろんのこと、さらには、愛犬の体質がストルバイトができにくい体質へと変わっていくので、膀胱炎が繰り返すことがなくなります!

どうすればそんなことが可能になるのでしょうか

そのためには、体質を改善しながらストルバイトをしっかり溶かしてくれる療法食を選ぶ必要があります!

具体的に私が提案する良いストルバイトの療法食は

  • pHをしっかり下げてくれる療法食
  • 漢方など体質を改善してくれる成分を含む療法食
  • 嗜好性が高く、食いつきが良い療法食

といった3つの条件を満たしている療法食です。

これらの条件を満たしている療法食を獣医師である私が厳選して、ランキング形式でこれからご紹介しましょう!

 和漢みらいのドッグフード【特別療法食(結石・膀胱炎用)】

獣医師が最もオススメのフードは、和漢みらいのドッグフード【特別療法食(結石・膀胱炎用)】
です。

こんなお悩みの飼い主様にオススメ!

  • 美味しくて、ストルバイトや膀胱炎に良い療法食を探している
  • しっかりとpHを下げる効果があるフードが良い
  • 漢方を使った体質改善効果のある療法食を探している
  • 素材にこだわった、高品質なドッグフードを探している
  • 腸内環境なども改善したい
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(結石・膀胱炎用)】は、漢方を導入した特別療法食

和漢みらいのドッグフードって何がすごいの??

和漢みらいのドッグフード【特別療法食(結石・膀胱炎用)】は、製薬会社が開発した高性能ドッグフードで、

  • 89種類の和漢植物
  • 鹿や魚
  • 腸内環境を意識したマクロビ発酵素材配合
  • オメガ3脂肪酸
  • ファイトケミカル

など他のドッグフードには含まれていない愛犬の体に良い成分がたくさん配合されています。

和漢みらいのドッグフード【特別療法食(結石・膀胱炎用)】には漢方を中心に、鹿肉などの良質なタンパク質や腸内環境を意識したマクロビ発酵素材が使用されています。

和漢みらいのドッグフードは食いつきがとても良い

和漢みらいのドッグフード【特別療法食(結石・膀胱炎用)】は療法食だし、和漢が入っているけど、美味しいの??

和漢みらいのドッグフード【特別療法食(結石・膀胱炎用)】は原材料にもとことんこだわっているので、高品質なタンパク源を摂取できるだけでなく、

食いつきも非常に良いドッグフードですので、

あまり食べないわんちゃんにもオススメです!

上記の画像は、実際に和漢みらいのドッグフードを食べているワンちゃんです。食いつきが非常に良く、食べやすい形状になっています。

和漢みらいのドッグフードは尿路に非常にやさしいドッグフード

和漢みらいのドッグフード【特別療法(結石・膀胱炎用)】はストルバイトを溶かすために、しっかりpHを下げる作用があります。

ストルバイトをしっかり溶かす秘訣

  • ミネラルが制限されており、ストルバイトをできにくくする
  • pHをしっかり下げてくれる
  • 無添加なので安心

和漢みらいのドッグフード【特別療法食(結石・膀胱炎用)】
体質を改善するだけでなく、しっかりストルバイトを溶かしてくれるのね。

和漢のフードの口コミ

以下で和漢のフードの口コミをご紹介します!

早くあげたらよかったと後悔しています

20代女性

初めて与えた時は1分ほど転がしていて、食べてくれないかも?と思った瞬間に、カリカリと食べてくれました。毎回完食です。

1週間後に尿検査したところ、細かい結晶はほんの少しあるものの、弱酸性の尿に戻りました。次の検査では細かい結晶も消えていると確信しています。

もっと早く、このフードを食べさせてあげていたらよかった。

pHが6になった

40代女性

サプリメントとしてフードに混ぜてます。先日の尿検査は、pH6。一段落です。

いつも買ってます

60代女性

尿路結石のチワワに食べさせています。おやつが一切あげられないのでこれが大好物です。

漢方で体質改善でき、ストルバイトをしっかり溶かしてくれる療法食で、獣医師が最もオススメなフードは
和漢みらいのドッグフードです。

愛犬の尿路結石をケアする
和漢のフードを今すぐチェック!

ユリナリーS/O 小型犬用S

犬用 ユリナリーS/O 小型犬用は、下部尿路疾患(ストルバイト結石症およびシュウ酸カルシウム結石症)の犬に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。

この食事は、マグネシウムなどのミネラル成分を調整しています。

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ドクターズケア 犬用 尿石ケア

『ドクターズケア尿石ケア』は、ストルバイト尿石症およびシュウ酸カルシウム尿石症の犬の食事管理を目的とした療法食です。

この療法食は、ミネラル成分やアミノ酸のバランスを調整することで、尿石の形成を考慮したものです。犬の体内環境を弱酸性に保つことで、尿石の形成を抑制します(予測尿pH6.16.4)。

そして、各種尿石に配慮して、オメガ3脂肪酸(EPADHA)が強化されています。

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ヒルズ c/d マルチケア

c/d マルチケアは、特に小型犬や中型犬に多いストルバイト尿石やシュウ酸カルシウム尿石の形成を予防します。

具体的には、ミネラルバランスと尿のpHバランスを整え、尿路結石の形成を防ぎます。それに加えて、必要なカルシウム量を調整し、体に優しいクエン酸カリウムを配合。これにより、尿路の健康をさらにサポートします。

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ストルバイトにオススメのサプリメント

「ウロアクトプラス」は、愛犬の健康を最優先に考えたストルバイト治療のサプリメントです。

ウロアクトプラスは、ストルバイト結晶に効果的なクランベリーエキスとウラジロガシエキスを含有しており、これにより、おしっこの健康を一段と強力に守ります。

また、新成分であるN‐アセチルグルコサミンを追加。膀胱粘膜を保護するGAG層の健康維持をサポートします。

「ウロアクトプラス」で、愛犬のストルバイト対策•治療をサポートしましょう。

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ストルバイト尿路結石の対策・予防法

食事のバランスを整える

せっかくストルバイト尿路結石が治ったとしても、繰り返し再発してしまうことがよくあります

というのもバランスの悪い食事を摂っている場合、再発する傾向にあるためです。わんちゃんの尿路結石症は、ある意味生活習慣病といえるのかもしれません。。。

具体的なお話をすると、ストルバイト結石の成分はマグネシウムやリンなどのミネラルで、偏ったミネラル摂取をすると結石(結晶)ができやすくなります。

またストルバイト結石の食事療法には注意が必要で、マグネシウムを制限する際、制限しすぎてしまうケースもあります。

そうなると今度は食事療法では溶かせないシュウ酸カルシウム結石になるリスクが上がると言われています。ミネラルは過剰に摂取、制限するものではなくバランスがなによりも重要視されるのです

飲水量を増やす

飲水量を増やすことにより濃縮尿になることを避け、結石を作りにくくすることができます。

実のところ、ドライフードにはほとんど水分が含まれていないため、本来必要である水分量を摂取できていないワンちゃんが実は多くいるのです。ドライフードの弊害により、昔に比べて、犬や猫の尿路結石症が増えてしまっているともいわれています。

そして、わんちゃんによってはあまり水を飲みたがらなかったり、飲水量が少ない子もいますよね。。。その場合は、フード自体に水分を増やすことにより摂取できる水分量を自然と増やすことができます。

具体的な例としてはドライフードを水やスープでふやかしたり、ヤギミルクなどを活用することもいいですね。

また、ごはんをウェットタイプのものに切り替えたり、手作り食などで水分を多く摂取できる食事を用意することも有効でしょう。

適度な運動

可能であれば毎日適度な運動(お散歩)を行いましょう

お散歩にはメリットが非常に多く、楽しく運動ができストレス発散にもなる機会になるだけでなく、肥満の予防や排尿回数の増加により、尿路結石症の予防にもつながります。

また、お散歩中に外の世界を見て回ることによってたくさんの刺激があり、脳の活性化にもつながるでしょう。

おうちに帰ってきたら細菌感染予防のためにも簡易的に使い捨てのボディシートを使うなどして、身体を清潔に保ちましょう。

ただしわんちゃんの中には室内ではトイレができずにお散歩までがまんしてしまう子も多いため、悪天候続きの日や高齢になることも考慮した上で室内でトイレができるようトレーニングしておくこともおすすめします。

空腹の時間を作る

おなかがいっぱいの時にはpHが高くなる(アルカリ化)することが報告されています。

そのためおやつをあげたくなる気持ちをぐっとこらえ、運動をさせ、しばらくの間はごはんのみにして過ごしてみるのもいいのではないでしょうか。

ストルバイト尿路結石で与えてはいけない食べ物

ストルバイト尿路結石症では、ささみ・ヨーグルトは過剰にあげないようにしましょう。

というのも、ささみやヨーグルトに含まれるタンパク質が尿中の細菌によってアンモニアへと分解されてしまうためです。その結果、尿がアルカリ化を引き起こし、ストルバイト尿路結石症を引き起こします。

その他、以下にあげない方がよい食材を挙げています。

ミネラルを豊富に含む食材

  • 煮干し
  • 鰹節
  • レバー
  • カツオ
  • 干しシイタケ
  • わかめ 

タンパク質を多く含む食材

  • ヨーグルト
  • 海苔
  • 納豆
  • 豆腐
  • チーズ
  • ハム
  • ささみ
  • 卵黄 

ストルバイト尿路結石にいい食べ物

アセロラ、みかん、りんご、サバなどといった食べ物はストルバイト結石症に罹患しているわんちゃんにとって、おすすめの食べ物です。

というのもビタミンCやメチオニンなどが含まれており、これらはストルバイト結石症に有効な成分であるためです。

以下で詳しく解説していきます。

ビタミンC

膀胱炎に効果があるとされているビタミンCはおすすめです。ビタミンCは主にみかんなどの柑橘系に含まれています。

具体的な作用としては、ビタミンCはpHを下げ、ウレアーゼの活性を抑制します。

その他の作用としては、膀胱粘膜へ細菌が付着することを防ぐ効果があり、細菌性膀胱炎を引き起こしているわんちゃんに有効であったとの報告があります。

特にみかんやクランベリーといった果物に豊富に含まれていて与えやすいと思います。

オーガニックのクランベリージュースやクランベリーカプセル、サプリメントなどを活用するのも有効です。

腎臓病を持っていたり、腎臓への負担が危惧される場合も多いため、アセロラやりんごなどカリウムが少なくビタミンCが豊富なフルーツもおすすめです。

プルーンにも豊富に含まれていますがわんちゃんがプルーンを食べるにはリスクがあるため、与えないでください。

プロバイオティクス

プロバイオティクスとは腸内フローラのバランスを改善し、宿主の健康に対して好影響を与える生きた微生物のことを指します。

プロバイオティクスの食品だとヨーグルトが一般的に言われていますが、低タンパク食が大事になってくるため慎重に判断することが必要です。

サプリメントの場合、ヨーグルトより高濃度のものを与えることができます。

個人的にヨーグルトよりもサプリメントの活用をおすすめします。

メチオニン

サバなどに多く含まれていて、尿を酸性化させるはたらきがあると言われています。

具体的には、メチオニンはわんちゃんの体内で硫酸へと代謝されます。これにより、尿が酸性化され、ストルバイトが形成されにくくなります。


ヤギミルクはストルバイトに効果的?

犬がストルバイト尿路結石になった場合、ヤギミルクを与えることが効果的であることがわかっています。

ヤギミルクは栄養価が高く、善玉菌を増やす効果があり、水分摂取量を増やすことができます。

ただし、過剰な摂取は下痢やアレルギー反応を引き起こすことがあるため、摂取量には注意が必要です。

まとめ

本記事のまとめは以下のとおりです。

  • ストルバイト尿路結石では食事療法が重要であり、完治も可能
  • ストルバイト尿路結石は再発することが多く、原因のほとんどはバランスの悪い食事や運動不足などといった生活習慣の乱れである
  • ささみやヨーグルトといった高タンパク食は制限したほうが良いが、みかんやクランベリーといった柑橘系の果物は食べたほうが良い
  • 食事だけで尿路結石が溶けない場合には細菌感染を併発していることがほとんどであり、その場合抗生剤の使用を検討する
  • 食事療法だけでなく、飲水量を増やすことも尿路結石の治療・予防となる

わんちゃんがストルバイト結石症と診断された場合、
症状が治まるまで治療を続け、その後は再発を防ぐために積極的な飲水・運動、食事療法、サプリメントなどといった予防策を積極的に取り入れることが重要です。
尿路結石が溶けた後も毎月尿検査を行い、新たな結石が作られていないかを動物病院で確認してもらいましょう!

【参考文献】

Adams LG, Syme HM. Canine ureteral and lower urinary tract diseases. In: Ettinger SJ, Feldman EC, eds. Textbook of veterinary internal medicine. 7th ed. St Louis: Elsevier, 2010;2086–2115.

Prywer J, Torzewska A. Biomineralization of struvite crystals by Proteus mirabilis from artificial urine and their mesoscopic structure. Cryst. Res. Technol. 2010; 45:1283-9.

Hemilä H. Vitamin C and Infections. Nutrients 2017;9:339.

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院長

院長

国公立獣医大学卒業→→都内1.5次診療へ勤務→動物病院の院長。臨床10年目の獣医師。 犬と猫の予防医療〜高度医療まで日々様々な診察を行っている。

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