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【獣医師監修】シニア猫向けキャットフードおすすめ5選:高齢猫の健康を支える食事

猫は一般に7歳以上になると「シニア猫」(高齢期)に入ると言われます。まだまだ元気に見えても、体内では少しずつ老化が進行しているのです。また人間と同じく代謝が変化し、運動量も減っていくため、若い頃と必要な栄養バランスが変わってきます。

愛猫にはいつまでも元気で長生きしてほしいもの。しかし高齢猫の健康を維持するには食事内容の見直しが重要です。最近「あまり動かなくなった」「フードを残すことが増えた」などの変化が見られたら、フードをシニア猫向けに切り替えるタイミングかもしれません。

「シニア猫用のご飯は何が違うの?いつから変えるべき?」「食欲が落ちてきたけどどう対処すればいい?」と不安に感じる飼い主さんも多いでしょう。本記事では獣医師の視点から高齢猫に適したキャットフードの選び方を解説し、さらにシニア猫 フード おすすめ5選を厳選してご紹介します。愛猫の健康寿命を伸ばすためのヒントとしてぜひ参考にしてください。

シニア猫用キャットフードの選び方ポイント

高齢猫に適したフードを選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。

  • 総合栄養食であること: 毎日の主食には栄養バランスが取れた「総合栄養食」を与えます。ドライフードのほとんどは総合栄養食ですが、市販のウェットフードにはおかず程度の「一般食」も多いので、主食にする場合はパッケージに「総合栄養食」と表示されたものを選びましょう。
  • 高品質なたんぱく質をしっかり摂れる: シニア期も筋肉量や免疫力を維持するために良質なたんぱく質は欠かせません。原材料のトップに肉類や魚が記載されたフードを選び、たんぱく質含有量30%以上を目安にすると安心です(健康な高齢猫であれば高たんぱくでも腎臓病のリスクには直結しません)。
  • カロリー・脂質は適度に抑える: 7〜10歳頃までは運動量の低下で肥満になりやすいため、脂肪分が少なめでカロリー控えめのフードがおすすめです。一方、11歳を超えて痩せ傾向になってきた場合は、少量でも効率よくエネルギー補給できるエネルギー密度の高いフード(目安として代謝エネルギー4kcal/g以上)を選ぶと良いでしょう。
  • シニア猫の健康を支える成分: 高齢猫によくみられる疾患に配慮した成分が含まれているか確認しましょう。例えば腎臓への負担減軽のためリンやナトリウムが制限されたフードや、関節ケアのグルコサミン・コンドロイチン配合、毛玉・便秘対策に役立つ食物繊維オリゴ糖配合、皮膚や被毛の健康維持に必須のオメガ3脂肪酸強化などが挙げられます。
  • 消化吸収に優れ、添加物が少ない: 胃腸が敏感になるシニア猫には、なるべく消化の良い原料で作られたフードが適しています。グレインフリー(穀物不使用)や低炭水化物のレシピなら消化負担が少なく、肥満予防にも効果的です。また人工の保存料や着色料・香料が無添加のフードは余計な添加物を避けられるため安心です。
  • 食べやすく嗜好性が高いこと: 歯や顎の力が衰えた猫でも食べやすい小粒でほどよい硬さのキブル(粒形状)を選びましょう。旨味成分が多く食いつきの良いフードを選ぶことも大切です。嗅覚・味覚が鈍くなったシニア猫には、電子レンジで人肌程度に温めて香りを立たせたり、ウェットフードやぬるま湯でふやかしたフードで柔らかくしてあげると食欲が刺激されます。

シニア猫におすすめのキャットフード5選

それでは、上記のポイントを満たすおすすめのキャットフード5商品をランキング形式で紹介します。獣医師の視点で厳選し、それぞれの特徴やおすすめの理由を解説しますので、愛猫に合ったフード選びの参考にしてください。

🐱 シニア猫におすすめのキャットフード5選 比較表

順位商品名
(ブランド)
タイプ主な特徴・栄養成分内容量参考価格
(税込)
おすすめ度嗜好性安全性適用年齢メリットデメリット
1位カナガン
チキン・サーモン
ドライ・主原料:チキン・サーモン
・粗タンパク質:約37%
・脂質:約20%
・グレインフリー
・人工添加物不使用
1.5kg約4,500円⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐全年齢・高タンパクで筋肉維持
・英国王室表彰の実績
・消化吸収良好
・穀物アレルギー対応
・価格がやや高め
・粒が硬め
・慣れるまで時間要
2位モグニャン
(MogNyan)
ドライ・主原料:白身魚65%
・粗タンパク質:約30%
・脂質:約16%
・グレインフリー
・無添加
1.5kg約4,500円⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐全年齢・魚の旨味で食いつき抜群
・低脂肪でヘルシー
・室内飼いに適している
・毛艶改善効果
・魚が苦手な猫は△
・価格が高め
・粒サイズ注意
3位犬猫生活
キャットフード シニア
ドライ・主原料:国産生鶏肉・魚
・粗タンパク質:約40%
・脂質:約12%
・乳酸菌EC-12配合
・国産無添加
750g約5,000円⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐全年齢
(7歳~推奨)
・ヒューマングレード品質
・腸内環境ケア
・超高タンパク・低脂質
・国産の安心感
・価格が最も高い
・容量が少なめ
・取扱店舗限定
4位ロイヤルカナン
エイジング 12+
ドライ・12歳以上専用設計
・高消化性タンパク質
・低リン設計
・二層構造キブル
・代謝エネルギー:385kcal/100g
2kg約4,000円⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐12歳以上・腎臓ケアに配慮
・噛みやすい粒設計
・獣医師推奨の実績
・高エネルギー効率
・穀物使用
・人工添加物有
・12歳未満は対象外
5位プレイアーデン
有機キャットフード
ウェット
(缶詰)
・100%有機原材料
・水分約80%
・穀物・添加物完全不使用
・Bio有機認証取得
・総合栄養食
200g
(1缶)
約1,000円⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐全年齢・最高品質オーガニック
・水分補給効果
・嗜好性抜群
・歯が弱い猫でもOK
・価格が非常に高い
・缶詰で保存性△
・カロリー高めで量調整必要

📊 栄養成分比較チャート

商品名タンパク質脂質炭水化物カロリー
(100g当たり)
特記事項
カナガン37%20%19%約405kcalバランス型・高タンパク
モグニャン30%16%39%約379kcal低脂肪・魚ベース
犬猫生活40%12%21%約373kcal超高タンパク・超低脂肪
ロイヤルカナン30%12%45%約385kcal腎臓ケア・高齢猫専用
プレイアーデン11%6%1%約110kcalウェット・水分補給重視

第1位 カナガンキャットフード チキン・サーモン

  • 特徴: イギリス発のプレミアムキャットフード。新鮮なチキンを主原料に高タンパク(約37%)で、穀物不使用のグレインフリーレシピが特徴です。人工添加物も不使用で、全猫種・全年齢対応の栄養バランスに優れたフードです。
  • おすすめポイント: 肉類主体で消化吸収が良く、シニア猫の筋肉維持に必要な動物性タンパク質をしっかり補給できます。一方で脂肪分は約20%と過剰でないため、中高年期の体重管理にも適しています。嗜好性が高いチキンとサーモンの風味で食いつきが良いと評判で、偏食気味の猫にも試す価値ありです。英国王室から表彰を受けた実績があり、品質の高さも折り紙付きです。
  • 適している猫: 穀物アレルギーや敏感な胃腸を持つ猫、添加物が気になる猫に特に向いています。高齢になって運動量が落ちた猫でも適度なカロリーで太りにくく、全ライフステージ対応のため多頭飼育で年齢の異なる猫がいるご家庭にも便利です。
  • 購入先: 公式サイトで初回100円モニターや定期購入割引(最大20%OFF)あり。Amazonや楽天市場などの通販でも購入できます。

第2位 モグニャン (MogNyan)

  • 特徴: 愛猫家の間で人気No.1との呼び声も高い国産向けプレミアムフード。良質な白身魚を贅沢に使用し、動物性原料を全体の約65%配合した高タンパク設計です。グレインフリーかつ人工添加物無添加で、愛猫に安心して与えられます。魚ベースのため脂肪分は控えめ(約16%)で室内飼いのシニア猫にも適したヘルシーさです。
  • おすすめポイント: 魚の旨味たっぷりで香りが良く、偏食気味の猫でも食いつきが抜群と定評があります。白身魚主体の低脂肪レシピなのでシニア猫の体重管理にも役立ちます。実際に「毛艶が良くなった」「食欲が戻った」といった口コミも多く、総合栄養食として栄養バランスも優秀です。
  • 適している猫: 食欲にムラがある猫や魚好きな猫、高タンパクながらもカロリー控えめなフードを探しているシニア猫に特に適しています。合成着色料や香料を使っていないため、添加物に敏感な愛猫にもおすすめできます。
  • 購入先: 公式サイト限定でお得な初回モニターや定期コース割引があります。Amazonや楽天市場でも取り扱いがあり、1.5kgの他、小分けパックのお試しセットも購入可能です。

第3位 犬猫生活 キャットフード シニア

  • 特徴: 獣医師とペット栄養管理士が共同開発した国産プレミアムフード。主原料に国産の生鶏肉や魚を使い、グレインフリー&無添加にこだわった高品質な一品です。7歳以上のシニア猫の健康維持を念頭にレシピが設計されており、タンパク質たっぷりながらリンやマグネシウムなどのミネラルバランスも調整されています。腸内環境を整える乳酸菌EC-12やオリゴ糖も配合し、お腹の弱い猫にも配慮されています。
  • おすすめポイント: 人間が食べられる原材料のみを使用したヒューマングレード仕様で、安全性を重視する飼い主さんに支持されています。高タンパク(約40%)なのに脂質は約12%と低めで室内飼いのシニア猫も太りにくい設計です。実際に「便の匂いが軽減した」「毛並みが良くなった」という報告もあり、長く食べ続けることで体調の変化を実感しやすいフードといえます。
  • 適している猫: 原材料や製造過程にとことん安心できる国産フードを求める方にぴったりです。穀物アレルギーの心配がある猫、添加物不使用の食事で体質改善を図りたい猫にも適しています。高齢猫だけでなく全ライフステージ対応の総合栄養食なので、若い成猫からシニアまで同じフードで統一したい場合にも便利です。
  • 購入先: 犬猫生活の公式オンラインショップで購入できます(定期コースあり)。Amazonや楽天市場でも取扱いがありますが、公式サイト経由の購入で特典や割引が受けられる場合があります。

第4位 ロイヤルカナン エイジング 12+ 高齢猫用

  • 特徴: 獣医師からの信頼も厚いロイヤルカナンの、12歳以上の高齢猫専用フードです。高齢になると低下しがちな腎臓の健康に配慮してリン含有量を抑え、適切なミネラルバランスに調整されています。キブル(粒)は外側がカリッと中はやわらかい独自の二層構造で、歯や顎が弱ったシニア猫でも噛み砕きやすく工夫されています。高消化性タンパクを使用しているため消化吸収率が高く、シニア猫でも栄養をしっかり取り込めます。
  • おすすめポイント: 長年にわたり多くの高齢猫に与えられてきた実績があり、食いつきの良さと栄養バランスの確かさで定評があります。代謝エネルギー約385kcal/100gと高めで少量でも効率よくエネルギー補給でき、11歳頃から痩せ気味になってきた猫にも最適です。高品質な油脂類や香り成分を配合し食欲を刺激する工夫がされているため、食が細くなった愛猫にも試してみる価値があります。毛艶や被毛の健康維持に役立つオメガ3系脂肪酸やアミノ酸も強化されています。
  • 適している猫: 12歳を超えた超高齢の猫や、歯が弱くカリカリを食べにくそうにしている猫に特に適したフードです。腎臓のケアをしたい猫、痩せてきてもう少し体重を増やしたい猫にも向いています。味の好みにうるさくなったシニア猫でも喜んで食べるケースが多く、総合的にシニア期の健康サポートに優れています。
  • 購入先: 動物病院やペットショップ、Amazonや楽天など各種通販サイトで幅広く入手できます。400gなど小容量から販売されているので、まずは少量を試して猫の食いつきを確認してから継続購入するのがおすすめです。

第5位 プレイアーデン (Plaiaden) 有機キャットフード [ウェット]

  • 特徴: ドイツ生まれの最高品質ウェットフード。肉食の猫本来の食事に近づけるため、狩猟肉を含む100%有機(オーガニック)原材料のみを使用し、ドイツの厳格なBio有機認証を取得しています。穀物や人工添加物は一切使用せず、素材本来の風味と栄養を閉じ込めた贅沢なレシピです。総合栄養食に分類されるためウェットフードながら主食として与えることができます。
  • おすすめポイント: 良質な動物性タンパク源を豊富に含み、嗜好性・栄養価ともに非常に高いフードです。水分約80%と水分補給にも役立つため、固形フードを食べにくくなった老猫や腎臓ケアを意識したい猫に最適です。食いつきも抜群で、ドライフードにトッピングして食欲を刺激する使い方もできます。複数のユニークなフレーバー(ビーフ、鹿肉、ウサギ、鶏肉など)があり、飽きやすい猫でもローテーションしながら楽しめます。
  • 適している猫: 歯や口が弱ってカリカリを噛めなくなってきたシニア猫や、水分摂取量を増やしたい猫に特におすすめです。原材料にとことんこだわりたい飼い主さんや、食欲が落ちた愛猫へのご馳走としても最適でしょう。ただし非常に栄養価が高いため、一度に大量に与えず適量を守って与えてください。
  • 購入先: プレイアーデンは一部のペット専門店やオンライン通販で購入できます。Amazonや楽天市場でも各種フレーバーの缶詰が入手可能です。ただし価格はやや高価なため、まずは少量セットで試して愛猫の好みを確認すると良いでしょう。

シニア猫の食事に関するよくある質問

Q1. シニア猫用のフードには何歳から切り替えるべき?

A. 一般的な目安として、7歳前後からシニア用フードへの切り替えを検討すると良いでしょう。ただし猫の老化スピードや健康状態には個体差があります。まだ元気で体型も適正なら慌てて変える必要はありませんが、8〜10歳頃までには徐々に切り替えていく飼い主さんが多いです。11歳を超える頃には栄養ニーズが大きく変化するため、それまでにシニア用への移行を終えていることが望ましいでしょう。

切り替えの際は、突然新しいフードに変えると猫が警戒したりお腹を壊すことがあります。1〜2週間かけて徐々に今までのフードに新しいフードを混ぜながら割合を増やしていってください。愛猫の体重や体調を見つつ、ベストなタイミングで移行してあげましょう。

Q2. シニア用フードを若い猫が食べても大丈夫?逆に高齢猫に成猫用フードを与えても平気?

A. シニア用フードは基本的に高齢猫の栄養ニーズに合わせてカロリーやミネラルが調整されています。子猫や若い成猫が誤って食べてもすぐに害が出るわけではありませんが、長期間続けると栄養が不足する可能性があります(特に子猫にはエネルギー不足になります)。できるだけペットのライフステージに合ったフードを与えるのが理想です。

反対に、高齢の猫に成猫用(アダルト用)フードを与え続けることも栄養過多や不足を招く恐れがあります。シニア期の猫は若い頃よりも太りやすく痩せやすいため、シニア用フードで適切な栄養バランスに調整してあげましょう。ただし食べ慣れたフードしか受け付けない場合もあるため、その場合は獣医師に相談のうえ総合栄養食の範囲でトッピングやサプリメントを活用するなど個別対応すると良いでしょう。

Q3. シニア猫がご飯を食べなくなったときの対処法は?

A. 高齢猫が急にご飯を食べなくなると心配になりますよね。まずは以下の対処法を試してみてください。

  1. フードを温める: ドライフードでもウェットフードでも、電子レンジで人肌程度(約38℃)に温めると香りが立ち、食欲を刺激できます。特に嗅覚の衰えたシニア猫には効果的です。
  2. トッピングを加える: 普段のフードに、鰹節や無塩の煮干し粉、またはシニア猫用の美味しいウェットフードを少量混ぜてみましょう。いつもの味に変化をつけることで興味を引き、食べてくれる場合があります。
  3. 少量を頻回に与える: 一度にたくさん食べられない猫には、1日の総量は変えずに少量ずつ小分けにして1日3〜4回に分けて与えてみましょう。時間を空けて何度も新しいご飯を出すことで、その都度少しずつ食べ進めてくれることがあります。

これらを試しても全く食べない場合や、明らかに体調が悪そうな場合は、**早めに動物病院へ相談しましょう。**シニア猫は食欲不振の背後に病気が隠れていることもあるため、無理に市販フードに固執せず獣医師の指導を仰ぐことが大切です。

まとめ

シニア期に入った愛猫の健康を守るには、年齢に合わせた食事管理が欠かせません。高齢猫向けキャットフードを上手に活用すれば、筋肉や臓器のケア、体重管理などを食事面からサポートできます。本記事で紹介したフードはどれも獣医師の視点でおすすめできる高品質なものばかりです。ただし、猫ちゃん一人ひとり好みや体質は異なるため、実際に少量ずつ試しながら愛猫にベストな一品を見つけてあげてください。

シニア猫は定期的な健康診断も受けつつ、適切な食事とたっぷりの愛情でケアしてあげましょう。毎日のご飯時間が愛猫にとって楽しみになれば、きっとシニア期も元気で穏やかな生活を送れるはずです。飼い主さんの優しい気遣いが、愛猫の健康長寿につながります。

  • この記事を書いた人
院長

院長

国公立獣医大学卒業→→都内1.5次診療へ勤務→動物病院の院長。臨床10年目の獣医師。 犬と猫の予防医療〜高度医療まで日々様々な診察を行っている。

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