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【獣医師監修】犬のロイヤルカナン消化器サポート低脂肪の成分・違い・対象となる疾患(膵炎・胆嚢炎・肝炎)について解説

【獣医師監修】犬の消化器サポート低脂肪の成分・違い・対象となる疾患(膵炎・胆嚢炎・肝炎)について解説

愛犬の健康を守るために最適な食事を選ぶことは、飼い主にとって重要な課題のひとつです。

特に消化器系の問題を抱える犬たちにとって、適切な食事はその健康状態の改善に大きく寄与します。

本記事では、獣医師の専門的な監修のもと、消化器サポート低脂肪食の秘密に迫ります。

効果的な成分や他の食事との違い、さらに対象となる疾患(膵炎、胆嚢炎、肝炎)について詳しく解説し、愛犬の健康状態に合った食事選びのポイントをご紹介します。

さらに、消化器サポート低脂肪食の選び方や与え方のコツ、食事の切り替え時に注意すべき点も解説します。

愛犬の健康を守り、長寿をサポートするために、ぜひ本記事を参考に、適切な食事選びに取り組んでください。

消化器サポート低脂肪の成分

消化器サポート低脂肪は、消化器系疾患のある犬のために開発された療法食であり、以下のような原材料が含まれています。

原材料:米、肉類(鶏、七面鳥)、小麦、大麦、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、ビートパルプ、動物性油脂、酵母および酵母エキス、魚油(EPA/DHA源)、サイリウム、フラクトオリゴ糖、加水分解酵母(マンナンオリゴ糖源)、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(タウリン、DL-メチオニン、L-リジン)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、ゼオライト、ミネラル類(Cl、Na、Ca、K、P、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、D3、コリン、E、C、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、B6、B1、B2、ビオチン、葉酸、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)

成分(保証分析値)たんぱく質20.0 %以上脂質5.0 %以上粗繊維2.8 %以下灰分6.8 %以下水分10.5 %以下
食物繊維8.4 %
ビタミン(1kg中)A18,000 IU/kgD31,000 IU/kgE500 mg/kg
カロリー含有量(代謝エネルギー)346 kcal/100g

具体的な成分としては以下の通りです。

  • 低脂肪:脂肪分を抑えた配合で、膵臓や胆嚢の負担を軽減します。さらに、脂肪が少ないことで健康維持にも役立ちます。
  • 高品質タンパク質:消化吸収が良いタンパク質が使用されており、栄養素の消化吸収を向上させます。適切なタンパク質の摂取は、筋肉の成長や修復に不可欠です。
  • 食物繊維:お腹の膨満感を与えることで食事量をコントロールし、適正体重維持に役立ちます。また、食物繊維は腸内環境を整え、便秘の予防にも効果があります。
  • オメガ3脂肪酸:抗炎症作用があり、消化器系の炎症を抑制します。さらに、健康的な脂質摂取にも役立ちます。
  • 抗酸化物質:細胞の酸化ストレスを減らし、免疫システムのサポートを行います。強い免疫力は、健康な体を維持するために必要不可欠です。

これらの特徴により、消化器サポート低脂肪は健康的でバランスの取れた食生活をサポートすることができます。また、適正な体重維持にも役立ち、健康的な生活を送るための一助となります。

消化器サポート低脂肪の粒の大きさの違いについて

上記は消化器サポート低脂肪小型犬の粒の大きさなのですが、比較的小粒で食べやすいよう設計されています。

一方、上記の画像の通常の消化器サポート低脂肪の粒は小型犬用に比べて大きく作られています。そのため、特にチワワやプードルなどの小型犬の場合は、粒が小さい小型犬用を選ぶことをおすすめします。

そうすることで、小型犬でも安心して消化器サポート低脂肪を摂取することができ、健康をサポートすることができます。

消化器サポート低脂肪の対象となる疾患

消化器サポート低脂肪は、以下のような疾患を抱える犬に適しています。

  • 膵炎:膵臓の炎症により、脂肪の消化が困難になるため、低脂肪の食事が推奨されます。
  • 胆嚢炎:胆嚢の炎症によって、脂肪の分解・消化がうまくいかなくなる場合があります。
  • 肝疾患:肝臓の機能が低下し、脂肪の代謝が十分に行われない場合があります。
  • 消化器系疾患:炎症性腸症、胃腸炎、短腸症候群など、消化器系の疾患がある犬にも適しています。これらの疾患では、消化吸収が悪化することがありますので、高品質タンパク質と低脂肪の食事が推奨されます。

消化器サポート低脂肪の与え方と注意点

消化器サポート低脂肪は獣医師の指示に基づいて与えることが重要です。適切な量を与えることで、犬の健康状態を改善させることができます。以下に、与え方と注意点を示します。

  • 獣医師の指示に従って、適切な量を与えることが大切です。犬の体重や活動量によって、適切な量が変わることがあります。
  • 食事の切り替えは徐々に行うことが望ましいです。新しい食事に慣れるまで、従来の食事と混ぜて与えることで、消化器系への負担を軽減します。
  • 犬の様子を観察しながら、食事を続けてください。元気がなかったり、食欲不振や嘔吐、下痢が続く場合は、獣医師に相談してください。
  • 療法食は犬の健康状態に合わせて選ぶことが重要です。消化器サポート低脂肪以外にも、他の療法食が適切な場合がありますので、獣医師と相談して決定してください。

まとめ

犬のロイヤルカナン消化器サポート低脂肪は、消化器系疾患を抱える犬に適した療法食です。

低脂肪、高品質タンパク質、膨張性食物繊維、オメガ3脂肪酸、抗酸化物質などの成分が含まれており、膵炎、胆嚢炎、肝疾患、消化器系疾患などの犬に対して効果があります。

適切な量を与え、獣医師の指示に従って食事を続けることが、犬の健康状態を改善させるために重要です。

  • この記事を書いた人
院長

院長

国公立獣医大学卒業→→都内1.5次診療へ勤務→動物病院の院長。臨床10年目の獣医師。 犬と猫の予防医療〜高度医療まで日々様々な診察を行っている。

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