【獣医師が解説】犬の脂肪腫について
飼い主の皆さん、愛犬の体に突然、柔らかいしこりを見つけたことはありませんか?そのしこり、一体何なのでしょうか。それは「脂肪腫」と呼ばれるもので、犬によく見られる腫瘍の一つです。今回はこの脂肪腫について、その原因から症状、治療法、予防までをわかりやすく解説していきます。
脂肪腫の原因とリスク
脂肪腫は、体内の脂肪細胞が過剰に増殖することで形成されます。中高年の犬、特に肥満傾向のある犬に多く見られます。また、遺伝的な要素や、運動不足、食事の問題なども脂肪腫の原因と考えられています。脂肪腫自体は良性の腫瘍であり、犬の命を直接脅かすようなものではありませんが、大きくなると動きを妨げたり、内臓を圧迫したりするリスクがあります。
脂肪腫の主な症状
脂肪腫は、体のどこにでもできますが、特に皮下に多く、手で触れると柔らかく、動かすことができます。大きさは豆粒程度からゴルフボール大までと、個体により異なります。ただし、急に大きくなったり、痛みを伴ったりする場合は、悪性化している可能性もありますので、早急に獣医師の診察を受けることをおすすめします。
治療法と対応
脂肪腫の診断は、細胞診や組織診を行うことで確定します。治療法には、腫瘍の大きさや位置、犬の健康状態などにより、手術や薬物療法が選択されます。手術は完全に取り除くことが可能ですが、麻酔リスクもありますので、獣医師と相談して決めることが大切です。
予防と日常ケア
脂肪腫の予防には、適度な運動とバランスの良い食事が大切です。特に肥満は脂肪腫のリスクを上げますので、食事の管理には十分注意しましょう。また、定期的に愛犬の体を触って、しこりがないか確認することも重要です。
おすすめのフードとサプリメント
脂肪腫の予防に有効なフードとしては、低脂肪・高タンパクのものがおすすめです。また、抗酸化作用のあるビタミンCやEを含むサプリメントも、細胞の健康を保つのに役立ちます。
まとめ
犬の脂肪腫は、早期発見・早期治療が大切です。愛犬の健康管理は、日々の生活習慣から。適度な運動とバランスの良い食事、定期的な健康チェックで、愛犬との楽しい日々を守りましょう。