【獣医師が解説】猫の甲状腺機能亢進症:食べても痩せる高齢猫に多い病気の症状と治療法
導入文
愛猫が食欲はあるのにどんどん痩せていく…こんな経験はありませんか? この現象は猫の高齢化と共に見かけることが多い病気、「甲状腺機能亢進症」の可能性があります。この病気は、甲状腺の異常により体内の代謝が上がってしまい、食べても痩せてしまうという症状が現れます。
原因
甲状腺機能亢進症の主な原因は、甲状腺の腫瘍です。この腫瘍が何らかの原因で甲状腺ホルモンを過剰に分泌してしまうことが病気の始まりです。しかし、なぜ腫瘍ができるのかについては明確な理由はわかっていません。
主な症状
- 食欲旺盛にも関わらず、体重が減少する
- 体温が上昇し、常に元気すぎる
- 心臓の拍数が早く、呼吸も速い
- 飲水量と尿量が増える
- 便の量が増える
治療法と対応
甲状腺機能亢進症の治療法は大きく分けて3つです。薬物療法、手術、そして放射線療法です。それぞれメリット・デメリットがあり、猫の状態や飼い主さんの環境により選択します。
予防と日常ケア
甲状腺機能亢進症の予防方法は明確にはわかっていませんが、定期的な健康診断で早期発見することが大切です。また、食事管理も重要で、特に高齢猫の場合、栄養バランスの良い専用フードを与えることが推奨されます。
おすすめのフードとサプリメント
病気に配慮した食事とは、たんぱく質と脂質が豊富で、かつ消化しやすいものが良いとされています。また、サプリメントとしてはオメガ3系の脂肪酸が有効と言われています。
まとめ
甲状腺機能亢進症は、高齢猫に多い病気です。食欲はあるのに痩せてしまうといった症状があれば、早めに獣医師へ相談しましょう。そして、日常生活の中で愛猫の様子を観察し、異変を感じたらすぐに病院へ。早期発見が治療成功に繋がります。