【獣医師が解説】猫の甲状腺機能亢進症とは?
愛猫がいつも食事をしっかりと摂っているのに、なぜか体重が減ってしまう。そんな経験はありませんか?この症状、もしかすると猫の甲状腺機能亢進症の可能性があります。
甲状腺機能亢進症は猫に多く見られる病気で、特に高齢猫になると発症率が高まります。この記事では、その原因から症状、治療法、そして予防法まで、獣医師の視点から詳しく解説します。
猫の甲状腺機能亢進症の原因
猫の甲状腺機能亢進症は、甲状腺が過剰にホルモンを分泌することで引き起こされます。この原因として最も多いのが、甲状腺腺腫と呼ばれる良性の腫瘍です。また、遺伝的な要素や食事、環境因子も関与していると考えられています。
主な症状
甲状腺機能亢進症の症状は多岐にわたりますが、特に以下のような症状が現れることが多いです。
- 食欲増進:食事量が増えても体重が落ちる
- 過活動:落ち着きがなくなる、よく動き回る
- 下痢や嘔吐
- 多飲多尿
これらの症状が見られた場合、早めに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
治療法と対応
甲状腺機能亢進症の治療法は、病状や猫の体調によりますが、大きくは薬物療法、食事療法、手術、放射線治療の4つがあります。具体的な治療法については、獣医師と相談しながら決定します。
また、自宅でのケアとしては、定期的に体重のチェックや食事量の管理、適度な運動を心掛けることが大切です。
予防と日常ケア
甲状腺機能亢進症の予防法としては、定期的な健康診断が有効です。また、バランスのとれた食事や適度な運動も重要です。ヘルシーな体重を維持し、食事の管理を行うことで、甲状腺機能亢進症のリスクを減らすことが可能です。
おすすめのフードとサプリメント
甲状腺機能亢進症の猫には、低ヨウ素食がおすすめです。ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となるため、摂取を抑えることでホルモンの過剰分泌を防げます。
また、全体的な栄養バランスを考え、ビタミンやミネラルが豊富なサプリメントを併用することも考えましょう。
まとめ
猫の甲状腺機能亢進症は、早期発見・早期治療がとても重要な病気です。いつもの愛猫の様子をよく観察し、何か変わった様子があればすぐに獣医師に相談しましょう。