腎臓病の猫へのおやつ選び3つの基準
腎臓病の猫にとって、おやつは「ご褒美」としての側面を持つ一方、一日の総摂取量のなかで腎臓への負担につながる成分が増えるリスクもあります。おやつは毎日の総カロリーの10%以内を目安に、以下の3点を必ずチェックしてください。
低リン
リンはシーフード・乳製品・内臓類に多く含まれています。腎臓病の猫には、リン含有量が低い素材から作られたおやつを選ぶことが最重要です。パッケージに成分表示がある場合はリン含有量を必ず確認しましょう。
低タンパク(かつ高品質)
タンパク質の過剰摂取は老廃物産生を増加させ腎臓への負担を高めます。おやつで余分なタンパク質を摂取しないよう、ごく少量を与えることが基本です。また、使われているタンパク質は品質の高い素材のものを選びましょう。
無添加・シンプルな原材料
添加物・着色料・保存料・塩分が多いおやつは腎臓に余分な負担をかけます。原材料がシンプルで、余分な添加物が少ない製品を選ぶことが重要です。
腎臓病の猫に与えてはいけないおやつ
以下のおやつは腎臓への負担が大きく、病状を急速に悪化させる可能性があります。どれだけ猫が好んでも、診断後は与えないようにしてください。
- シーチキン・ツナ缶(市販品):リン・ナトリウムが非常に高く、腎臓に大きな負担
- かつお節・煮干し:リン・塩分が極めて高い。腎臓病の猫への最悪のおやつの一つ
- チーズ・乳製品:リン・ナトリウムが高く、また猫は乳糖不耐症も多い
- えびせん・魚介系おやつ(一般市販品):リン・塩分が高い加工品が多い
- 鶏・魚のジャーキー(塩分添加品):ナトリウム過多となり高血圧リスク増大
- 人間用のスナック菓子・加工食品:塩分・添加物が多く猫には不適
腎臓病の猫でも与えやすいおやつ
以下は比較的リスクが低く、少量であれば与えやすいおやつです。ただし与える前に必ず獣医師に確認し、量は極少量(1回あたり1〜2g程度)を守ってください。
- 腎臓病用の処方おやつ(動物病院で入手できるもの)
- 無添加・低塩分の鶏のゆで肉(少量)
- 腎臓ケア用に設計された市販キャットスナック(低リンのもの)
- フリーズドライの白身魚(低リン・低ナトリウムのもの、少量)
- 処方食と同じブランドの腎臓ケア用おやつ(ロイヤルカナン等)
おやつを与える際は、1日のリン・タンパク質・カロリーの総量に必ず組み込んで計算してください。「ほんの少しだから」という油断が積み重なると血中リン値を上昇させます。
おやつの適切な量と与え方
腎臓病の猫には基本的に「おやつをあげない」ことが理想的です。しかし投薬のため・食欲刺激のため・精神的なケアのためにおやつが必要なケースもあります。その場合は以下の原則を守ってください。
量の原則
一日の総摂取カロリーの5〜10%以内に収めます。ほとんどの成猫は1日200〜250kcal程度のため、おやつは最大でも10〜25kcal分が上限です。これは腎臓病用処方おやつ1〜2粒程度に相当します。
頻度の原則
おやつは毎日与えるものではなく、週2〜3回以内を目安にすることが望ましいです。習慣化すると猫がおやつを要求するようになり、与えすぎにつながります。
投薬補助としての利用
薬を飲ませるためのおやつとして利用する場合は、リスクの低いもの(腎臓用処方おやつ、少量の鶏ゆで肉など)に薬を包んで与える工夫をしてください。