ステージ2の診断基準
軽度〜中度の腎機能低下ステージ2は血中クレアチニン値が1.6〜2.8mg/dL(猫)、SDMAが18〜25μg/dL程度の範囲です。この段階では軽度の多飲多尿が見られ始めることがありますが、多くの猫ではまだ目立った症状がありません。このため「まだ大丈夫」と判断してしまうと、気づかないうちにステージ3へ進行するリスクがあります。
食事療法開始の目安
ステージ2は腎臓病用処方食または低リン食への切り替えを真剣に検討すべき段階です。研究によれば、ステージ2での食事管理を適切に行うことで生存期間が最大3倍程度延長するケースも報告されています。
リン制限の開始
血中リン値が正常範囲の上限に近づいている場合、低リン食への切り替えが推奨されます。フードのリン含有量(乾物換算)を0.5%以下を目標に管理しましょう。また、獣医師の判断でリン吸着剤の使用を開始するケースもあります。
タンパク質の適切な制限
過度なタンパク質制限は筋肉量低下を招くため、ステージ2では「高品質なタンパク質を適切な量で」が原則です。腎臓病用処方食はこのバランスが考慮されており、自己判断でタンパク質を極端に減らすことは避けてください。
フードの切り替え方
急激なフード変更は食欲低下・消化器障害を引き起こします。現在のフードと新しいフードを7〜14日かけて徐々に混ぜながら切り替えていきましょう。食べない場合は無理強いせず、獣医師に相談してください。
水分摂取量を増やす方法
ステージ2では水分補給が特に重要になります。腎臓の希釈能力が低下しているため、意識的に水分摂取量を増やすことで腎臓への負担を減らせます。
- ウェットフードへの切り替えまたは混合給餌(最も効果的な方法)
- 自動循環式給水器の設置(流水を好む猫が多い)
- 水飲み場を複数箇所に設ける(トイレから離れた場所に)
- ドライフードに水・ぬるま湯を足してふやかす
- ウェットフードにさらに水やチキンスープ(無塩)を加える
- 水の種類を試す(ミネラルウォーターより軟水や浄水を好む猫が多い)
3〜6ヶ月ごとの定期検査
ステージ2では3〜6ヶ月に一度の血液・尿検査が推奨されています。検査で確認すべき主な項目は以下の通りです。
- クレアチニン・SDMA・BUN(尿素窒素)
- リン・カルシウム・カリウム(電解質バランス)
- 血圧測定(高血圧の早期発見)
- 尿検査(尿比重・タンパク尿の有無)
- 体重・筋肉量(体重減少は悪化のサイン)
- 赤血球数・ヘマトクリット(腎性貧血の確認)