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【獣医師監修】重度歯周病の老犬には歯石除去とデンタルケアがオススメ!無麻酔の危険性についても解説

【獣医師監修】重度歯周病の老犬には歯石除去とデンタルケアがオススメ!無麻酔の危険性についても解説

 

✔︎ 老犬で歯周病が重度と言われたけど、どうしたらいいか分からない...
✔︎ 歯石除去と抜歯を病院で薦められたけど、麻酔が怖い...
✔︎ 老犬で歯磨きを嫌がるので、デンタルケアができず、将来が心配...
といったことはありませんか?

本記事を読めば分かる事

  • 重度歯周病への対策•治療法
  • 歯石除去の安全性
  • 老犬の適切なデンタルケア
  • 無麻酔歯石除去の危険性

老犬が重度な歯周病であった場合は、ご自宅でのデンタルケアを行ったとしても治療に限界があります。

そのため麻酔下での歯石除去を推奨されています。

麻酔という響きが怖く、歯石除去をやりたくないと仰る飼い主様は非常に多いですが、それは当然ですね。

麻酔は100%大丈夫ということはありませんが、無麻酔に比べればよっぽど安全です。

また、私の症例には歯石除去中に亡くなったワンちゃんはおらず、それはしっかりと術前検査を行う事と安全性の高い麻酔薬を使用しているためです。

重度歯周病は麻酔下での歯石除去や抜歯を行わないと完治は不可能であるケースがほとんどですので、必ず麻酔下での歯石除去を行いましょう。

私自身、獣医師として歯科治療を毎日行っており、愛犬のお悩みを抱える飼い主様に適切なデンタルケアをお伝えしております。
本記事では普段病院でお伝えしている事を詳しく解説しております。

犬の歯周病

犬の歯周病とは、細菌による歯肉や歯周組織の感染症で、未治療のまま放置すると重篤な病状を引き起こす可能性があります。

歯周病になってしまうのは、食事の残渣やプラークが歯に付着し、それが硬化して歯石となると、歯石の下の細菌が歯肉に感染を起こすからです。

実際の症例で、初期の歯周病を放置していた結果、歯石が大量に蓄積し、結果的に歯を抜かなければならない状態にまで悪化したケースがあります。

ですから、犬の歯周病は早期発見・早期治療が重要と言えます。

重度歯周病の症状

重度の歯周病の主な症状には、

  • 口臭
  • 歯石の蓄積
  • 歯肉の腫れや出血
  • 食事への関心の低下

などがあります。

これらの症状が見られる場合、犬は既に重度の歯周病に進行している可能性が高く、痛みを感じている可能性があります。

一例として、私のクリニックに来た老犬は、飼い主さんが口臭と食欲不振に気づいた時点で、すでに歯周病は重度に進行していました。

したがって、これらの症状が見られたらすぐに獣医師の診察を受けることをおすすめします。

具体的な歯周病の初期症状と末期症状を以下で解説します。

歯周病の初期症状

歯石によって歯の色が黄色く変わり、歯茎が腫れるのが初期の兆候です。

ポイント

状態が悪化すると、歯茎はさらに腫れ、膿が溜まり、出血や痛みが伴います。

口臭は強くなり、細菌が歯の根元に達すると、歯が抜ける可能性があります。

症状が進行すると、二次的な症状も出現します。

主に痛みが原因で食べる量が減少し、食べ残しが増えます。食事量が減ると、体重の低下や栄養不足が起こってしまうことがあります。

他にも鼻まで炎症が広がり、鼻炎になってしまうケースも少なくありません。

歯周病の末期症状(歯根膿瘍、口腔鼻腔、下顎骨折)

歯周病が進行すると、歯の根元周辺の骨が溶け、トンネルが形成されることがあります。

トンネルが皮膚へと開いた場合、そこから血液や膿が出てくることがあります。

この状態を歯根膿瘍と呼び、膿で頬が腫れていることに気づいて来院されるケースが多いです。

また、犬の口と鼻を隔てる骨は薄いため、歯周病によりその部分の骨が溶けてしまうと、トンネルの出口が鼻につながる可能性があります。

これを口腔鼻腔瘻と呼び、

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻血

がでてくることもあります。

その他にも、歯周病が重症化すると、下顎骨まで溶けて折れてしまう下顎骨骨折が起こりやすい状態となります。

重度歯周病によって引き起こされる病気

歯周病がひどくなると、病気がは口の中だけに止まりません。

歯周病によって細菌や体を害する毒素が血液に混ざり、体のいろんなところに行ってしまうことがあるんです。

人間でもそうなのですが、犬でも歯周病の毒素は心臓、肺、腎臓などに悪影響を与えます。

肺炎

例えば、歯周病が原因で細菌が肺に行き着いた場合、肺が炎症を起こして肺炎になることがあります。

肺炎になると、呼吸が難しくなるなどの厳しい症状が出ます。これは大変危険な状態なんです。

心内膜炎

同じように、歯周病で出た細菌が心臓に達して感染を起こすと、心臓の内側が炎症を起こす心内膜炎という病気になることもあります。

そうなると心臓の働きが悪くなり、心臓の機能を守る弁が壊れる可能性もあります。

心臓がうまく働かなくなると、心臓が止まる危険もあるし、血の塊を作る可能性もあるんです。

この病気は見つけにくくて、突然亡くなることがあるため原因が分からないこともあります。

糖尿病

その他にも、歯周病が炎症を長く起こすと、驚くべき事に糖尿病になることもあるんです。

糖尿病と歯周病を両方患っていると糖尿病は治療することが難しくなるケースがほとんどです。

重度歯周病の治療

重度の歯周病は、麻酔下での歯石除去や必要に応じて抜歯を行うことが通常の治療法となります。

歯石や感染した歯肉組織は自宅でのケアでは取り除けず、放置すると感染が全身に広がるリスクがあるからです。

過去に私が治療したワンちゃんでは、重度の歯周病を麻酔下での歯石除去と抜歯で治療したところ、その後の健康状態が劇的に改善しました。

そのため、重度の歯周病は麻酔下での治療が必要であり、飼い主の方には理解と協力をお願いします。

無麻酔歯石除去は逆に危険

無麻酔での歯石除去は逆に危険で、推奨されません。

無麻酔の状態では、犬が動いてしまう可能性があり、それにより器具による怪我を引き起こす恐れがあります。

よく聞く話としては、暴れて骨折したり、無麻酔歯石除去後から口の中を触らせてくれなくなったというケースがよくあります。

そのため、無麻酔での歯石除去はリスクが高く、避けるべきです。

重度歯周病のデンタルケア

麻酔下での歯石除去が何かしらの事情でどうしてもできない場合、自宅でのデンタルケアは重要です。

というのも、デンタルケアによって歯石の蓄積を防ぎ、新たな歯周病の進行を遅らせることができるからです。

ポイント

麻酔が困難な老犬でも、歯磨きガムや特殊な歯磨き粉で口腔ケアを続けた結果、症状の悪化を遅らせることができます。

そのため、麻酔下での治療が困難な場合でも、自宅でのデンタルケアを続けることが大切です。

具体的なデンタルケアについて以下でまとめています。

歯ブラシによるブラッシング

まず最も重要なデンタルケアは、毎日のブラッシングです。

犬専用の歯ブラシや歯磨き粉を使って、歯と歯茎の清掃を行います。

歯みがきのコツ

ここで注意するのは、強くこすりすぎないことです。歯茎を傷つけてしまうと、歯周病を悪化させてしまう可能性があります。

 獣医師おすすめの犬用歯磨き粉

歯磨き嫌いでも楽々ケア!ドクターデンタルワン

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愛犬が口にするものだからこそ、品質には妥協できませんよね?

ドクターデンタルワンは、人間が口にするものと同じレベルの品質、つまりヒューマングレードを目指して製造されています。

使用方法もシンプルで、食後などに清潔な指やガーゼに適量をとって、口腔内に塗布するだけ

直接なめさせたり、おもちゃに塗ったり、フードに混ぜたりと、様々な使い方が可能です。これなら歯磨きが苦手なわんちゃんでも抵抗なく使用できますね。

これからも愛犬のお口の健康を第一に考えるあなたに、ぜひドクターデンタルワンを試してみてください!

デンタルケア用ドッグフード

そして意外かもしれませんが、食事もデンタルケアの一つです。

歯周病ケアができる特別なデンタルケアフードがありますので、それらを使用すると良いでしょう。デンタルケアフードは歯石の付着を抑える効果があります。

 獣医師推奨のデンタルケアフード

カナガンデンタルドッグフード

愛犬のための最適なケアを考えるなら、まずは「カナガンデンタルドッグフード」を試してみませんか?このフードは、健康な歯と口腔環境を守るために、特許取得の成分とおいしさを追求したケア用フードです。

カナガンデンタルドッグフードには特許成分「プロデン・プラークオフ®」が含まれています。この成分は海藻を主成分としており、食事だけで歯の健康をサポートします。

また、タンパク源には平飼いのターキーを使用しており、その味わいには定評があります。

一見ケア用のフードと聞くと、「味が気になる…」と感じる飼い主様もいらっしゃるかもしれませんが、このフードならそんな心配はありません。

そして、カナガンが誇る「グレインフリー」(穀物不使用)の特長も。穀物を使用しない体に優しいフードは、肉食傾向のワンちゃんの消化にも優しく、安心して与えられます。

飼い主の皆様、愛犬の歯の健康を第一に考えるなら、ぜひカナガンデンタルドッグフードを試してみてください。私が獣医師として、そして愛犬家として自信を持って推奨するフードです。

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t/dは、歯垢の低減と共に、血流に乗って全身に広がる恐れのある口腔内のバクテリアを低減し、口腔および腎臓、心臓、肝臓等、全身の健康を維持します。

また、科学的に証明された抗酸化成分が健康をサポートし、免疫力を維持します。

水分補給

口腔内の乾燥を防ぐために、常に水分を補給することが大切です。

水分が足りないと、細菌が繁殖しやすくなるので、いつでも新鮮な水を与えるようにしましょう。

サプリメント

口臭が気になる場合は、口臭予防のためのサプリメントやおやつを与えることもおすすめです。ただし、あくまで補助的なもので、上記のケアが基本となります。

以上のケアを行うことで、老犬の歯周病の進行を遅らせることが可能です。また、病状が改善すると、食事の楽しみや生活の質が向上します。

愛犬のために、適切なデンタルケアを心掛けましょう。

まとめ

歯周病は犬の健康に大きな影響を及ぼす可能性があり、早期の対策と治療が重要です。

歯周病が進行すると犬の全身の健康に影響を及ぼす可能性があり、また、重度の場合は麻酔下での歯石除去や抜歯が必要になります。

軽度の場合は、毎日のデンタルケアで歯周病の進行を食い止める事ができますので、面倒ではありますが愛犬のお口の中を毎日チェックする癖をつけてみましょう!

  • この記事を書いた人
院長

院長

国公立獣医大学卒業→→都内1.5次診療へ勤務→動物病院の院長。臨床10年目の獣医師。 犬と猫の予防医療〜高度医療まで日々様々な診察を行っている。

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