愛犬が糖尿病と診断されたけど、元気でごはんもよく食べてるし、無治療でも大丈夫かしら?
犬の糖尿病は放っておくとケトアシドーシスという末期状態になるため、早期発見・治療が重要です。
糖尿病は初期状態では元気食欲がありますが、進行すると白内障や神経症状が出ることもあり、失明や命の危険があります。
早期発見・治療が重要なのはわかったけど、
ちゃんと治療を受けた糖尿病の犬の余命はどれくらいなの?
早期診断や適切なインスリン投与量での治療、食事や生活習慣の管理を行えば、その寿命はさらに延びることがあります。
実際に、多くの犬は糖尿病の診断を受けてから3~8年以上生きています。
糖尿病は、多飲多尿などの初期症状に注意し、適切な治療を行えば数年の余命ですが、治療が遅れると数日から数ヶ月で命を落とすこともあるのです。
糖尿病の症状の初期から末期(ケトアシドーシス)までの変化を正しく理解し、適切な対策を行えば寿命を延ばすことが可能です。
今回は獣医師監修のもと、糖尿病の症状や原因、寿命、オススメのフードや食事管理について詳しく解説します。
糖尿病の初期・末期症状
糖尿病は、血液中の血糖値を下げる働きのあるインスリンの質が低下したり、インスリン自体が分泌されなくなることで起こるホルモン病です。
インスリンの異常により、血糖値は常に高い値をキープするため、以下のような様々な症状が認められます。
糖尿病の初期症状
犬の糖尿病の初期症状は、多尿や多飲、食欲があるのに体重減少などが現れることが一般的です。
以下に挙げる初期症状に気付いた場合は、可能な限り早く糖尿病の検査を受けることをお勧めします。
過剰な水分摂取と尿量の増加
犬が通常よりも多くの水を摂取するようになった場合、または頻繁に排尿を行うようになった場合、これらは糖尿病の初期症状の一つである可能性があります。
これは血糖値が高いと、体は余分な糖分を排出しようとして水分を多く使い、その結果、多量の水を飲み、頻繁に排尿をするようになるためです。
体重減少と食欲の増加
犬が食欲を増すにもかかわらず体重を減ることも、糖尿病の初期症状の一つです。
高血糖が続くと、体は脂肪や筋肉をエネルギー源として使用します。これは体重の減少につながります。同時に、体は十分なエネルギーを得られないため、食欲が増すことがあります。
食欲の減退
逆に、食欲の減退も糖尿病の初期症状の一つです。
体が糖を適切に利用できないため、犬は食事に興味を失う可能性があります。
眼の混濁(白内障)
糖尿病の犬に見られる症状として、眼の混濁が挙げられます。これは糖尿病が引き起こす糖尿病性白内障の可能性があります。
感染症(皮膚炎、膀胱炎)
皮膚感染症や尿路感染症など、慢性的なまたは再発する感染症も、糖尿病の初期症状で起こる可能性があります。
糖尿病は免疫に影響を与え、感染症に対する抵抗力を低下させる可能性があるためです。
これらの症状が一つでも見られた場合は、すぐに獣医の診察を受けることをお勧めします。
早期に発見し、適切な治療を始めることが、犬の糖尿病を管理し、長く健康な生活を送るための鍵となります。
糖尿病の末期症状
糖尿病が進行すると、ケトン体と呼ばれる身体に悪い物質が大量に作られることで、糖尿病性ケトアシドーシスになります。
この状態に陥ると、脱水や電解質の不均衡、アシドーシスによる嘔吐、食欲不振、昏睡などの末期症状が現れることがあります。
この末期の段階では、果物が腐ったようなケトン臭の呼気やゆっくりと深いクスマール呼吸が観察されることもあります。
また削痩、筋肉量減少、重度脱水、艶の無い被毛、低体温などが現れることがあります。
さらに、猫の場合は後ろ足の蹠行(糖尿病性神経症の症状)などの糖尿病で特徴的な所見が見られることもあるでしょう。
犬の糖尿病の初期および末期の症状を見極め、適切な治療と管理を行うことが極めて重要です。愛犬の健康を守るために、注意深く観察しましょう。
糖尿病で後ろ足が震えるのはなぜ?
糖尿病の犬で後ろ足が震える原因は、神経障害や運動能力の低下によるものです。
犬の糖尿病は、体内のインスリンの働きが不十分で血糖値が上昇し、これが長期化するとさまざまな体の組織や臓器にダメージを与えます。
特に、犬の糖尿病性神経障害は神経組織に影響を及ぼし、運動神経の働きが低下します。
糖尿病性神経障害が原因で後ろ足の力が弱くなり、震えが起こります。
さらに進行すると、神経の働きが大きく低下し、歩行が困難になったり、最悪の場合、半身不随になることもあります。
糖尿病の犬で後ろ足が震えることに気付いた場合、すぐに適切な治療を始めることが重要です。
ケトアシドーシス(DKA)について
犬の糖尿病の末期状態である糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)は、インスリンの不足やインスリンが効きにくくなる抵抗性により、体の細胞がエネルギーとして糖を利用できなくなる病態です。
この状態では、犬の体は糖ではなく、脂肪をエネルギー源に変え、脂肪が分解されることでケトン体が過剰に生成されるため、血液のpHが酸性に傾くアシドーシスが発生します。
原因としては、長期間糖尿病が治療されず、高血糖が持続したり、糖尿病のコントロールが不安定である場合、DKAへと発展することがあります。
また、すでにインスリン療法を受けている犬であっても、
- 感染症
- 膵炎
- 心臓疾患
- 外傷
- 歯周病
- ストレス
- ホルモン病(クッシング症候群)
- 性別(未避妊の雌犬では2倍のリスク)
などが原因でインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる)が生じ、DKAを発症することがあります。
犬の糖尿病の原因
犬の糖尿病は、大部分がI型糖尿病であり、生涯インスリン治療を行う必要があります。I型とは免疫介在性で、膵臓のβ細胞が攻撃され破壊されることで、インスリンの分泌ができなくなってしまうことが原因です。
猫とは異なり、食事療法とインスリン療法の併用でインスリン治療から解放されることはほとんどありません。
遺伝的要素が犬の糖尿病の発病に大きく関与し、ミニチュア・シュナウザーやサモエドなど特定の犬種は他の犬種に比べて糖尿病になりやすいです。また、犬の糖尿病は年齢とともに罹患率が上昇し、特に中高齢犬(5-12歳)で発症しやすいため、注意が必要です。
Ⅱ型糖尿病とは
膵臓のインスリン分泌能力はまだ残っているが 十分に血糖値を下げることが出来ない状態、あるいは体の 組織がインスリンを十分に利用出来なくて,血糖値をコントロール出来ない状態です。
猫の糖尿病のほとんどはII型糖尿病で、肥満が原因とされており、初期治療は必ずインスリン療法が必要です。
ただしⅡ型糖尿病は寛解することもあります。
犬の糖尿病は完治するの?
残念なことに、犬の糖尿病は完全に治すことはできません。
糖尿病と診断された犬のほとんどは、一生インスリン注射が必要です。
ですが、雌犬の避妊手術やクッシング病の治療を行うことで、糖尿病をもっと上手に管理できるようになります。
糖尿病の診断について
犬の糖尿病の診断は、比較的簡単で、持続的な高血糖と尿糖の確認によって行われます。
多飲多尿や体重減少が見られる場合、糖尿病の疑いがあるため検査が必要です。
血液検査では高血糖が認められ、尿検査では尿糖が陽性になることが確認されます。これで糖尿病の診断ができる場合が多いですが、確定できない場合はフルクトサミン値を測定し、過去2週間の血糖値の平均値を調べます。
糖尿病が確認されたら、インスリン抵抗性の有無を調べるため、レントゲン検査やエコー検査で肝臓や副腎、膵臓、腎臓などを確認します。
糖尿病の余命・寿命〜治療しないという選択肢〜
犬の糖尿病は適切な治療を受けることで寿命が延び、充実した生活を送ることができます。
寿命については個々の状況により異なりますが、犬の糖尿病が進行し、腎不全や糖尿病性ケトアシドーシスが発症すると、命を落とすこともあります。特に神経症状が現れた場合は、余命が短いことがあります。
治療を受けない選択もありますが、糖尿病が自然に治ることはほとんどありません。
治療を受けない状態が続くと、確実に病状が進行し、最終的には命を落とすことになります。
ある報告では、治療を受けていない犬の糖尿病の余命は平均で約60日と言われています。
ですので、治療しないという選択肢はないでしょう。
一方、適切な治療を受けた犬の糖尿病の平均余命は約2年とされており、早期診断や適切なインスリン投与量での治療、食事や生活習慣の管理を行えば、その寿命はさらに延びることがあります。
実際に、多くの犬は糖尿病の診断を受けてから3~8年以上生きています。
治療を受けずに糖尿病を放置するという選択は、犬の生命を直接脅かすものであり、苦しみを増大させる可能性があります。
適切な治療により、糖尿病の犬でもより長く、より健康な生活を送ることが可能です。犬が糖尿病と診断された場合は、可能な限り早く獣医師と協力して治療計画を立てることを強く推奨します。
糖尿病の治療法
犬の糖尿病治療には、インスリン注射や食事療法による血糖値の管理と合併症の予防が重要です。
食事療法では、良質なタンパク質と食物繊維が豊富な療法食を与えることで、血糖値の急激な上昇を防ぎます。
また適度な運動も続けることで、血糖値を安定させる効果があります。
そして、犬の糖尿病ではインスリン注射が欠かせません。
食事療法と糖尿病に食べ物について
犬の糖尿病管理に最適なフードは、高タンパク質で低炭水化物、低~中程度の脂肪、そして中~高繊維を含むものです。
食物繊維の多い食事は血糖値の安定に役立ち、食後の血糖上昇を抑制します。
また、セミモイストフードは血糖値を上昇させる成分が含まれているため避けた方が良いでしょう。
嗜好性の高い食事を選ぶことが大切で、給餌は12時間隔で行い、新鮮な水をいつでも飲めるようにしておくことが重要です。
もし、フードの食いつきが悪い場合は、適切なタンパク質源として鶏肉、七面鳥、鴨、豚肉、牛肉、魚、筋肉肉、動物の臓器、大豆、穀物などが適しています。
十分な繊維量を含む食品はカボチャの缶詰、挽いた亜麻仁、リンゴ、レタス、昆布、ニンジン、インゲン、玄米、イチゴ、ブルーベリーなどがあります。
獣医師がオススメする糖尿病に良いドッグフード3選
それでは獣医師オススメの糖尿病対応のフードを以下で紹介していきます。
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】
獣医師オススメのフードは、和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】
です。
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】は、和漢を導入した特別療法食
和漢みらいのドッグフードって何がすごいの??
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】は、製薬会社が開発した高性能ドッグフードで、
- 89種類の和漢植物
- 鹿や魚
- 腸内環境を意識したマクロビ発酵素材配合
- オメガ3脂肪酸
- ファイトケミカル
など他のドッグフードには含まれていない愛犬の体に良い成分がたくさん配合されています。
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】には和漢を中心に、
鹿肉などの良質なタンパク質や腸内環境を意識したマクロビ発酵素材が使用されています。
和漢が配合されているだけでもすごいのに、
原材料にもコストをかけて とことんこだわって作られていますので
コスパが非常に高いヒューマングレードの療法食と言えるでしょう!
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】は、食いつきがとても良い
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】は療法食だし、和漢が入っているけど、美味しいの??
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】は原材料にもとことんこだわっているので、高品質なタンパク源を摂取できるだけでなく、
食いつきも非常に良いドッグフードですので、
あまり食べないわんちゃんにもオススメです!
上記の画像は、実際に和漢みらいのドッグフードを食べているワンちゃんです。
高品質な原材料を使用しているため、食いつきが非常に良く、ペレット状なので食べやすい設計になっています!
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】は糖尿病に愛犬に優しいドッグフード
また、和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】は糖尿病や白内障に特化した設計がされており、
にこだわったヒューマングレードで獣医師オススメの糖尿病・白内障用フードです!
和漢みらいのドッグフード(糖尿病・白内障用)は
素材にもこだわっているし、食いつきもとても良いのに
糖尿病にも配慮されたワンちゃんに優しい療法食なのね。
無添加で糖尿病に配慮された高品質なドッグフードで獣医師が最もオススメなものは、
和漢みらいのドッグフード【特別療法食(糖尿病・白内障用)】です。
糖コントロール
糖尿病用のおすすめドッグフードとして、ロイヤルカナンの糖コントロールがあります。
このフードでは、糖吸収速度の遅い大麦を炭水化物源として使用し、食後の血糖値の急激な上昇を抑える工夫がされています。
また、糖の吸収を緩やかにする食物繊維や犬の筋肉を健康に保つために、タンパク質が増強されています。
さらに、犬の自然な免疫力を維持しサポートするため、いくつかの抗酸化物質も含まれています。
このように、ロイヤルカナンの糖コントロールは、糖尿病の犬に適した栄養バランスが整ったドッグフードです。
ヒルズw/d
ヒルズw/dは、体重管理と繊維が必要な状態に配慮し、低脂肪・低カロリー高食物繊維に調整された糖尿病の愛犬にも与えることができる完全栄養食です。
低脂肪、低カロリー、可溶性繊維と不溶性繊維のバランス良く配合されており、科学的に証明された抗酸化成分も含まれています。
まとめ
犬の糖尿病は、インスリンの不足や働きが悪くなることが原因で発症します。
糖尿病の初期症状には、多飲多尿、多食、体重減少などがあります。末期にはケトアシドーシスと呼ばれる状態となり、命の危険性があります。
早期発見が重要で、血糖値の検査や尿検査が診断の鍵となります。
治療法には、インスリン注射や食事療法があり、適切なケアを行うことで犬の生活の質が維持できます。予防策として、適正な体重の維持や適度な運動が重要です。
愛犬の健康を守るために、糖尿病に関する知識を持ち、適切なケアを行いましょう。
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