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【獣医師監修|老猫の尿毒症】最期は苦しむことになるの?自宅でできること•末期症状・余命・回復する可能性について解説

【獣医師監修|老猫の尿毒症】最期は苦しむことになるの?自宅でできること•末期症状・余命・回復する可能性について解説

愛猫が腎臓病と診断されて、尿毒症になる可能性があると言われけど
尿毒症になったらどうなってしまうの?

尿毒症は、腎臓病を患うことにより
脱水症状が末期になることで、体内に有害物質が蓄積して発症する重篤な状態です。
尿毒症の程度にもよりますが、
尿毒症の末期になると通常、数日〜数週間後で亡くなってしまう事がほとんどです。

今回の記事では、獣医師監修のもと、猫の尿毒症に関する末期症状、余命、回復する可能性、自宅でできることについて詳しく説明してます。

本記事の情報を通じて、愛猫の健康を守り、尿毒症の進行を食い止める手助けができるようになりましょう。

尿毒症の原因

猫の尿毒症は、腎臓の機能が低下し、末期の腎臓病を患うことにより体内に有害物質が蓄積することで発症する重篤な病気です。

腎臓病はさまざまな要因が関与しており、

  • 細菌やウイルス感染による腎炎
  • 外傷や薬物中毒
  • 心不全やショックに伴う腎血流量の低下
  • 免疫疾患や尿路結石症による尿路閉塞

が原因となります。

腎臓は体内の老廃物や余分な水分を尿として排出する役割を担っていますが、機能が低下すると老廃物が体内に蓄積して急性腎不全や慢性腎臓病を引き起こします。

慢性腎臓病は犬の寿命が延びるにつれてよく見られる病気となり、末期症状である尿毒症が増えてきました。

そのまま腎臓病が進行すると、廃物や毒素が体内に過剰に残り、呼吸器や消化器、泌尿器、目、血液、神経、免疫など体全体に障害をもたらします。

尿毒症の末期症状と余命について

猫の尿毒症の末期症状は、

  • 活力の喪失
  • 食欲不振
  • 消化器系のトラブル(嘔吐、下痢、便秘)、
  • 体重の低下
  • 被毛の荒れ
  • 手足の腫れ
  • 貧血

などが挙げられます。

さらに重篤化すると、

  • けいれんや震え
  • 意識レベルの低下
  • 排尿困難
  • 呼吸の乱れ

が発生することがあります。

脳や神経系にダメージを与える毒素の影響を最小限に抑えるため、尿毒症や腎不全の兆候が現れた際には迅速に獣医に相談しましょう。

尿毒症は急速に進行するため、病状が悪化する前に早期対応が不可欠です。

末期症状が現れた場合、毒素の蓄積の早さにもよりますが通常、数日〜数週間後に死亡します。

尿毒症で大きな声で鳴き叫んだりるのはなぜ?
腎臓病で引き起こされる高血圧により、大きな声で叫ぶことがあります。
しかし、通常、水分摂取量の増加、排尿量の増加、食欲の低下など、他の症状が最初に現れます。
失明した場合の余命はどれくらい?

猫の慢性腎臓病において、失明の症状が出るのは主にステージ3から4にかけてです。

腎臓病が進行すると、二次性の高血圧が原因で網膜が損傷したり、剥がれたりすることがあり、これが失明を引き起こす主な原因となります。

ステージ3では、腎機能が著しく低下し、この段階での高血圧のリスクが増大します。失明のリスクも高まります。ステージ4では、腎臓の機能は大幅に低下しており、網膜の損傷や剥離、そして失明のリスクは非常に高まっています。

ステージ3および4において、適切な治療を受けている場合、余命は数ヶ月から数年となります。

また、高血圧が原因の失明は、降圧剤などの治療により部分的に視力が回復する場合もあります。

そして失明した場合でも、ご家族のサポートと対症療法により、生活の質は維持できます。

尿毒症末期の神経症状

尿毒症が進行すると、神経症状が現れることがあります。具体的には、

  • ふらつき
  • 手足の震え
  • 運動失調
  • 意識障害

などがおこります。

高齢猫の腎不全で食べない場合の余命は?

腎不全でご飯を全く食べてくれなくなったら、余命はどうなってしまうの?

食べない場合は腎臓病のステージ34に該当している可能性が高く、

そのまま食べない状態が続いてしまうと、余命は1ヶ月程度あるかどうかの危険な状態になります。

食べない場合の対処法としては
嗜好性の高い療法食の缶詰を人肌程度まで温めて与えてみてください。

それでも食べない場合は、食欲を増加させるミルタザピンと呼ばれる抗うつ剤での治療や液状のフードを強制給餌するなどといった事で対処できる事もあります。

しかしながら、それでも食べてくれないケースも多く、

その場合は、鼻からカテーテル(鼻カテーテル)を設置して強制給餌を行うなどといった積極的な治療を行うことまで考えないといけません。

腎臓病のステージ3と4の具体的な余命は?
ステージ3の腎臓病と診断された猫は800日近く、ステージ4の猫の予後は最悪で、生存期間の中央値はわずか1.16ヶ月(35日)と報告されています。

尿毒症の最期は痛くて苦しいの?

尿毒症の最期の時期には、意識障害や食欲喪失、嘔吐、排尿困難などが見られます。

苦しみや痛みを強く感じるというわけではなく、だるさを強く感じることになるでしょう。

ですが、急性腎不全の場合、背中を丸めたり、足がこわばったりすることがあり、これは腎臓に痛みを感じている証拠です。

通常、尿毒症は慢性腎臓病によるものですが、急性腎不全により尿毒症になってしまった場合は痛みを感じることはある可能性はあります。

腎不全の猫の亡くなり方

尿毒症を愛猫が患っている場合、どうしても最期にどうやって亡くなってしまうのか…が気になる飼い主様は多くいらっしゃると思います。

亡くなる数日前から基本的に、歩いたりすることはできず、寝たきりの状態になってしまいます。もしかすると、いつもと違う場所や飼い主さんの目につかないような場所で寝ることが増えるかもしれません。うんちやおしっこも寝たまま垂れ流すようにもなります。

だからといって、痛がって鳴きわめいたりすることはなく、亡くなる直前の猫はとても穏やかな様子です。

亡くなる直前になると、呼吸が非常にゆっくりになっていき、まばたきの回数も減り、目があまり見えなくなっていきます。

最期は、少しけいれんや発作のようなものが数秒起こるかもしれませんが、それで苦しんだりすることはありません

愛猫の最期を考えたくは決してありませんが、すごい苦しんだり、痛がったりすることはなく、安らかな最期を迎えることがほとんどということだけは頭の片隅に入れておいてください。

尿毒症の治療方法と回復の見込み

猫の尿毒症は、残念ながら完治が難しい状態ですが、適切な治療によって症状の緩和や余命を延ばすことが可能です。

尿毒症の治療は、主に体内に蓄積した老廃物を尿と一緒に排出することを目的としています。そのため、点滴などが行われます。

治療をザックリとまとめると

  • 脱水状態の補正(点滴)
  • 食事療法
  • 嘔吐への対症療法(セレニア)
  • カリウム調整
  • 高リン血症の治療
  • 高血圧対策
  • 貧血対策

など、多様な治療方法が尿毒症を含む末期症状の腎不全に対して行います。

ポイント

治療の中で特に重要なのは、脱水状態の補正や食事療法です。

尿毒症の猫には、適切な水分補給と塩分バランスの調整が必要です。

また、低タンパク質・低塩分の食事療法が、腎臓病の治療に欠かせません。

嘔吐に対する治療

嘔吐や吐き気が見られる場合には、吐き気止め(セレニア)が使用されます。

カリウムの調整

慢性腎臓病の猫では、体内カリウムのバランスが崩れることがあり、クエン酸カリウムの投与が行われることがあります。

高リン血症の治療

また、尿毒症・腎不全の猫では、リン制限食とリン吸着剤の投与が検討されることがあります。

高血圧への対策

さらに、高血圧が顕著なケースでは、アムロジピン(ノルバスク)やテルミサルタン(ノルバスク)などといった降圧薬が投与されることもあります。

貧血への対策

尿毒症の猫には貧血が見られることが多く、エリスロポエチン系の治療薬が投与されることがあります。

尿毒症の治療は症状の重さや進行具合によって異なりますので、適切な治療法やケアプランを立てることが、生活の質を向上させる上で重要です。

獣医師おすすめの腎臓病の療法食は?

【獣医師監修】和漢みらいの特別療法食(低たんぱく)

まず、オススメの療法食としてご紹介するのは『和漢みらいの特別療法食(低たんぱく)』です。

このフードは、漢方の知識を取り入れて設計されており、猫ちゃんの腎臓だけでなく、心臓や肝臓などといった様々な臓器の健康を全方位的にサポートします。

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獣医師オススメの腎臓ケアサプリメントは?

カリナールコンボは、7歳以上の愛犬や愛猫の腎臓の健康をしっかりと守るための究極の健康補助食品です。

これは「リン吸着」、「プレバイオティクス」、「プロバイオティクス」の3つの強力なアクションを組み合わせた革新的な製品で、カリナール®の新たな進化形です。

リン吸着により、必要以上のリンの吸収を抑えることができます。これは特に腎臓に負担をかけるリンの過剰摂取を防ぐために重要です。さらに、プレバイオティクスとプロバイオティクスが消化器系全体を助け、消化管内の窒素物質の管理を実現します。これにより、中高齢の愛犬や愛猫の腎臓の健康をしっかりとサポートします。

また、カリナールコンボと療養食と一緒に利用することで、さらに効果を高めることができます。

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プロラクト鉄タブ


プロラクト鉄タブは、愛犬や愛猫の健康を全力でサポートする犬猫専用のサプリメントです。鉄分、ビタミンB群、そして葉酸が適度に配合されています。これらの成分が相互に作用し、鉄分の吸収を最大限に引き出すのです。

しかも、鉄特有の風味を美味しい魚味が覆い、おいしさを高めています。これにより、ペットも喜んで摂取することができます。

さらに、ラクトフェリンの配合により、消化器系にも配慮されています。これにより、「お腹に優しく、美味しく、続けやすい鉄製品」に仕上がっています。

また、プロラクト鉄タブ腎臓病による貧血に対しても効果的です。腎臓病は貧血を引き起こす可能性がありますが、適度な鉄分補給により、これを予防・改善することが可能です。

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自宅でできることは何かある?

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末期の尿毒症になると、病院へ連れて行くことや毎日の投薬でさえも体力を消耗してしまいます。

そのため、愛猫に負担のかからないレベルで以下のような対策を行っていく必要があります。

ストレスを与えない

自宅で飼い主様ができることは、愛猫にストレスをかけないような環境作り(静かな環境で常に新鮮なフードや水を用意しておくなど)が重要となります。

投薬を中止する

また投薬を嫌がる日があれば、その日は投薬を中止し、愛猫に負担をかけないようにすることも考えなければなりません。

新鮮なフードや水の用意

フードや水も常に新鮮な物を用意し、フードは人肌にまで湯煎してあたためてあげて、体温が下がらないような工夫も行いましょう。

獣医師がオススメする液状のフード

猫用 腎臓サポート リキッド

猫用腎臓サポートリキッドは、愛猫の腎臓を気遣い、特別に調製された液体タイプの食事療法食です。このリキッドだけで充分なカロリーとビタミンなどの栄養をバランスよく摂ることが可能です!

猫用のリキッドタイプの療法食は猫用腎臓サポートリキッドしかないため、末期の腎不全や尿毒症の愛猫にはこれ一択といえます。

また、高消化性のタンパク質が配合され、リン含有量を低く抑えることで、腎臓病の管理をサポートします。

そして、カロリー密度を適切に調整しているため、食事量が少なくても必要なエネルギーをしっかり摂取できます。

特に、食欲が落ちてしまったり、歯肉口内炎で硬いものを食べる事ができない猫でも、液体なので飲みやすく、少量のリキッドで充分なカロリーを補給できます。また、末期の腎不全・尿毒症や自発的な摂食が難しい場合でも、

口からの強制給餌や鼻カテーテル(動物病院で設置してもらう必要あり)を通じてこのリキッドを飲ませることができます。リキッドタイプだからこそ、幅広い用途で使える優れた製品です。

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まとめ

この記事では、獣医師の監修のもと、老猫の尿毒症について詳しく解説しました。

尿毒症は、腎臓の機能低下により尿の生成と体内毒素の排除がうまく行わなくなった状態を示し、特に老猫に多く見られます。

自宅でできることとしては、まず猫の行動や体調の変化を密に観察し、異常が見られた場合はすぐに獣医師に相談することが重要です。また、食事内容の見直しや水分補給の確認など、生活習慣の管理も尿毒症の進行を遅らせる上で有効です。

最後に、尿毒症に対する最良の対策は、早期発見と早期治療です。

猫の健康管理を定期的に行い、獣医師との密接なコミュニケーションを保つことが、尿毒症の予防と管理には重要です。

腎臓に良い獣医師オススメのキャットフードはどれ?

腎臓に良いフードは市販でたくさん販売されているので、数が多すぎてどれが良いかわかりませんよね…

以下の記事で獣医師がオススメする腎臓に良いフードを紹介していますので、ぜひ参考にしてください!

【関連記事】

以下の記事で“腎臓病の予防法、食べて良いもの・いけない物“について総まとめしています。

  • この記事を書いた人
院長

院長

国公立獣医大学卒業→→都内1.5次診療へ勤務→動物病院の院長。臨床10年目の獣医師。 犬と猫の予防医療〜高度医療まで日々様々な診察を行っている。

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