IRISガイドライン準拠 | 獣医師監修

愛猫の慢性腎臓病
正しいごはんで進行を遅らせる

猫の慢性腎臓病は15歳以上で約30〜40%が罹患するほど一般的な疾患です。しかし正しいステージ判断と食事管理で、進行を大幅に遅らせることができます。獣医師監修の情報で今日からケアを始めましょう。

30%
15歳以上猫の
推定罹患率
3
食事管理による
生存期間の延長
4
IRISが定める
ステージ数
このページでわかること
ステージ1〜4の症状・管理方針の違い
猫専用フードの選び方(リン・タンパク質管理)
水分補給・ウェットフードへの切り替え方
病院での検査値(クレアチニン)の見方
やってはいけないNGケアと正しい対処法

猫の慢性腎臓病は犬と異なり、タンパク質の過度な制限は禁物です。筋肉量を維持しながらリン・ナトリウムを下げる「猫向け腎臓食」の選び方が予後を左右します。

まずステージを確認する

IRISガイドラインに基づく慢性腎臓病4段階分類。担当医から告げられたステージ、またはクレアチニン値(Cre)を参考に確認してください。猫は犬よりステージ1の基準値がやや高めに設定されています。

ステージ1
早期・軽微
Cre < 1.6 mg/dL
腎機能低下は軽度。症状はほぼなし。定期検査と食事管理で進行抑制。
ステージ2
軽度低下
Cre 1.6〜2.8 mg/dL
わずかな多飲多尿が見られることも。腎臓食への切り替えを推奨。
ステージ3
中等度低下
Cre 2.9〜5.0 mg/dL
食欲低下・体重減少が顕著に。点滴・投薬と食事管理の並行が重要。
ステージ4
重度低下
Cre > 5.0 mg/dL
嘔吐・脱水・虚脱が続く状態。食べられる量・好みを最優先にした緩和ケア。
クレアチニン値について:クレアチニン(Cre)は腎臓が老廃物を排出できているかを示す血液検査値です。数値が高いほど腎機能が低下していることを意味します。最新のIRISガイドライン(2023年版)では、SDMAという新しい指標もあわせて評価が推奨されています。

なぜ猫は腎臓病になりやすいのか

15歳以上の猫の約30〜40%が慢性腎臓病を経験するといわれています。その背景には猫特有の生理的特性があります。

水をほとんど飲まない習性
猫は砂漠を起源とする動物で、食べ物から水分を得るよう進化しました。慢性的な水分不足が腎臓に長期的なダメージを与えます。
絶対的肉食動物の宿命
猫は必須栄養素をタンパク質から得ます。このため腎臓への負担が犬より大きく、加齢とともにダメージが蓄積されやすい体質です。
高血圧・糖尿病との関連
高齢猫に多い高血圧・甲状腺機能亢進症・糖尿病は腎臓病を進行させる要因。複数疾患を並行管理することが慢性腎臓病のケアには不可欠です。
症状が出るまでが遅すぎる
腎機能の75%以上が失われるまで明確な症状が出ないことが多く、多飲多尿・体重減少のサインが出た時点ですでにステージ2〜3というケースが多いです。

猫の慢性腎臓病ケアで押さえる3つのポイント

食事管理・水分補給・定期検査の3つが、進行を遅らせるカギです。

01
ウェットフードへの切り替え
猫は水をほとんど飲まないため、ウェットフードで水分を補うことが最重要対策です。水分摂取量が増えることで腎臓への負担が大幅に軽減されます。ドライフードのみの場合は早急な見直しを。
02
タンパク質は制限しすぎない
猫は絶対的肉食動物でタンパク質でエネルギーを得ます。過度な制限は筋肉量低下(サルコペニア)を招きます。IRIS推奨はステージ2でも適度なタンパク質を維持しながらリン制限を行うことが基本です。
03
リン含有量を徹底管理する
リン(P)の過剰摂取は腎臓の線維化を加速させます。ステージ2以降は食事中のリン量を乾物換算0.5%以下に抑えることが推奨されています。フード選びの最重要指標です。

猫の腎臓病フード、選び方の基準

「腎臓病用」と書いてあるフードでも、猫と犬では選び方が大きく異なります。以下の3基準で選ぶことで、愛猫の体質に合ったフード選びができます。

基準 01
リン含有量が低いこと
乾物換算でリン0.5%以下が目安。リンを多く含む食材(骨・内臓・乳製品)が主原料のフードは避けましょう。製品の成分表でリン量を必ず確認してください。
基準 02
適度なタンパク質を維持
猫はタンパク質を制限しすぎると筋肉量が低下します。乾物換算で28〜35%程度のタンパク質を維持しつつ、リンだけを制限した製品を選ぶのが理想です。
基準 03
ウェットタイプを優先
水分含有量が70〜80%のウェットフードは、猫の水分補給に最も効果的です。食欲が落ちている場合は、嗜好性の高いウェットフードから始めましょう。
基準 04
ナトリウムの低減
高血圧を合併している場合、ナトリウム制限も重要です。乾物換算0.3%以下のフードを選ぶことで、血圧コントロールをサポートできます。
基準 05
カロリー密度が高いこと
ステージ3以降は食欲低下が顕著になります。少量でも必要カロリーを摂れるよう、エネルギー密度の高いフードを選ぶことが体重維持につながります。
基準 06
オメガ3脂肪酸の添加
EPA・DHAなどのオメガ3脂肪酸は腎臓の炎症を抑制する効果が期待されています。魚油由来のEPA/DHAが配合されたフードが理想的です。
猫の腎臓病に関するさらに詳しい記事はこちら
フードの比較・症状のチェック・検査値の見方など、獣医師監修の詳細解説記事をサイト内に掲載しています。
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よくある質問

IRISガイドラインではステージ2以降で腎臓食への切り替えが推奨されています。急な変更は食欲低下を招くため、1〜2週間かけて少しずつ切り替えましょう。まずは担当獣医師に相談してください。
水分補給の観点からはウェットフードが最適です。ドライとの併用も可能ですが、腎臓病用のドライフードを選びリン含有量に注意してください。水分摂取量を増やすため、常に新鮮な水も用意しておきましょう。
食欲低下はステージ3以降でよく見られる症状です。まず嗜好性の高いウェットフードを試し、それでも改善しない場合はすぐに獣医師へ相談してください。食べない時間が長く続くと急速に体力が低下します。強制給餌が必要なケースもあります。
処方食は腎臓病の猫向けにリン・ナトリウムを厳密にコントロールした製品です。市販の腎臓病用フードと比べ成分管理が精密です。ただし価格が高くなるため、獣医師と相談しながらステージに応じた選択をしましょう。
慢性腎臓病は現在の医学では完治が難しい進行性疾患です。ただし、ステージ2〜3で適切な食事管理と補液を行うことで進行を大きく遅らせQOLを維持することは十分可能です。余命は個体差が大きいため、担当獣医師と定期的に相談しながらケアを続けることが最重要です。
ステージ3以降では自宅での皮下点滴(輸液)を獣医師から勧められることがあります。脱水を防ぎ、老廃物の排出を助けるため、腎臓への負担を減らす効果があります。方法は獣医師から必ず指導を受けてから行ってください。
30〜40%
15歳以上猫の
慢性腎臓病推定罹患率
3
食事管理群の
ステージ2生存期間延長
75%
症状が出始める
腎機能低下の閾値
4
IRISが定める
慢性腎臓病ステージ数

※ IRISガイドライン2023年版・各種査読済み文献に基づく情報です。個々の診断・治療は必ず担当獣医師にご相談ください。

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