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【犬の外耳炎|マラセチアの画像あり】耳の中が脂っぽい•赤い・後ろ足でかく場合の治療法、耳掃除のやり方ついて獣医師が解説

【犬の外耳炎|マラセチアの画像あり】耳の中が脂っぽい•赤い・後ろ足でかく場合の治療法、耳掃除のやり方ついて獣医師が解説

暑くなってきて、後ろ足でよく耳を痒がる、耳が赤い、耳がカビ臭くてドロっとした耳垢が出てくるといったことありませんか?

もしかすると、愛犬は外耳炎を発症しているかもしれません。

外耳炎は犬の中で最も多い皮膚病であり、慢性化してしまうと中耳炎・内耳炎や耳が聞こえなくなったり、耳道切除術という外科手術によって耳を切除することもある皮膚病です。

今回は繰り返しやすい皮膚病である外耳炎について獣医師が解説します!

外耳炎の症状

外耳炎の症状
  • 耳をかゆがる
  • 耳が赤い 
  • 頭を振る
  • 膿のような黄色っぽい耳垢が出る
  • 耳がカビ臭い
  • 耳を壁や地面に擦り付ける
  • 首をかしげる(斜頸)
  • 音への反応が悪くなる
  • 目が左右に揺れる(眼振)
  • 腫れて耳の穴が見えなくなる
  • 耳血腫
  • 耳を触ると怒る

初期症状としては耳が赤くなったり、耳を痒がる等といった症状が出ますが、

外耳炎がひどくなると、耳の穴が見えなくなり、耳道が閉じることで音への反応が鈍くなってしまいます。

また耳の奥の中耳や内耳といった場所まで炎症が広がると、中耳炎内耳炎を引き起こします。

外耳炎による痒みは、犬の生活の質大きく下げてしまうため、軽度のものであっても早急に治療してあげることが重要です。

犬の外耳炎はどのくらいで治りますか?

ほとんどの場合、2~4週間で治ります。

しかしながら、慢性化した外耳炎では治癒に数ヶ月を要することもあり、場合によっては半永久的に治療を続けなければならないこともあります。

外耳炎は治療せず放置してもいい?

外耳炎を放置すると、炎症はどんどん耳の奥まで広がっていき、中耳炎を引き起こす可能性があるため危険です。

中耳炎になってしまうと、斜頚と呼ばれる常に頭を左右どちらかに傾ける症状やぐるぐると回転しながら歩く旋回運動が認められます。

そればかりではなく、長い間外耳炎を放置してしまうと、いざ治療を始めても炎症が慢性化しているため治りが悪く、完治は困難になります。

外耳炎の原因

外耳炎の原因

犬の外耳炎は

などといった疾患が原因となり、耳の自浄作用が低下してしまうことで発症する事がほとんどです。

耳には本来、自浄作用と呼ばれる耳の奥の汚れを外側に押し出す機能が備わっています。ですが、様々な疾患によりその機能が低下してしまい、耳垢が貯まることにより細菌やカビなどといった病原体が増殖してしまうのです。

また外耳炎が起こると、免疫に関わる耳のバリア機能が低下してしまうため、繰り返す慢性の外耳炎になってしまうことが多いです。

その他の原因としては、耳ダニなどの寄生虫や植物の種子などの異物などによって外耳炎が引き起こされます。

ほとんどの場合、外耳炎が単独で起こる事はありません。 

以下で外耳炎の原因の詳細について解説します。

寄生虫の感染

ミミヒゼンダニは外耳炎の原因として有名で、強い痒みを伴います。黒や茶褐色の耳垢が目立つことが特徴です。

異物の侵入

散歩中などに耳の中に植物の種や他の異物が入ることがあります。物理的な刺激により、外耳炎が発症することがあります。

アレルギー反応

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなど、アレルギーを持つ犬は外耳炎になりやすいです。その原因は、皮膚のバリア機能が低下し、感染が起こりやすくなるためです。

クッシング症候群

クッシング症候群は、副腎皮質ホルモンの過剰分泌によって引き起こされます。

このホルモンの増加は、皮膚のバリア機能を低下させ、感染を引き起こしやすくします。その結果、細菌や真菌が耳道内で増殖しやすくなり、外耳炎のリスクが高まります。

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの不足は、代謝や免疫力の低下や低体温を引き起こします。

甲状腺機能低下症は皮膚の免疫にも影響し、特に耳が乾燥しやすくなったり、外耳炎が起こりやすくなります。

その他の原因

狭い外耳道を持つ犬や、不適切な耳掃除、高温多湿な環境なども外耳炎を悪化させる要因として考えられます。

外耳炎の好発犬種

外耳炎の好発犬種

以下のような犬種は外耳炎を引き起こしやすいです。

  • パグ、フレンチブルドックなどといった耳道が狭い短頭種
  • コッカースパニエル、ダックスフンド、キャバリア、ゴールデンレトリバーなどといった耳が垂れている犬種
  • トイプードルやシーズーなどの耳毛が多い犬種

また耳が蒸れやすい高温体質である梅雨や夏といった季節では、外耳炎が起こりやすい傾向にあります。

外耳炎は痛いの?

外耳炎は、強い痛みやかゆみを伴うことがあります。

特に、急性の外耳炎は突然発症して急速に重症化し、非常に痛みを伴うようになります。その痛みによって日常生活や睡眠に支障をきたすこともあります。

外耳炎の診断

外耳炎の診断(マラセチア画像)
マラセチアの画像(だるま状の球体)

外耳炎の診断は、耳の痒みや赤みなどといった発症している皮膚症状や過去の既往歴などを参考に診断します。

検査としては耳垢の細胞診により、ブドウ球菌やマラセチアといった病原体を確認したり、細菌培養検査や必要に応じてオトスコープ検査やMRI検査といった精密検査を行います。

外耳炎の治療

外耳炎の治療

外耳炎の治療は、耳の洗浄炎症止めの点耳薬を使うことが多いです。

しっかり耳を洗浄した後に、炎症止めの点耳薬を使用することが重要です、耳が汚い状態で点耳薬を入れても充分な効果を示しません。

一方、慢性的な重度の外耳炎を引き起こしている場合は、そもそも耳が腫れ耳の穴が見えなくなっているので、ステロイドを飲み、耳の穴を開かせます。1週間程度ステロイドを投薬した後、耳の洗浄と炎症止めの点耳薬などを使用します。

感染が重度であれば、抗菌剤も使用することがありますが、基本的には洗浄と点耳薬で充分です。また外耳炎が治ったとしても、しばらくは病院やおうちで耳を掃除する必要があります。

獣医師が使用するオススメのイヤークリーナー

以下に獣医師が普段病院で使用しているイヤークリーナーをご紹介します。

イヤークリーナーを選ぶ基準としては、洗浄力と刺激性が重要です。多くのクリーナーは洗浄力が弱い、あるいは洗浄力は強いが刺激が強いことがほとんどです。

以下でご紹介するクリーナーは、洗浄力はあるのに耳にとても優しい低刺激な製品となっており、大変オススメです。

今耳掃除で使用しているクリーナーと使い比べてみると一目瞭然、効果を実感できるはずです。

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●皮膚科学の最先端技術“ペプチドテクノロジー”採用。
●グリコテクノロジー採用で、かゆみを伴う皮フの炎症と細菌、真菌の定着を抑制。耳垢や分泌物などで汚れた耳を優しく洗浄します。
●犬・猫のシャンプー後や定期的な耳のケアー、外耳炎治療前・後の耳のケアーとしても使用できます。非アルコール性で低刺激性の耳洗浄液です。

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●これ1本で、点耳役入らず!ステロイドや抗生物質を含有していないので、耐性菌出現の心配がなく、長期的に使用する場合も安心です。
●通常は事前洗浄をおこなってから投薬と2段階のステップが必要ですが、本商品は耳垢が存在している耳道に直接入れてマッサージするだけです。

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犬の耳掃除の正しいやり方

以下にイヤークリーナーを使用した正しい耳掃除のやり方をご紹介します。

ステップ1

まず耳垢を事前に綿棒などで除去する必要ありません。

その代わり、汚れている耳道に直接イヤークリーナーをたっぷり入れます。

ステップ2

次に、外耳道にたっぷりとイヤークリーナーが満ちているのを確認したら、耳の根本をやさしく揉んでください。

このとき、ジャブジャブという音がするまで耳をマッサージすることで、イヤークリーナーが耳の隅々まで行き渡ります。

ステップ3

そしてその後に、耳道内の液は拭き取らないでください。愛犬が耳をブルブルして、外に出てきた液や汚れのみを拭き取るようにしてください。

そして、イヤークリーナーの使用頻度についてですが、外耳炎の犬は1日1回を欠かさず毎日続けることが推奨されています。

使用期間としては、約14日間が基本です。しかし、更に継続が必要な場合は、1~2ヶ月間続けた方がよいでしょう。治療を終えれば、週に1~2回の使用で十分です。

外耳炎が治っても、すぐに繰り返してしまう時は?

外耳炎が治っても数週間経つと、また外耳炎が起こる事もあります。

その場合は基礎疾患の治療がうまくいってない可能性がありますので、そちらも徹底して行う必要があります。

また耳ダニなどの寄生虫がいる場合には耳の洗浄や点耳薬などでは治らないため、専用の駆虫剤を使用する必要があります。

外耳炎の予防

外耳炎の予防

外耳炎を予防するためには、耳を清潔にすることが重要です。コットンに洗浄液をたっぷりとつけ、耳の奥まで突っ込まず見える範囲で耳垢を拭き取ります

綿棒を使用したり、ゴシゴシ拭くことは耳の粘膜を傷つけてしまい、炎症を引き起こしかねませんので、やめておきましょう。

耳の洗浄がお家で難しい場合には、病院でしっかりと洗浄してもらう必要があります。

外耳炎の既往歴がある場合には、耳の洗浄を週2回から3回程度行うと良いでしょう。

まとめ

【外耳炎】犬の耳が脂っぽくてカビ臭い・赤い・かゆがるのは皮膚病??獣医師が解説

痒みを放っておいたり、基礎疾患の治療がうまくいかないと慢性外耳炎になり、中耳炎・内耳炎さらには斜頸・眼振・難聴などといった症状を引き起こしてしまいます。

最近になって耳をよく痒がったり、後ろ足でよく掻く仕草があるなど痒みのサインがある場合には、飼い主様が気づいてあげることが重要です。

日ごろから臭いや赤みがないかなどを耳をチェックすることも早期発見には重要です。

  • この記事を書いた人
院長

院長

国公立獣医大学卒業→→都内1.5次診療へ勤務→動物病院の院長。臨床10年目の獣医師。 犬と猫の予防医療〜高度医療まで日々様々な診察を行っている。

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