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犬の糖尿病

【獣医師監修】犬の糖尿病の治療法と費用|インスリン療法・通院・入院の実態

犬の糖尿病は、診断後も生涯にわたるインスリン治療が必要です。インスリン代だけで月2〜3万円かかることが多く、経済的な備えが欠かせません。この記事では治療法の選択肢、通院・入院の実態、費用の目安、ペット保険の活用法まで獣医師監修のもと詳しく解説します。

犬の糖尿病治療の基本方針

犬の糖尿病は現時点では根治療法がなく、血糖値を適切な範囲に維持しながら生活の質を保つことが治療目標です。主な治療の柱は以下の3つです。

  1. インスリン療法:インスリン注射で血糖値を調節する。ほとんどの犬で生涯継続が必要
  2. 食事療法:高繊維・低脂肪の療法食で血糖値の急上昇を抑える
  3. 定期的なモニタリング:血糖値・体重・症状を定期的に確認する

インスリン療法の種類と選び方

犬に使用される主なインスリン製剤は以下の通りです。

製剤名作用時間投与頻度特徴
プロジンク中間〜長時間型1日1〜2回犬猫専用インスリン。初回推奨量は体重1kgあたり0.5〜1.0単位
NPHインスリン中間型1日2回以前から広く使われており、比較的安価
レンテインスリン中間型1日2回日本でよく使用される製剤

どの製剤が最適かは個体差があります。獣医師による初回の血糖値曲線(グルコースカーブ)検査で個々に適した投与量と頻度を決定します。詳しいインスリン投与方法については犬のインスリン投与の量と頻度をご参照ください。

治療の流れ:診断から安定管理まで

第1段階:入院または集中通院(1〜2週間)

糖尿病性ケトアシドーシスなどの重症例では入院が必要です。静脈点滴によるインスリン投与と電解質補正が行われます。入院費は1日1万〜3万円程度で、1〜2週間の入院では10〜30万円に達することもあります。

第2段階:インスリン量の調整(1〜3ヶ月)

外来で血糖値曲線検査(1日かけて複数回血糖値を測定)を行い、最適なインスリン投与量を見つけます。1回の血糖値曲線検査には5,000〜15,000円程度かかることが多いです。

第3段階:長期管理(生涯継続)

血糖値が安定したら、1〜3ヶ月に1回の定期通院に移行します。通院1回あたりの費用は検査内容によって異なりますが、5,000〜15,000円程度が目安です。

費用の目安:月額・年額の試算

項目費用目安
インスリン製剤(月)3,000〜8,000円
注射器・針(月)1,000〜2,000円
療法食(月)8,000〜15,000円
定期通院(月換算)5,000〜10,000円
月額合計の目安2〜3万円程度
年間合計の目安25〜40万円程度

ただしインスリン調整が難航する場合や合併症が生じた場合は、さらに費用が増えることがあります。血糖値の安定した管理については犬の糖尿病の血糖値管理も参考にしてください。

入院が必要なケースと入院費

以下の場合は入院が必要になることがあります。

  • 糖尿病性ケトアシドーシス(嘔吐・ぐったり・アセトン臭)
  • 初回診断時の重症高血糖(血糖値600mg/dL超など)
  • 低血糖発作(意識障害・けいれん)
  • 合併症による体調悪化

緊急入院時の費用は状態により大きく変わりますが、1回の入院で10〜30万円以上かかるケースも珍しくありません。

ペット保険は糖尿病治療に使えるか

ペット保険の多くは「既往症・先天性疾患」を補償対象外としていますが、加入後に発症した糖尿病については補償対象となる保険が多いです。ただし以下の点に注意が必要です。

  • 待期期間:加入後30〜60日は補償対象外の保険が多い
  • 慢性疾患の継続補償:毎年更新時に補償対象外になる保険もある
  • 年間補償限度額:糖尿病の年間医療費が限度額を超えることがある

加入を検討する場合は、慢性疾患の継続補償に対応した保険を選ぶことが重要です。

食事療法のコスト管理

糖尿病用療法食は市販フードより高価ですが、血糖値管理に直結するため削減しにくい費用です。ロイヤルカナンやヒルズから処方食が提供されており、動物病院を通じて購入します。療法食の選び方については犬の糖尿病おすすめ療法食5選で詳しく紹介しています。

費用を抑えながら管理するためには、自宅での血糖値モニタリングを取り入れ、不必要な通院を減らすことも有効です。

愛犬の療法食選びにお悩みの飼い主様は、おすすめ療法食ランキングもあわせてご確認ください。

よくある質問

  • この記事を書いた人
院長

院長

国公立獣医大学卒業→→都内1.5次診療へ勤務→動物病院の院長。臨床10年目の獣医師。 犬と猫の予防医療〜高度医療まで日々様々な診察を行っている。

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