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犬の糖尿病

【獣医師監修】犬のインスリン投与の量と頻度|自宅注射の手順と注意点

犬の糖尿病では、インスリン注射が生涯続く治療の中心です。初回投与量の目安は体重1kgあたり0.5〜1.0単位ですが、個体差が大きく獣医師の指示が不可欠です。この記事では投与量の決め方、注射の手順、低血糖への対処まで獣医師監修のもと詳しく解説します。

犬のインスリン投与の基本

犬の糖尿病治療に使用されるインスリンは皮下注射です。通常1日2回、朝食・夕食前後に投与します。自宅での注射は多くの飼い主様が習得でき、動物病院でのトレーニングを受ければ安全に実施可能です。

インスリン投与量の決め方

初回投与量の目安

初回推奨投与量は使用するインスリン製剤によって異なります。プロジンクの場合、体重1kgあたり0.5〜1.0単位・1日1〜2回が初回の推奨量です。一般的な目安として体重1kgあたり0.4〜0.8単位の範囲で開始することが多いです。

血糖値曲線による調整

初回投与後は血糖値曲線検査(グルコースカーブ)を行います。投与後2時間ごとに血糖値を測定し、以下の点を確認します。

  • 最低血糖値(ナディア):80mg/dL以上を維持できているか
  • 作用持続時間:次回投与まで効果が続いているか
  • 投与前血糖値:次回投与前に200〜300mg/dL程度に戻っているか

血糖値の目標範囲については犬の糖尿病の血糖値管理で詳しく解説しています。

小型犬への注意

小型犬や猫では0.5単位の違いで血糖値が大きく変動します。増量・減量は獣医師の指示に従い、自己判断で変更しないことが重要です。

自宅でのインスリン注射の手順

必要なもの

  • 処方されたインスリン製剤
  • インスリン専用注射器(単位数が合ったもの)
  • アルコール綿
  • 廃棄容器(針捨てボックス)

注射の手順

  1. インスリンを冷蔵庫から出し、室温になじませる(5〜10分)
  2. プロジンクなど懸濁インスリンは使用前に穏やかに転倒混和する(振り混ぜない)
  3. 処方された単位数を注射器に吸い取る
  4. 愛犬を落ち着いた状態にし、首の後ろや肩甲骨の間の皮膚をつまむ
  5. つまんだ皮膚の基部に針を45〜90度で刺す
  6. ゆっくりと薬液を注入し、針を抜く
  7. 使用済みの針は廃棄容器に入れ、医療廃棄物として処理する

注射部位は毎回少しずつずらすことで、皮膚の硬化や吸収低下を防ぎます。

インスリン保管方法

  • 未開封:冷蔵保存(2〜8℃)
  • 開封後:冷蔵保存し、多くの製剤では28〜30日以内に使い切る
  • 凍結・直射日光・高温は避ける
  • 使用前に変色や浮遊物がないか確認する

低血糖:最も危険な副作用

インスリン過多または食事不足によって血糖値が80mg/dL以下に低下すると低血糖を起こします。以下の症状が現れたら直ちに対処してください。

低血糖の症状

  • ぐったりする・力が入らない
  • ふらつき・協調運動障害
  • けいれん・意識消失
  • 急に不安そうな行動・鳴き声

低血糖への対処法

  1. 意識がある場合:口の粘膜にハチミツまたはガムシロップを少量塗り付ける
  2. 意識がない場合:何も飲み込ませず、直ちに動物病院に連絡して搬送する
  3. 処置後は必ず獣医師に報告し、インスリン量の見直しを受ける

低血糖は命に関わる緊急事態です。インスリン量を自己判断で増量しないことが予防の基本です。

インスリン投与をスキップした場合

うっかり投与を忘れた場合は、次回の投与まで待ち、通常通りの量を投与します。忘れた分を補おうとして2倍量を投与することは低血糖の危険があるため行わないでください。また、食事を食べなかった場合もインスリン投与をスキップし、獣医師に相談してください。

食事とインスリンの関係については犬の糖尿病に良い食事・フード選びも参考にしてください。また犬の糖尿病の症状チェックリストで低血糖・高血糖の見分け方も確認できます。

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よくある質問

  • この記事を書いた人
院長

院長

国公立獣医大学卒業→→都内1.5次診療へ勤務→動物病院の院長。臨床10年目の獣医師。 犬と猫の予防医療〜高度医療まで日々様々な診察を行っている。

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