腎臓病の愛犬が食べいいものといけないものがある事をご存知でしょうか??
食べてはいけないものを食べてしまっている場合には、腎臓病が悪化してしまう危険があります!
本記事では腎臓病での食事について詳しく獣医師とペット栄養管理士が解説しています!
本記事で分かること
- 腎臓の役割
- 腎臓病の初期〜末期症状
- 腎臓病のステージと治療法
- 腎臓に良い食べ物と食べてはいけない食べ物
- 獣医師オススメの無添加で腎臓に良いフード
腎臓病は、「無言の病」とも呼ばれ、初期段階だと症状がほとんど現れないおそろしい病気ですが、進行すると尿毒症と呼ばれる状態になり、痙攣や昏睡といった末期症状を引き起こします。
そして、失われた腎機能を取り戻すことはできませんので、腎臓病はなるべく悪化させず、早期発見・治療することが重要です。
そのためには食事療法が非常に重要となってきます。
食事療法では腎臓に負担をかける食品を避け、負担をかけない食品を与える必要があります。
腎臓に負担をかけない食事は、何に気をつけて選べばいいの??
具体的には、食事を選択する際に、含まれるタンパク質(リン)を制限することが重要です。
というのも、タンパク質が分解される過程で多くの老廃物が生成されるため、腎臓病を患っているワンちゃんの場合老廃物が過剰に体内に貯まり、腎臓病が悪化してしまうためです。
例えば、ささみなどやジャーキーなどの高タンパク食に含まれるリンは腎臓に負担をかけてしまいます。
一方、ごはんやさつまいもなどの炭水化物•ニンジン、インゲン、ブロッコリーなどの野菜は腎臓に負担をかけにくいと言われています。
しかしながら、さつまいもをあげすぎてしまうと、さつまいもに含まれるカリウムによって腎臓に大きな負荷をかけてしまう場合があるので注意が必要です。
またサプリメントであるリン吸着剤により、リンの消化管内での吸収を抑制し、血液中のリンの濃度上昇を抑えることで、腎臓病の進行を緩やかにすることも重要です。
本記事では、腎臓病の食事やフード、食べてはいけないものについて詳しく解説します!
腎臓病とは
腎臓は血液中の老廃物や毒素をろ過して尿として排出する機能を持つ大変重要な臓器です。そのような機能が落ちてしまうことを腎臓病といいます。
また、腎臓病は現在進行形で起こっている腎臓の機能不全を意味し、腎不全は不可逆的な腎臓の損傷による末期状態を意味します。
腎不全の状態になると、わんちゃんの体にどのような悪影響が出るの?
腎臓が正常に機能しなくなると、次のようなことが起こります。
- 循環器系に老廃物が蓄積される
- 有害な物質が血液へ再吸収される
- 老廃物が適切に尿から排泄できない
- 水の飲み過ぎや脱水症状を引き起こす
腎臓病は大きく分けると慢性腎臓病と急性腎障害の2種類になります。 症状が慢性的なものを慢性腎臓病、症状が急に出るものを急性腎障害と呼びます。
慢性腎臓病
長い時間(数ヶ月)をかけ、様々な腎機能が低下してしまう病気です。
初期症状は多飲多尿くらいしか起こらず、飼い主様が気づけない事がほとんどで、明らかな症状が出てくるのは慢性腎臓病がある程度進行してしまった時です。
慢性腎臓病の末期になると、
尿毒症や多臓器不全と呼ばれる状態になり、最終的に治療は困難となり、亡くなってしまう事がある怖い病気です。
急性腎障害
毒物(不凍液など)を食べてしまったり、尿路閉塞で結石が詰まるなど様々な原因により、急激に腎機能が低下してしまう病気です。
わずか数時間あるい数日程度の期間で症状が一気に悪化してしまい、体内の老廃物を出すことがでなくなります。
症状としては、尿がでなくなったり、嘔吐、食欲不振が認められます。
治療には積極的な静脈点滴、尿路閉塞の解除、透析などを行う事があります。急性腎臓病は状態が改善すれば、腎機能が正常に戻る事がありますが、命に関わることもあります。
慢性腎臓病の原因は?
慢性腎臓病は、主に加齢や免疫の異常などにより腎臓の糸球体と呼ばれる部分で炎症などのダメージが生じる事が原因と考えられています。
糸球体が損傷すると、老廃物や毒素をおしっこで排泄する機能が落ちてしまい、尿毒症などの症状を引き起こします。
慢性腎臓病と診断されるワンちゃんのほとんどが10歳齢を超えており、若齢で発症することは稀です。
他には
- 歯周病
- 心臓病
- 膵炎
などにより腎臓病を併発する事がありますので、注意が必要です。
慢性腎臓病の主な症状
慢性腎臓病になると、どのような初期症状が出てしまうの?
慢性腎臓病の主な症状は以下のとおりです。
初期症状
初期症状としては、まず”多飲多尿”と呼ばれる水をいっぱい飲んでおしっこをたくさんする症状が出ます。
その後、腎臓の50〜75%がダメージを受けると、以下のような様々な症状を発現します。
- 食欲低下
- 頻回な嘔吐・下痢
- 体重減少
- 被毛粗剛(毛づやが悪くなること)
- 散歩に行きたがらない
- 元気がない、いつもより疲れやすい
- 歯肉炎の悪化、口内炎、くさい口臭がする
初期症状のみで腎臓病と判断することは難しく、
食欲低下や嘔吐など明らかな症状が出てから来院される飼い主様がほとんどです。
末期症状
末期症状としては、腎機能が極度に低下した際に尿毒症と呼ばれる状態になってしまいます。
尿毒症とは体に過剰な毒素が溜まっている状態のことで、様々な症状を引き起こします。
例えば、
- 震え
- 痙攣
- 昏睡
- 低体温
などが尿毒症による症状です。
尿毒症を引き起こしてしまうと、予後は非常に悪く、多臓器不全を引き起こしてしまい、数日から1ヶ月程度で亡くなってしまうことがほとんどです。
尿毒症以外には重度の貧血が認められることもあります。
腎臓のはたらき
そもそも腎臓はどのような働きをする臓器なのでしょうか。
腎臓の主な働きは尿を作ることです。具体的には全身から送り込まれてきた血液をろ過し、おしっこを作り、体の毒素を排泄します。
体重10キロのわんちゃんの心臓は1分間に約1リットルもの血液を送り出しています。そして、そのうち20パーセントが腎臓へと運ばれているのです。
それだけ多くの血液が腎臓に運ばれる理由は、血液中に含まれる老廃物をろ過し、尿を作るためです。 腎臓は身体にとって有害な物質や不要となった物質と有用な物質を分けます。
成人では1日でおよそ150リットルの血液をろ過すると言われており、生きていく上で欠かせない臓器の一つです。
血圧を調整する
また腎臓は血液中の水分量を一定に保つ役割も持ち、血圧の調整を行っています。
血圧が一定の状態に保たれることにより、腎臓のろ過機能もうまくはたらくことができるのです。
ビタミンDの活性化
ビタミンDは骨を作る栄養素として知られていますが、免疫機能を調整するはたらきもある大事な栄養素の一つです。
ビタミンDは、肝臓に蓄えられており、腎臓で活性型ビタミンD3に変換されることで、効果を発揮します。
つまり、ビタミンDが効果を発揮するためには腎臓が不可欠なのです。
腎臓病になってしまうと、体内の活性型ビタミンD3量が低下し、予後が悪くなることがあります。
造血ホルモンの分泌
また腎臓は造血ホルモンである"エリスロポエチン"を作ります。
エリスロポエチンは骨髄に赤血球を作るよう働きかける造血ホルモンです。
腎臓病になってしまうと、造血ホルモンであるエリスロポエチンの分泌量が低下し、貧血が起こってしまいます。
腎臓病のステージ
犬の腎臓病にはIRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)慢性腎臓病ステージングにより定められている4つのステージが存在し、ステージは主にクレアチニンやSDMAといった血液検査で分かる腎数値により判断します。
ステージが高くなればなるほど、予後は悪いと報告されています。以下が腎臓病のステージ分類の詳細です。
犬の腎臓病のステージ分類 | クレアチニン | SDMA |
---|---|---|
ステージ1 | <1.4 | <18 |
ステージ2 | 1.4~2.8 | 18~35 |
ステージ3 | 2.9~5.0 | 36~54 |
ステージ4 | >5.0 | >54 |
クレアチニンは、腎臓の75%以上が障害されることで上昇します。
ですのでクレアチニンが上昇しているということは、腎臓の大部分が機能を失っているということを示しています。
つまり、残りの25%以下の腎臓を大事に守る治療が重要になってくるのです。
その治療とは、ズバリ食事療法です!
高くなったクレアチニンを下げる方法は?
水分補給は、異常に高い血中クレアチニン値を下げるために最も重要な治療です。
常に清潔な新鮮な水を用意して、愛犬に水を飲むように促すべきです。
クレアチニンが高い場合の余命は?
クレアチニンにより腎臓病はステージ分類されていますが、ステージが高い犬ほど生存期間の中央値が短い(余命が短い)ことが研究で分かっています。
- ステージ1(クレアチニンが1.4未満)の犬の生存期間中央値は400日以上
- ステージ2(1.4〜2.8)は200~400日
- ステージ3(2.8〜5.0)は110~200日
- ステージ4(クレアチニンが5.0より大きい)は14~80日
と報告されています。
慢性腎臓病の治療法
慢性腎臓病では腎臓の組織が壊されてしまっているため、完治が不可能な病気です。
ですが、治療次第では長期に渡り生存することが可能で、尿毒症を引き起こさないために食事からのタンパク質を制限したり、点滴を行うことで毒素や老廃物を体内に溜めないようにする治療が大事です。
慢性腎臓病において1番重要と言っても良い治療は、食事療法です。
食事療法では腎臓の負担を軽減するような食事内容が重要で、具体的にはタンパク質、ナトリウム、リンを控えめに、炭水化物を積極的に摂取する必要があります。
食事療法以外の治療法としては
- 点滴:脱水の改善
- リン吸着剤:高リン血症を抑え、腎臓病の進行を緩やかにする
- 降圧剤:高血圧の治療
- 造血剤:貧血の改善
など様々な治療を組み合わせ、管理を行います。
場合によっては腹膜透析や人工透析を行う場合もあります。
療法食を選ぶ時の3つのポイント
犬の腎臓病に対するフード選びは重要で、いくつかのポイントを考える必要があります。
以下に主な3つのポイントを紹介します。
低たんぱく質
腎臓病の犬は、タンパク質の分解によってできる老廃物を排出する能力が低下しています。
そのため、適度に低たんぱく質の食事を選ぶことが推奨されます。
ただし、タンパク質は筋肉を維持するために必要な栄養素なので、その質にも注目が必要です。
低リン
腎臓病の進行を遅らせるためには、リンの摂取を制限することが重要です。
腎臓の機能が低下すると、リンが体内に蓄積し、これが腎臓にさらなるダメージを与えます。
そのため、低リンのフードを選ぶことが推奨されます。
高品質の脂質
犬のエネルギー源となる脂質は、必要なカロリーを摂取しつつ、タンパク質の摂取を抑える役割を果たします。
しかし、ただ単に高脂質のフードを選ぶのではなく、オメガ3脂肪酸などの高品質な脂質を含むフードを選ぶことが重要です。
これらのポイントを踏まえつつ、各犬の体調や好みに合わせてフードを選ぶことが大切です。
獣医師オススメの腎臓病の療法食は?
療法食の食いつきが悪い...
療法食を食べてもBUNやクレアチニンが下がらない...
有害な添加物が気になる...
といったお悩みを多くの飼い主さんは抱えていらっしゃることでしょう。
良い療法食と巡り会えると、
あなたの愛犬のBUNやクレアチニンの値が良くなるのはもちろんのこと、
フードの食いつきがいいのでおやつをあげなくても満足してくれますし、添加物などの有害な成分が入っていないのでさらに腎臓の負担が軽くすることができます。
どうすればそんなことが可能になるのでしょうか。
そのためには、無添加で食いつきのいい腎臓病の療法食を選ぶ必要があります!
具体的に私が提案する良い腎臓病の療法食は
- タンパク質とリンがしっかり制限されている
- 嗜好性が高く、食いつきが良い
- 有害な添加物が入っておらず無添加である
といった3つの条件を満たしている療法食です。
これらの条件を満たしている療法食を獣医師である私が厳選して、ご紹介します。
YUMYUMYUM! 腎臓ケア
国産無添加フード NO.1
食いつきの期待度 NO.1
フード品質満足度 NO.1
信頼できるフード NO.1
私のこれまでの経験上、最もオススメの療法食は、YUMYUMYUM!です。
でも他の療法食と同じようなフードじゃないの?
これが今までの療法食とは全く違うんです!
私も実際に腎臓病を患うワンちゃん達に食べてもらいましたが、
他のフードに比べて何倍も食いつきは良く腎臓の数値もとても良くなるので、忖度抜きで獣医師でもオススメしたいフードです。
獣医師である実際の私の体験談
ここで、私の実際に会った体験談をお話したいと思います。
ある日、慢性腎臓病を患う老犬のトイプードルが40代の飼い主さんと一緒に私の病院にやってきました。
この子の飼い主さんのお悩みは、腎臓病の療法食をあげても、愛犬は食べムラがあるので食べてくれず、どうしたらよいか困っていらっしゃいました。
また、フードを食べないのでおやつばかりあげてしまい、BUNやクレアチニンといった腎臓の数値は全然下がらず、
むしろ測定できないほど上がっており腎臓病の治療を諦めかけていらっしゃいました。
そこで私は点滴など必要な処置を行い、ある療法食を処方しました。
結果は劇的でした。
フードを見たその子はすぐに飛びつき、喜んで食べてくれたそうです!
それから数週間後、飼い主さんから連絡がありました。
「愛犬が療法食を完食してくれるので、おやつをあげなくてよくなりました。それに病状が改善してきたように感じます」と。
「食事が楽しみになった愛犬の姿を見て、自身のストレスも減った」ともおっしゃっていました。
では、どのような療法食を私が処方したのか…
私が処方した療法食は…そう皆さんお分かりの通り、YUM!YUM!YUM!だったのです。
YUM!YUM!YUMは他の療法食と比較して食いつきがとても良いので、腎臓に負担をかけるおやつを食べなくてよくなったことや
無添加なので腎臓への負担が軽くなったため、“わんちゃんの状態が一気に良くなったんだ“と感じました。
このような体験談から「YUM!YUM!YUM 」は、
腎臓病の愛犬が食事を楽しみながら腎臓病の治療を行いことができ、飼い主さんが安心できる結果を生むことを獣医師である私に確信させてくれたのでした。
YUM!の気になる口コミ
それでは気になるYUM!の口コミを以下でご紹介します。
腎臓低下で週一回点滴しています。イヤイヤが多い我家のチワワも色々試しました。ヤムヤムは飽きずに食べてくれてます。やっと継続して食べてくれるドッグフードにたどり着きました!血液検査も良くなっており、悪化はしていません。ありがとうございます。
クレアチニンが良くなりました
40代女性
腎臓病用のフードを色々試しましたが、1番食いつきがいいです。他のフードはしぶしぶ食べるような子ですが、がっついて食べます。高くなっていたクレアチニンも正常値くらいまでストンと落ちてビックリです!
高齢犬にもぴったり
50代女性
19才なので腎機能も低下しており、食べやすいフードはないか探していました。いつものフードにふりかけのようにしたところ気にせず食べてくれました。進んでいた腎臓病もおさまりました。
YUM!は他のフードと比べて高いですか?
YUM!は他のフードよりもかなりコスパが良いです。
大手メーカーの腎臓病フードは、1g当たり3円を超えているのに対して、YUM!は1gあたり2.7円と割安な値段になっています。
うちのグルメな愛犬でもYUM!を食べてくれますか?
確率から考えると、きっと食べてくれることでしょう!
通常の腎臓病のフードはどれだけ美味しくても70%程度の愛犬しか食べてくれないです。
しかしYUM!は93%もの愛犬が食べてくれたというエビデンスがあり、
実際に私が診ているグルメな腎臓病のワンちゃん達も20匹中18匹が美味しそうに食べてくれました。
腎臓病に悩む愛犬と飼い主さんに、心からこのYUM!をオススメします!
腎臓病のわんちゃんの食事で気をつけること
腎臓病のわんちゃんの食事で気をつけることはたくさんあります。
以下で分かりやすく説明していきます。
タンパク質(ささみなど)の制限とカロリー摂取量
タンパク質はエネルギーを作る大切な栄養素の一つですが、腎臓病のわんちゃんはタンパク質を必要以上に摂取しないことにより、以下のような効果が期待できます。
- 糸球体の病変進行が抑制
- 高窒素血症が緩和
- 腎間質組織の線維化が抑制
つまりタンパク質を必要以上に摂取しないことは、腎臓への負担を減らすことに繋がるということです。
しかしタンパク質を減らしすぎてしまうと、エネルギーが不足し自身の筋肉などを消耗してしまいます。 そのため良質なアミノ酸バランスを持つタンパク質源を選ぶ必要があります。
上記にもある通りタンパク質の摂取量を抑えるということは、カロリー摂取量までも制限されやすいというこ とになります。
腎臓病とはいえ、健康なわんちゃんと比較して同程度のカロリー摂取量が求められます。 そのため炭水化物や脂肪によりカロリーをコントロールする必要があります。
リンを抑える
リンは骨や歯、細胞を作るために必要なミネラルですが、腎臓病により排泄能力が低下してしまうことによって体内にリンが過剰に残ってしまいます。
その結果状態悪化を引き起こすと言われているため注意が必要です。
リンの摂取量を減らすことにより腎臓病の進行が抑えられるという報告もあります。
またサプリメントであるリン吸着剤により、リンの消化管内での吸収を抑制し、血液中のリンの濃度上昇を抑えることで、腎臓病の進行を緩やかにすることが可能です。
ナトリウムの適度な制限
ナトリウムもまた必要なミネラルの一つです。 健康なわんちゃんの場合、ナトリウムを比較的多く摂取しても問題なく排泄できます。
腎臓病の進行によって腎機能が低下している場合、過剰のナトリウムが起こす血圧上昇により腎臓にさらなる負担をかけてしまうことが危惧されますが、ナトリウムを制限しすぎても腎臓病を悪化させてしまうため気をつけなければいけません。
慢性腎臓病のわんちゃんでは1日あたりの推奨ナトリウム摂取量はドライフード中の0.1〜0.25%と言わ れています。
カリウムの調整
腎臓病ではカリウム摂取量が低下(食欲不振や嘔吐により)、カリウムの喪失が増加(多尿によって)することがあります。
その結果、低カリウム血症が起こることがあります。
またその一方で、カリウムの排泄が困難になることにより、高カリウム血症が起こることもあります。
カリウムが不足すると筋肉や腎臓にダメージを与えたり、栄養素の代謝異常を起こすこともあるため、注意が必要です。
オメガ3脂肪酸(フィッシュオイルなど)
必須脂肪酸の一つであるオメガ3脂肪酸は、高血圧を下げたり酸化ストレスを減らすはたらきがあるとされています。
オメガ3脂肪酸は、魚・オキアミ・カラスミ・ミドリイガイ・藻類などの海洋生物から採取されます。
オメガ3脂肪酸の投与によって、
- 尿中のタンパク質(タンパク尿)への漏れを減少
- 高血圧の軽減
- 腎臓で起こっている炎症を抑制
などといった様々な効能があり、慢性腎臓病の犬の予後や寿命を良くする効果が期待できます。
食物繊維(さつまいもなど)
食物繊維は、窒素を栄養源としている腸内細菌を増やし、アンモニアの発生を抑えるはたらきがあります。 そのため血液中の有害物質を減らし、腎臓の負担を軽減させます。
特にさつまいもやカボチャは腎臓病と相性の良い食材といえるでしょう。
ただしさつまいもはカリウムが多く含まれる食材でもあるため、獣医師と量を相談しながら与えましょう。
水分補給
わんちゃんが腎臓病にかかると、腎機能が低下してしまうことにより、尿として多量の水分を失うことがあります。 体内に必要な水分を残すことができなくなってしまうためです。
そのため脱水症状に陥ってしまう可能性もあります。
ポイント
飲水量はなるべく把握するようにし、ごはんにもなるべく水分を足しふやかして与えるなど、水分摂取量を増やす ことを意識するといいでしょう。
また、食欲低下の症状が起こるケースも多く、嗜好性を高めることも必要となります。
ごはんをあたためる、スープを混ぜる、トッピングをするなど、その子に合わせたやり方で体重を維持できるよう にコントロールしていきましょう。
腎臓病の予防と対策
腎臓病の予防と対策について以下にまとめています。
歯磨きの習慣化
歯周病のわんちゃんはそうでないわんちゃんと比べて腎臓病にかかりやすい傾向があると報告されています。
また歯周病はそれ以外にもたくさんの病気と関わることが最近の研究で分かってきました。
腎臓病やそれ以外の病気を対策するため、日頃から歯磨きの習慣をつけ口腔ケアを心がけましょう。
バランスの取れたごはん
塩分が適度に制限された栄養バランスのとれたごはんはとても大切です。
総合栄養食はある一定の基準を満たしたものを言いますが、メーカーにより原材料や添加物など大きく異なりま す。
自身のわんちゃんに1番合うごはんを選びましょう。
新鮮な水をいつでも飲めるようにしておく
また新鮮な水がいつでも飲める環境を保つことも大切です。
普段の飲水量がどの程度かを把握しておくと参考になるでしょう。1日の飲水量の目安は1日の摂取カロリーとイコールと言われています。
つまり1日に必要なカロリーが300キロカロリーのわんちゃんの場合、300ミリリットルの飲水量がベストです。
これをしていれば絶対に予防できるといったものはありません。 わんちゃんを普段から思いやる家族の目が一番の予防と言えるのかもしれません。
腎臓病で食べない場合はどうしてらいい?
腎臓病が進行していくと、ごはんを食べなくなるイヤイヤ期に突入してしまうことがあります。このイヤイヤ期には様々な原因があり、フードに飽きたり、嗅覚が衰えてしまうなどといったことが主な原因です。
イヤイヤ期を突破するためには、今食べているフードを電子レンジで人肌程度まで温めてあげたり、あるいはフード自体を違う味のものに変えてあげると良いでしょう。
ただし、また再びイヤイヤ期は訪れますので、その時は以前食べていたフードを与えると食べてくれることがあるので、捨てずにとっておきましょう!
腎臓病にいい食べ物って?
腎臓病のわんちゃんに与えられるものには限りがあります。
しかしそんな中でも与えることができるおやつもあります。
どんな食事制限の中でも絶対にあげられるわけではないので、厳しい食事制限がある場合は獣医師と相談して与えてください。
以下で詳しく解説しています。
おこめ
リンやカリウムの含有量が少ないため、食事制限を必要とするわんちゃんに与えることができます。
腎臓病ではタンパク質の制限が必要とされるため、少なくなりがちなカロリー補給によく、米粉を使ったクッキー などで食欲減退時のおやつにもおすすめです。
小麦粉
小麦粉もおこめと同じくリンやカリウムの含有量が少ないた食事制限を必要とするわんちゃんに与えることができます。
果物や野菜にはリンやカリウムが多く含まれているものも多く、日頃から手作り食を与えている家庭でない限り は無知に与えることはおすすめできません。
たまごボーロ
今まで与えていたおやつを急にやめるのはわんちゃんだけでなく飼い主様にとっても心苦しいことですよね。
購入できるおやつが全くないわけではなく、わんちゃん用に販売されているたまごボーロは与えることができるおやつの一つです。
クッキー
わんちゃん用に販売されている小麦粉や米粉が主成分であるクッキーもおやつとして与えることができます。
ただしクッキーであればなんでも与えられるわけではなく、野菜や果物が練り込まれているものもあるため、腎臓病に影響を与えないものかどうか注意して選ぶようにしましょう。
ポン菓子
わんちゃん用におこめを主成分として作られているポン菓子が販売されています。
腎臓病でも食べていい果物
以下に挙げる果物は腎臓病の愛犬にも与えて大丈夫な果物です。
ただし、与えすぎはカリウムの値を高くしてしまう可能性や腎臓に負荷をかけることがあるため、適量あげてください。
- リンゴ
- バナナ
- ブルーベリーやイチゴ
ブルーベリーやイチゴ
特にブルーベリーとイチゴは、毒素と闘う抗酸化物質や消化を助ける食物繊維を含んでいるので、腎臓を患う愛犬にはベストな果物です。
リンゴ
リンゴには有害な毒素を吸収するペクチンが豊富に含まれているため、ひと口サイズ程度の大きさであればあげても問題ありません。
バナナ
バナナは主に水分、繊維質、炭水化物で構成されていますが、ビタミンやミネラルも多く含んでいます。
リンが少ない食べ物と多い食べ物
腎臓が正常に働くと、余分なリンは体外に排出されますが、腎機能が低下するとリンの排出がうまくいかなく、腎臓病を悪化させる恐れがあります。
以下に、リンの少ない食べ物と多い食べ物ををまとめました。
リンの少ない食べ物
- 新鮮な果物や野菜: 多くの果物や野菜には低リンで、腎臓の負担を減らすことができます。
- パン、パスタ、米、とうもろこし: これらの穀物類は低リンです。
リンが高い食べ物
- 乳製品: 特にチーズやヨーグルトなどの濃厚な乳製品にはリンが多く含まれています。
- 豆類: これらの食品はリンが豊富です。
- ナッツ類、オートミール: アーモンドやカシューナッツなど、ナッツ全般にリンが多く含まれています。
- 加工肉(ソーセージ、ハム): リン酸塩が含まれている可能性が高いです。
購入する食品のラベルを確認し、リン酸や関連する成分が含まれていないかチェックすることが重要です。
高リンの食品は、犬の腎臓に悪影響を及ぼす可能性があるため、摂取量を制限する必要があります。
きのこは食べても大丈夫?
きのこは食物繊維やビタミンを豊富に含んでいるため、体にはとても良いですが、腎臓病の犬にはたくさん与えてはいけません。
というのもカリウムが豊富に含まれているため、高カリウム血症になりやすい腎臓病の愛犬が食べてしまうと、さらに高カリウムになってしまい不整脈を起こす可能性があるためです。
きのこの中でも特にカリウムが高い種類はブナシメジやエノキです。逆にカリウムが少ないきのこは舞茸や椎茸ですので、これらのキノコであれば茹でて少量与えても大丈夫です。
まとめ
慢性腎臓病は完治させることができない病気であることを忘れないでください。
腎臓病のステージが進むにつれて、寿命が短くなる可能性が高くなりますので、早期発見•治療が重要なのです。
腎臓病はほかの病気から引き起こされることもあり、シニア期からの発症する事がほとんどです。早期発見を行うことが重要ですので、1年に2回以上の血液検査・尿検査などの健康診断を受けることをおすすめします。
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【参考文献】
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飽きずに食べてくれてます。
30代女性