最近我が家の猫がトイレ以外の場所で尿をしてしまいます。これは一体どういうことなんでしょうか?
トイレ以外での粗相はストレス、時には膀胱炎が原因となることもあります。
猫がトイレ以外で尿をすると、その原因はさまざまですが、ストレスや縄張り意識、または膀胱炎などの健康問題が考えられます。
この記事では、獣医師の監修のもと、粗相の原因と対処法について詳しく解説します。猫が何を感じ、どう対処すればよいのかを理解することで、飼い主と猫双方のストレスを軽減し、より快適な生活を目指せしましょう!
猫がトイレ以外で尿をする2つの原因
猫がトイレ以外で尿をする場合、主に2つの大きな原因が考えられます。それぞれの原因とその対策について詳しく見ていきましょう。
マーキング
マーキングは、猫がテリトリー意識や不安、ストレスからくる本能的な行動です。特に新しい猫が家に来たり、環境に大きな変化があったときには、マーキング行為が増える可能性が高いです。
壁やソファなどにしっぽを高く上げながら行うマーキングをスプレー行動と呼びます。
スプレー行動は、生後3~6ヶ月頃に性成熟が始まり、テストステロンのレベルが上昇することで、マーキングが顕著になります。去勢手術によりこのホルモンレベルを下げると、マーキングの頻度が減少することが多いです。
膀胱炎
膀胱炎は、尿路感染または炎症が主な原因とされ、猫の排尿パターンに異常を引き起こします。
具体的には、猫がトイレに間に合わない、または排尿時に痛みを感じることから、トイレ以外で尿をする可能性があります。
ゆえにマーキングとは異なり、わざとトイレ以外で尿をしているわけではなく、尿が出にくくなるためや、排尿時に感じる痛みから起こります。
症状としては、尿がぽたぽた垂れてくる、排尿するときに痛そうに鳴くなどがあります。
猫のマーキングはいつから始まる?
マーキング行動は、特にオス猫に多く見られる現象であり、始まるタイミングは猫の成長と発達に密接に関連しています。
一般的に、オス猫は生後3ヶ月頃から性成熟が始まり、5~6ヶ月頃には精巣が発達します。この時期を境に、スプレー行動やマウンティングといった性的な行動が増加する可能性が高くなります。
これは、テストステロンという性ホルモンのレベルが関与しています。テストステロンのレベルが上昇すると、猫は縄張りを確立しようとする本能が強くなり、その結果としてマーキング行動が頻繁に行われるようになります。
一方で、去勢手術を行うことで、テストステロンのレベルが減少し、マーキング行動が減るケースも多く報告されています。しかし、去勢手術をしても全くマーキングをしなくなるわけではありません。ストレスや不安もマーキング行動に影響を与えるため、それらの要素も考慮する必要があります。
マーキングを解消するためのオススメの対策
猫のマーキング行動は飼い主さんにとっめ大きな悩みの一つです。
以下に、猫のマーキング行動を緩和または解消するための推奨される対策をいくつか紹介します。
快適なトイレ環境
「猫ちゃんの数+1」のトイレを設置することが理想的です。これによって猫がトイレを共有するストレスが減少し、マーキングの必要性も低くなります。
去勢・不妊手術
特にオス猫でマーキングが問題となる場合、去勢手術は非常に効果的な方法とされています。
ストレスの除去
新しい家具やペット、引っ越しといった大きな変化がマーキング行動を促す可能性があります。猫が安心できる環境を作ることで、ストレスによるマーキングを減らすことができます。
掃除と臭いの除去
マーキングされた場所は徹底的に掃除することで、猫が再びその場所でマーキングする可能性を減らします。
絶対に怒らないこと
怒ると猫はストレスを感じ、さらなるマーキングを助長する可能性があります。そのため、マーキングしたところを見つけても、怒らず冷静に対応しましょう。
オススメのストレス対策グッズ
猫のストレスケアでお悩みの飼い主様におすすめのアイテムをご紹介します。
フェリウェイ
フェリウェイは、アメリカで最も人気な猫のストレスケア製品です。猫ちゃんがリラックスしている時に自ら出しているフェロモンを出ていないときも満たすことができる猫ちゃん専用のフェロモン製品です。
猫ちゃんがよくいるところに、スプレーをかけるタイプか、コンセントに差すだけでお部屋に拡散される噴霧タイプがあり、膀胱炎のケアやトイレ以外でおしっこをしたりするなどのストレス行動を緩和する働きがあります。
ジルケーン
ジルケーンは、人間の赤ちゃんがお母さんの母乳を飲むと安心してスヤスヤ眠るように、牛乳の中の「不安を和らげ、落ち着かせる」効果のある成分を使ったサプリメントです。
そのため、ミルクのにおいと味で嗜好性もよく、もちろん副作用もないので安心して使うことができます。
本記事のまとめ
この記事では、猫がトイレ以外で尿をする行動について、その主な原因と対処法を獣医師の監修のもとに解説しました。
主な原因としてはストレス、テリトリーの主張、そして健康問題、特に膀胱炎が挙げられます。マーキング行動が多く見られるのは生後3ヶ月頃からで、特にオス猫で顕著です。
対策としては、適切な数のトイレを設置すること、ストレスを減らすための環境づくり、去勢・不妊手術、そしてスプレー行動を見つけたら怒らないようにするなどが有効です。これらの対策を適切に行うことで、猫と飼い主双方のストレスが軽減され、快適な環境での共存が可能となります。